ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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バカエロを書きたい。


26話 スタンピード

俺は、料理人を志望するだけあって、早起きだ。

 

朝食からご飯を炊いて味噌汁を作って……、などをしなければならないことを考えると、早起きするのも仕事の内だろう。

 

パンが主食の欧米圏のパン屋などは、朝に焼き立てのパンを店先に並べるために、日が昇る前に起きて仕込みを始めるそうだ。

 

まあ、料理人の朝は早いって話だ。

 

睡眠時間が不足した場合は、昼寝で補っているぞ。

 

寝ることはいいことだ。

 

 

 

あー、つまり。

 

俺は朝、自分で起きるのだ。

 

他人に起こされて起きたことなど、ほんの小さな子供の頃以外ではない。目覚ましすら使わない。

 

それが、今日は、珍しく他人に起こされた。

 

俺が寝坊した?

 

否、そうではない。

 

朝、俺が起きる朝の五時の更に前。

 

まだ、空が薄暗い頃。

 

朝の六時頃に鳴らされるはずの鐘が、こんな早い時間から鳴らされる。

 

俺を含めて、宿に泊まる商人や、周辺の民家の街人達が、寝惚け眼を擦りながらのそのそとベッドから這い出た。

 

鐘が鳴る。

 

一度ではない、何度も何度も鐘が鳴る。

 

まるで警鐘だ。

 

「んぅ〜……、なんなの?」

 

俺の隣で裸で寝ているリンドが、早く起こされて不機嫌になりながらそう言った。

 

裸の理由?察しろ。

 

「分からん。分からんが……、尋常な出来事ではあるまい」

 

「もしかしたら結婚式とか?」

 

「こんな時間から結婚式やるアホいたらぶん殴りに行くしかないわ」

 

「ハネムーンの前にヴァルハラに送ってやりたくなっちゃうねえ」

 

そんな話をリンドとしながら、俺達は即座に宿をチェックアウトした。

 

軽口は基本だが、行動もするぞ。

 

「主人様……、物々しいですが、一体何が……?」

 

「ケンウェイ、これはなんなの?僕、こんなに大きな街に来たことがないから分からないけど、これってなんか拙そうだよね?」

 

ヨミと勇者サマ……、ノエルも回収する。

 

そして、外にある馬車を出して、街を出ようと裏門に向かうと……。

 

城壁の上にいる兵士が叫ぶ。

 

「馬鹿野郎!戻れっ!外はモンスターだらけだ!」

 

うーん、なるほど。

 

つまり……、スタンピード的なやつですか。

 

 

 

まあほら、ぶっちゃけ、今の俺達のステータスなら、迫りくるモンスターの群れをぶん殴ってぶち抜くことも不可能ではない。

 

だがそれは、やったらクソめんどくさいことになるのは火を見るよりも明らかだ。

 

いやもちろん、「やれやれ、目立ちたくないんだけどな(キリッ)」みたいなノリで無双するなろう主人公さんになるのも構わないんだけど、それはちょっと拙いのよね。

 

何故なら、ここ、ソウルズベリーの領主であるラッセル侯爵は、商業派寄りの中立派だからだ。

 

もしここで手柄を上げ過ぎれば、ラッセル侯爵と面会……、なんてことになるかもしれない。

 

そうすると、ラッセル侯爵が相当のアホでもない限り、俺達を取り込もうとしてくるはずだ。

 

そうなれば、軍事派のゴルディアス辺境伯の面子を潰すことになる。

 

俺の目的は、貴族や大商人相手に、かなりの高額で地球の製品を少しだけ売り、左団扇な生活を送る事にある。

 

少し生活してよく分かったが、この世界に倫理なんてものはない。

 

俺がどんなにいい商品を出しても、商業ギルドに加盟していない俺の商品は、皆足元を見て買い叩く。

 

流石に、そもそも商人が来ない田舎の寒村とかなら、村人は喜んで買ってくれるが、そんな奴らは金なんて持っていない。

 

この世界で必要なのは、商品の品質より、むしろコネなのだ。

 

なろう主人公さんが辻売りでいきなり大評判!とかになるあれは、リアルではあり得ない訳よ。

 

コネの力がないと、商業系のギルドから難癖……、ってか、自分らの縄張り荒らしをしたツケを払わせようと攻撃してくるのは残念だが当然のこと。

 

実際問題、この世界の商業ギルドは、ぶっちゃけヤクザみたいなもん。

 

言っておくが、商人の喧嘩くらいじゃ貴族ってか公権力は動かないからな?そりゃあ、その貴族と懇意にしている商人なら、便宜を図ってもらえるんだろうが。

 

まあ、そんな訳だから俺は、ギルドよりも遥かに偉い貴族サマに取り入るしかないってことよ。

 

それなら商業派に取り入った方がいい?いやもう、軍事派に肩入れした後だから。蝙蝠野郎が一番嫌われるぞ。

 

さて……、つまりは、この街での足止めが決定された訳だ。

 

となるとどうするか……。

 

「とりあえず、街の中心部に戻ろう。その方が安全だ」

 

