ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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最近は暑さも収まってきた……、かな?


28話 汚い手は基本

「「ふぅ〜」」

 

俺は、裏路地に入って髪を解いてメイクを流し落とした。

 

リンドはサラシを取って髪を結んだ。

 

「「……あの、何で変装を?」」

 

同じく、男装させられたヨミとノエルを着替えさせる。

 

「いやぁ、公爵サマに目をつけられるとアレなんでね」

 

「でもこれで、モンスターのスタンピードは制圧できたみたいだし、結果はバッチリだね」

 

俺とリンドはそう言いながら商人の服に着替えた。

 

ああ、因みに、この世界の服飾が地球の近世以降のように洗練されている理由は、過去の勇者の薫陶によるものらしい。

 

まあ、俺も、リアル中世みたいにタイツとかブリーフみたいなのとかは嫌だし、それは良かったな。

 

ガチ中世の服となると、靴下と一体化したタイツや、シャツと一体化したブリーフとかだぞ。そんなんキモいでしょ。

 

この世界はちゃんと、シャツとズボンが主流だから安心だなあ。

 

まあ、つまりはナーロッパだな。

 

しかし、どうして異世界人が変わった格好をしていたからって、それを真似ようと思ったんだか……。

 

技術やファッションは、発明することより普及させることの方が難しいんだがなあ。

 

だってこの世界、鐙もねえんだぞ?

 

なのに何故、服飾だけは近世以降なのか……。

 

転移者は基本近代〜現代の人間らしく、中には発明家のような職業の奴もいたんじゃないのか?

 

日本人なら絶対に魔法銃とか作るでしょ。役に立つかどうかは別として、絶対に試すはずだ。

 

うーむ、謎である。

 

それはさておき、俺達のサポートのお陰なのか、帝国軍が強かったのか、それは分からないが、とりあえずスタンピードはどうにかなったらしい。

 

とは言え、じゃあすぐに出発できるか?と言えば否である。否否否!

 

何故か?

 

スタンピード死しても残党は死なず!って訳よ。

 

しばらく、周囲の掃討や建て直しなんかをするから、まあ、十日くらいは足止めされちゃうみたいだね。

 

なろう主人公さんなら、ここで、目立ちたくないと口では言いつつ、なんかデカいこととか余計なことをして偉い人に捕捉されるのが常だが、俺達はちゃんと頭に脳味噌が詰まっているので、余計なことをせずに過ごす。

 

まず、料理は売らない。

 

料理は、兵士に見つかったら「お前は、スタンピードの時に飯を振る舞ってきた商人となんか関係があるんじゃないのか?!」って言われるのは想像に難くないよね。馬鹿でも分かるよね。

 

なので、今回売るのはこんなもん。

 

・塩

しばらく流通が止まるなら、塩は欲しくなるはずだ

・酒

戦勝ムードが漂っているから、みんな欲しがると思う

・砥石

たくさん刃物を使った冒険者や兵士に向けて

 

そして一押しはこれだ。

 

・ポーション

水薬のこと。どうやら、俺自作のジュースはポーション扱いらしい。怪我人が多いはずだから売れるかもしれない

 

え?俺にポーションが作れるのか?

 

うん、それなんだが。

 

この世界のポーションを飲んでみたが、味は完全にセンブリ茶だった。

 

苦ーいハーブティーだな。

 

この世界では、薬師が何年も修行してやっと作れるのがポーション……、回復薬なのだが、俺の場合は普通に美味しいセンブリ茶を淹れればそれがポーションとなるのだ。

 

商人としての信用についてはほぼないのだが、それでも、今は薬師がフル稼働して、薬草畑から根こそぎ薬草を引っこ抜いての修羅場らしいから、モグリであっても物が有れば売れるはず……。

 

それと、『仕込み』もして、と……。

 

「さあ、商売開始だ」

 

 

 

平常時なら、この広い道にギチギチに屋台が立ち並ぶストローべの大通り『アマゥ通り』だが、現在は、スタンピードの影響で少々閑散としていた。

 

人の多さはいつもの半分から三分の一ってところだろう。

 

その分、道は冒険者やら兵士やら、色んな奴らが通るんで、そこまで伽藍堂!って感じではないな。

 

「さあさあ!物流が止まって大変だ!塩は足りてるか?戦勝祝いに酒はどうだ?!」

 

「ポーションもありますよー!」

 

俺とリンドはそう言って声を上げる。

 

最初は、モグリの行商人って事で、あまり客は来なかったんだが……。

 

「おい!ポーションがあるのかー?!」

 

と、怪我をした冒険者が来る。

 

「はい!ありますよ!」

 

「はっ!本物なのかよー!行商人がポーションなんて持ってるのかー?おー?」

 

ちっ、下手くそが。バレてないと良いんだが……。

 

「はい!本物ですよ!試しに一本飲んでください!」

 

俺は、目の前のポーション瓶を一つ渡した。

 

「おう!飲んでやるぜー!ごくっ、ごくっ……、うお、相変わらず苦ぇなあ……。っと!おおー!怪我が治ったぞう!このポーションは本物だあ!!!」

 

「お買い上げありがとうございます!」

 

こうして、俺と怪我をした冒険者とのやり取りを見ていた他の奴らは……。

 

「ポーション、本物なんだな?じゃあくれ!」

 

「俺にもくれ!ついでに酒も!」

 

「私も買うわ!」

 

と集まってきた。

 

ふむ、お気付きだろうが、最初の怪我をした冒険者は、俺が雇ったサクラだ。

 

ものが良ければ売れる、そんなナイーヴな考えは捨てろ。

 

いやマジで、信用がない行商人じゃそうそう物を売れないからね。

 

と言う訳で一芝居打たせてもらった。

 

冒険者には二千フロレンほど払って演技させたが、それでもポーションを五本も売ればペイできる支出だ。

 

言っておくが、演技はさせたが、品質はまともだぞ。

 

さあ、商売商売!

 




家の片付けをしたら埃で目鼻がやられてダウン。

どうしてこんなになるまで放っておいたんだ?!



あーーー、ディストピア武装JKと謎の商人主人公の話書きたいな、書きたいなこれ。

……書くか?

いやでも既存作の続きを……。

……続きを書く義務はないんだよな?いや、書くべきなんだろうけど、別にプロ作家やってる訳じゃないし、完結を義務付けられてはいないんだよな。

うーーーん……、でもまだ、TRPGものを書きたい熱があるんですよね。

一応、
超能力サバイバル8話
追放賢者8話
異世界と行ったり来たり5話
の書き溜めがあるんだよな。

個人的にはもうちょっと書き溜めてから放出したい感はあるんですけど……。

うーーーん……。

短編ってことにして二、三十話で完結させるか……?冷静に考えると、「ディストピアから逃亡して武装JKとラブラブ(死語)な生活を始める」くらいの不透明な見通しだから、すぐに書くことなくなりそう……。

やるとしたら、キャラの設定を作り込んでみたいってのはあるよね。キャラゲー感出したい。


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