ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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んあー。


34:モンスター?

はぁい、とりあえず、自己紹介やら何やらを済ませました、と。

 

ロングハウスには充分過ぎるほどの部屋があるから、そこに人をぶち込むぜ〜!

 

住居はとりあえずそれでよし。

 

ちっさいログハウスとか、この辺がもし、俺の予想通りの豪雪地帯だとしたら、降り積もった雪の重さでペチャンコになるやもしれんからな。

 

とりあえずは、今年の冬が来てから色々と考えよう。

 

 

 

とは言え、何度も言わせてもらうが、サバイバルの観点から見れば、この村はほぼクリアしている。

 

住居、安定した食料供給、風呂、安全な水。

 

これだけあればもうやることないんだな。

 

つまり、ここからは、冬への備えという名のサブストーリー消化ですわ!

 

本来なら、『この世界に来た理由を探す』という大きな目標があるのだが……、それは置いておく。

 

もちろん、それこそが最大の目標であることは、ここにいる誰もが肯定するゾ。

 

だがなあ、それどころじゃないってのが本音なのよね。

 

だって、まず、差し迫った危機に、『冬の到来』と『建国派と平等派の脅威』がある。

 

「先に、帰る方法を見つければ問題あらへんやろ?」

 

と、『千里眼』の南寧が言った。

 

「はぁ?チョコラテのような甘さですかぁ?良いか、まず、帰る方法もこの世界に来た理由も、現在、手がかりすら掴めていないんだよ」

 

全員が頷く。

 

「つまり、手がかり/Zeroの状態から、この広さ100km以上の大陸を、他の派閥を避けながら探し回る必要があったんですね」

 

「何で完了形……?」

 

啞零の無慈悲なツッコミはさておいて、と。

 

「簡単に言えば、帰る手段を探すのはとても大変デース!ってことよ。一番難しい仕事に最初から専念するのは良くない訳よ」

 

「せ、せやな」

 

納得させた。

 

それに、だ。俺は周りを見回す。

 

「それに、情報によると、この大陸以外にも大陸があるらしくてな」

 

俺は、南寧のケツを掴む。

 

桃尻ゲットだぜ!

 

「やめぇや」

 

おっと、手を抓られた。

 

「……えっとな、ええか?」

 

南寧が、見たものを話し始める。

 

うん……、まあ……、そうね。

 

ぶっちゃけ、モンスターをハントする世界みたいになってる大陸がすぐ隣にあるよ!って話。

 

「モンスター、かい?」

 

是印が、よく分からない、と言った顔をする。

 

「せや!モンスターや!でっかくて、なんかこう、バチバチしてるやつとか、火ぃ吹くやつとかおるんや!」

 

南寧の言葉は、いまいち要領を得ない。

 

なんかデカくてやばい、くらいしか伝わってこないのだ。

 

よくわからんな。

 

「千紗君、憶舵發(おくだはつ)君と間中(まなか)君を連れてきてくれるかな?」

 

是印が、何かを思いついたらしく、指示をした。

 

「は、は、はい」

 

『瞬間移動』の千紗は、是印の指示を受けて転移。

 

二人の女を連れて来た。

 

「どうも、はっちゃんです」「どうも、まなちゃんです」

 

ジト目の、地味な雰囲気をした女だ。恐らくは双子だろう、ほぼ同じ顔をしている。

 

「「私の能力が必要ですか?」」

 

はっちゃんと名乗った女、發は、そう言って、『千里眼』の南寧に触れた。そして、まなちゃんと名乗った女、間中は、發の手を握る。

 

「私の能力は、『記憶共有(メモリーシェア)』……、まあ、そのまんまです。触った人の記憶を共有します。でも、心は読めませんよ?分かるのは過去だけです」

 

發が言った。

 

「私の能力は、『記憶転写(メモリープリント)』……、まあ、そのまんまです。自分の記憶を写真にします。はっちゃんの『記憶共有』を使ってもらえば、他人の記憶も写真にできるんです」

 

なるほど?

 

そういう能力か。

 

「因みに、三つ子の長女に白芽(しろめ)……、しーちゃんがいます。あの子は、『完全記憶(フルメモリー)』の使い手です」

 

ふーん。

 

つまり、この憶舵三姉妹は、『記憶を完全に保つ』のと、『他人と記憶を共有する』のと、『記憶を転写する』三人。

 

つまり、『ハードディスク』と『ケーブル』と『プリンター』のような存在ってことか。

 

お、南寧の記憶のプリントが終わったみたいだな。

 

どれどれ……?

 

南寧の記憶にある、海の向こうの大陸のヤバいモンスターとは?

 

そこには、複数種類のモンスターが写っていた。

 

自然界ではあり得ないような真っ赤な鱗を持つ翼竜。大きさは周囲の木などから判断して10m前後。口から火を吹いている。

 

黒い毛を持つ四足の獣。電気を纏っている。

 

尻尾からポンプのように水を汲み上げて、口から高圧の水流を噴射している、手足の生えた芋虫。

 

なるほど?

 

「……一狩り行こうぜ?」

 

俺が呟いた。

 

「こ、こんなのがたくさんいるの?」

 

啞零が言った。

 

「山ほどおるんや!縄張り争いしとるのか何なのかは知らんけど、いっつもこのモンスターは殺し合ってるで!」

 

南寧が、そう言って机を叩いた。

 

うーむ……。

 

そう言えば、うちにも、巨大熊のつがいが襲いかかって来たよな。

 

あれも、これらのモンスターと同類なのだろうか?

 

まあ、それはいい。

 

「これで決まりだな。とりあえず、帰る手段を探すのは後だ。何よりまず、防衛策を整えるぞ」

 

俺はそう言った。

 

誰も反対意見はないようだな。

 

そりゃそうか。

 

こんなやべーモンスターを見ておいて、防衛策を整えない奴とかおりゅ?って話よね。

 




DDSnet書きたくある。

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