俺はそう言って、馬車をUターンさせる。

 

 

 

街中では、モンスターのスタンピードが起きたことが既に周知されているらしく、皆が慌ただしく動いていた。

 

冒険者や兵士は武器を持って門の方へ駆けていき、飲食店は上からの指示で兵糧食を作り出す。

 

さて、じゃあ俺はどうするか……。

 

そう考えたとき、こう思った。

 

「これさ、街を守りきれなかったらどの道面倒な事になるよね?」

 

「そらそうよ」

 

「俺は面倒が嫌いなんだ」

 

「じゃあ、上手い具合に支援するしかないね、スティンガー君」

 

「う、うん、そうだね、コーウェン君。って、そっちのスティンガーじゃねーよ!」

 

そんな訳で、俺達は屋台を門の近くへ移動させた……。

 

 

 

体力、精神力、筋力、耐久力、器用さ、知覚力、学習能力、意思力、魔力、魅力……。

 

これが、この世界のステータスの評価基準だ。

 

この中で、強くなるのに必要なのはどれだろうか?

 

もっと言えば、スタンピード……、迫り来るモンスターの群れと戦うのに必要な数値はどれだろうか?

 

魅力や学習能力はこの場面では不要だろう。

 

魔力も、魔法を使えるのは五人に一人と言ったこの世界ではあまり必要ではない。

 

知覚力も、すぐそこまで迫ったモンスターの群れにはなんの有用性もない。

 

では、筋力か?と言えば、それも微妙に違う。

 

今必要とされているのは『継戦能力』……、すなわち『体力』だ。

 




バカエロは旅人提督で書きます。

旅人提督は安価スレの「艦娘のエロエロ度を測定する?!」みたいな感じのノリでやっていきます。

次回は、旅人が朝起きたら、スマホに催眠アプリが入っており、それを使って艦娘にエロい催眠をかけていく……、みたいな内容になるんじゃないかな。



それはそれとしてディストピアものを書きたい。

タイトルは忘れましたが、Twitterで、Steamのとあるゲームが流れてきたのを見つけたんですよ。

そのゲームの内容は、アストルツカみたいな国で、可愛い女の子達が徴兵されて謎の機械兵団と戦うタワーディフェンス?みたいな感じだったんですよ。

おっ、ちょっと面白そうだな!と思ってレビューみたら、「救いがないぞ!」って言われまして。

女の子兵士達は、愛する家族に会えず、安月給で使い潰され、最終的に敵国に捕まって機械兵団のパーツに『加工』されるか、腐った上層部の私兵として永遠に戦うかの二択なんだとか……。

僕は、現実が辛過ぎてメンタルボロボロなんですよね。いやまあ、俺はいいんですよ、ゲスなんで、酷い目にあっても当然のこと。でも、家族思いの優しい女の子が、こんなひどい目に遭うのは見てられない!現実はそりゃあこんな風なひどい展開ばかりなんだろうけど、せめて創作物の中でくらい幸せにしてやってくれ……。

そんな訳で、ディストピアで暮らすかわいそうな女の子に優しくする話を書きたいですねえ……。

そうだなあ……、こう……、Twitterでディストピア飯で検索すると出てくるような飯がデフォのディストピア国家が舞台。

主人公どうします?たまには良い奴にします?いや、良い奴は生理的に無理だな、吐き気がする。

異世界転移ものにするかな。謎の邪神Nャルラトホテプさんに異世界転移させられるって事で。

主人公は、「せや!異世界で地球の物品を売って商業チートや!」って思って、現代地球で流通するもの及び一度手に入れたものをコピーして量産する能力をもらうんよ。

邪神Nャルラトホテプ「異世界がファンタジー世界とは言ったない」

主人公さん「よくもだましたアアアアアア!!!!」

ディストピア、曲がりなりにも戸籍制度があるので、身元不明の主人公さんは追われる身に。そして、地球の物品のコピー能力は、戦闘能力には寄与しない。ディストピア国家はほら……、技術力は無駄に高いから……。地球の銃はこの国では旧式扱い。

逃亡生活の末、ディストピア国家の戦争している地域の前線都市に行き着いた主人公さん。

敵どうします?謎のエイリアン?機械兵団?ミュータント?ゾンビ?まあなんでも良いかな……。

前線都市では、中卒の武装JKが徴兵されて戦っていた。男?徴兵され過ぎてマブラヴみたいになってるよ!

主人公さんは、武装JKにとても親切にされ、「このクソッタレな世界にもいい子はおるんやなあ」と感動する。

行き場もないし、何だかんだで武装JK達のいる前線基地に出入り商人とか言って現れ、安値で武装JKに増加食とか娯楽本とかを売り捌くぞ!

みたいな話。

あー、あと、レギオスみたいな移動都市要素もぶち込みたいなあ……。アークナイツってのもやったないけど、あんな感じの……。

最終的に移動都市で武装JK達と一緒に駆け落ちや!

うーん……、後書きで設定考えると書きたくなるんだよなあ……。今書いてるのに集中しなきゃならないのに。


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