ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ネット回線……。


16:目標を定めよう

異世界転移から二十日が過ぎた。

 

最近は、更に倉庫を増設して、予備の布団にウール布、麻布、麻糸などを大量にストックした。

 

また、羊乳チーズも大量にストックし、干し肉、干し芋、塩漬け魚や肉と、色々用意した。

 

これで、しばらく狩りはやらなくて良いだろう。

 

今日は、なめしたシマウマの革が完成したので、それを保存しておく。

 

「革欲しい?」

 

「いや、何に使うのよ……」

 

「鞄とか。靴も作れるし、手袋とか服も」

 

「あんた、本当に何でもできるのねえ」

 

まあ、とにかく保管。

 

 

 

さつまいも、羊乳、木苺から抽出した砂糖、キジニワトリの卵でスイートポテトを作った。

 

「ふわぁ……!スイートポテト!んん〜っ!おいひい〜!」

 

甘いものが好き、とか言っていた啞零が、大喜びでスイートポテトを食べている。

 

全員、甘いものは久しぶりだそうで、喜んでくれた。

 

さて、おやつ後に、俺はスマコンのARメモモードを起動する。

 

「はーい、では、とりあえずの生活基盤ができた今、これからどうしていくべきかを話し合いまーす」

 

『どうする?』とARボードに書き入れる。

 

「どうする、と言われてもね。僕はもう、いつも頑張っている創壱君には休んでもらいたいんだけど……」

 

正那が、申し訳なさそうな顔をして言った。

 

「そう言うの良いから」

 

「でも」

 

「良いから」

 

「う、うん」

 

実際、俺が休んだら何もできないでしょ君ら。

 

野生の世界ではふわっとした優しさじゃなくて、現実を見ることの方が大事よ。

 

「えー、では、各自、現状の不満や、これから危惧すべきことについて、案を出してください」

 

俺が言った。

 

すると、全員が少し考えた後に。

 

「あのよ、トイレットペーパーって、いつまで保つんだ?」

 

涼巴が言った。

 

俺は、『製紙』と書き込んだ。

 

「その、石鹸が欲しいかな……。あと、お風呂が……」

 

正那が言った。

 

俺は、『石鹸作り』『風呂』と書き込んだ。

 

「家が狭いでやんす!どうせなら、どどーんと大きな家を建てるでやんす!」

 

肆嘉が言った。

 

俺は、『家作り』と書き込んだ。

 

「お米が食べたいですね」

 

双夢が言った。

 

俺は、『新しい食べ物探し』と書き込んだ。

 

「服、新しいのが欲しいわ」

 

啞零が言った。

 

俺は、『服作り』と書き込んだ。

 

「俺は、鉄器のための鉄とその加工設備、石材と革のストックが欲しいと思う」

 

俺は、『鉄器』『設備』『素材集め』と書き込んだ。

 

「もう……、なんていうか……、村だよね」

 

正那が言った。

 

「そうだな。村くらい作らないと駄目だろ」

 

「そう、なのかな?」

 

「ああそうだ。忘れてないか?どうして俺達がこの世界に来たのかを調べるんだぞ?」

 

「あ……、そうだったね。毎日働き詰めで、本来の目的を忘れていたよ」

 

そう言って苦笑いした正那。

 

「うーん、あたしはもう、ここに永住しても良いかなぁ、って思うでやんすが」

 

と、肆嘉が言い出した。大丈夫かこいつ。

 

「あたし、日本では、もっと酷い生活をしてたでやんす。FB学園に連行されて、やっと人並みの生活ができるようになったでやんす。ここでも、人間らしい生活ができるなら、別にそれで……」

 

「本当に良いのか?」

 

「はいでやんす。あたし、創壱の旦那の部下なら、全然良い暮らしができると思うんでやんすよね。今も、そりゃ不便なことは色々あるけど、人間らしい生活、できてるでやんすよね」

 

うーん、そうか。

 

俺もまあ、別に、どうしてこの世界に来たのかは知りたくはあるが、知ったからと言ってやることは変わらないしなあ……。

 

「まあ、分かった。確かに、そういう考え方もアリだろう」

 

俺はそう言ってまとめたが、他の四人も、肆嘉の言葉を聞いて悩んでいるようだった。

 

 

 

そうやって、今日一日は休息日にした俺は、久しぶりにゲームをやっていた。

 

もし、地球にすんなりと帰れたパターンを考えて、今までの行動は全て、動画に撮ってある。

 

そんな時……。

 

「ヤバいでやんす!肉食生物、二十三匹の群れが、ここに向かって来てるでやんすー!」

 

肆嘉が騒ぎ始めた。

 

俺はそれを聞いて、弓矢と槍を抱えて外に飛び出た。

 

「仕留めるぞ!手伝え!」

 

「え、ちょっ!」

 

啞零の制止を無視して、木の上に登り、弓を構えた。

 

「各自、自分の身は自分で守れ!それと、毛皮は傷付けずに仕留めろ!」

 

「何言ってんの?!逃げなきゃ!」

 

「駄目だ!戦え!超能力者だろ?!」

 

「で、でも、生き物を殺すとか……」

 

「覚悟を決めろ!」

 

お、来たぞー?

 

あれは……、おお、サーベルタイガーかな?

 

ヤバそうなのだ。

 

デカいし強そうだな。

 

俺は弓を射った。因みに、こんなこともあろうかと、矢には、トリカブトの毒がたっぷり塗ってある。

 

『ギャ!』『グッ!』『ガアッ!』

 

三匹仕留めた。

 

「あーもう!やってやるわよ!!!」

 

啞零は、サーベルタイガーの頸椎をへし折って、十匹仕留めた。

 

正那は……。

 

「黙っててごめんね。僕、実は……」

 

バチン!と言う音と共に、身体から煙を出して、十匹のサーベルタイガーが崩れ落ちた。

 

「実は、結構強いんだ」

 

なんだこいつら……。

 

強くねぇか?

 

被害を覚悟するレベルだったんだが……。

 

すげぇよこいつら……。

 

あぶねーから怒らせねぇようにしねぇとな。

 

とにかく、労っておくか。

 

「カッコ良かったぞー、お二人さん!」

 

さりげなく、二人の乳を揉んだ。

 

「死ね」

 

「おぎゃー!ビンタは酷い!」

 

あれ?

 

正那からはビンタが来ないぞ?

 

「………………っ!」

 

うわ、真っ赤になってる。

 

「正那さーん?もしもーし?」

 

「そ、創壱君……!揉んじゃ駄目でしょ?」

 

「ケチケチすんなよ!ふんわりしていて触り心地良かったぜ!」

 

「な、なななっ?!も、もうっ!次やったらビリビリの刑だよっ!」

 

マジで?

 

おっぱいが揉めて、その上で美少女のビリビリももらえるのか……。

 

もう一回揉んどこ。

 

「だ、駄目だってば〜!」

 

「まあまあ!ちょっとだけ!ちょっとだけだから!」

 

これ、押せば行けるんじゃね?!

 

「良い加減にしなさいよ」

 

あっはい。

 

マジ切れした啞零にシメられた。

 




もうやだ。

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