異世界転移(?)からもう既に三ヶ月が過ぎた。
つまりどう言うことか?
「夏だ!!!」
俺は海に飛び込んだ。
一時間後。
「夏はあげぽよ」
「頭大丈夫????」
おっと、啞零ちゃまったら。
「夏だから冷たい目で見られると涼しくていいな!」
「本当に頭おかしい……」
「そんな訳で過去に仕込んでおいた蛸壷にタコが入ってたから、今日の昼はたこ焼きな!」
「あ、働いてたんだ……。良かった、頭がおかしくなった訳じゃないのね……」
「いや、頭はおかしいぞ」
「自覚してるんなら治してくれる????」
そんな、ひどい……。
「いやぁ、それにしても、海水でベトベトだなあ。ハイッ、『分解』!」
体表についた海水を分解して綺麗になる。
「啞零ちゃんの潮もぺげらっ」
すげぇよ、アッパーカットだ。
「最ッ低……」
「待ってくれ!俺はただ、おすまし顔の啞零が淫らに乱れるところを見たいだけでおごーっ」
「死ねっ!」
素晴らしいレバーブロー。
酷いですわ……。
「よーし、良いパンチだ!ほれ、ワンツーワンツー!」
適当に啞零に殴られてやった。
まあ、女の細腕で小突かれたくらいで痛みなんざ感じんよ。
ヒグマや鹿、野犬と戦ってきた俺からすれば、啞零の攻撃なんて子犬にじゃれつかれてるようなもん。
因みに啞零は、どんなにエグいセクハラしても、超能力を使って攻撃してきたり、金的目突きとかはしてこないぞ。人としてできてるなあ。
それに……。
「ほらほら、怒るな怒るな。良い女は笑ってなきゃ駄目だろ?」
と、俺が頭を撫でてやると……。
「……ばか」
と、大人しくなる。
俺からすれば可愛い子猫ちゃんよ。
「可愛いぞ、啞零。この三ヶ月、よく頑張ったな」
「な、何よ急に」
「いやぁ、あんまりにも可愛いんで、そろそろ本気で手篭めにしちまおうかなと」
「ふ、ふん!他の子にも言ってるんでしょ、そう言うの!」
んー?
「いやそりゃ、言うだろうよ。だってお前、考えてもみろよ。この村は圧倒的に女余りなんだぞ?男が二人以上の女を受け持つ計算になる」
「わ、私は別に一人でも良いし!」
「ええー?ほんとにござるかー?」
「あ、あんたなんて全然好きじゃないんだからね!勘違いしないでよね!」
おおーっ?!!!
すげぇ!古の文化、『ツンデレ』じゃねーか!
こんなん今時いるんだ?!
やべぇな、可愛い。
俺は啞零を抱きしめた。
「お前よぉ、めちゃくちゃ可愛いんだよこの野郎!」
「ひゃあん?!」
そして、啞零の唇を無理やり奪う。
「んっ……?!」
「お前は俺のものにする。他の誰にもやらん」
そう言って、啞零を姫抱きにしたまま、村に戻った。
「ば、馬鹿っ!降ろしなさいよ!」
「ははは!まあまあ!」
「みんなに見られてるじゃない!は、恥ずかしい!」
っつってもなあ。
「多分、全員、お前は俺の女だと思ってるぞ?」
「ーーーっ?!!そ、そんなことないし!」
そうかぁ?
「実際どうなん?」
と、俺が獲ってきたタコを運び出す指示をしていた睦に聞く。
「そうですわね。私は元より、啞零さん、双夢さん、涼巴さん、肆嘉さん、正那さんは、確実に娶っていただきますわ」
ほー。
「なっ……?!何よそれ?!聞いてないんだけど?!」
啞零が顔を赤くしてキレるという器用なことをした。
そこもまた可愛いぞー。
「あら?言っておりませんでしたか?ですが、今後の村の中での権力集中を考えると、そうする他ありませんのでご了承下さいませ。と言うより……」
「な、何よ?」
「惚れ込んだ殿方の妻になれるのに、何が問題なのでしょうか?」
「ほっ……?!!!わ、私は別にこいつなんか!」
なお、啞零はずっと俺に姫抱きされたまま会話していますよ。
「そ、そうなのですか?説得力が皆無なのですが……?」
まあ、現在進行形で夏なのに抱き合ってるんだもんなあ。
「へ……?あっ!こ、これは違うの!こいつが勝手に……!」
啞零がなんかごちゃごちゃ言い訳するのを聞き流して、睦は俺に一言言った。
「啞零さん、とても可愛らしいですわね……」
「だろ?こいつは可愛いんだ」
「なーっ?!!何言ってんのよ?!!」
あー、可愛い。
久しぶりの超能力サバイバルですね!
この後の展開は一切考えてないぞ助けてくれ。
多分、これからは、この作品のモデルであるクンニしろよオラァ!と同じように、人間のサイコパスとの戦いになるんじゃねえかなあ……。
どう考えても人間の方がモンスターより怖いからね、ちかたないね。
縄張りを守るためや狩りとして人間を襲うモンスターより、人間の悪意の方がよっぽど怖いなあ!みたいなアレだよほら。
もちろん、それオンリーではなあ……。
なんかやりたいイベントとかあります?
一応、オチは考えてあるんですけど。
クンニのように、世界を調べてこの世界の秘密を解き明かしていこう!みたいな感じも出していこうとは思ってるんですけど、具体案がなくてさあ……。