ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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活動報告の方で、このssに登場するモブ能力者の能力を公募しています。

良ければなんか書いてって。


11:山の民の驚異的な心肺機能

次の日。

 

朝飯に栗を食う。やはりデンプンは正義だな。

 

そして……。

 

「はい!今日やること!まず、無駄飯食いの貴様らに仕事をあげるので感涙して咽び泣いてください!」

 

「ま、まあそうだけど、その言い方は酷くない……?」

 

啞零君がなんか言ってるけど、事実だからしょうがない。

 

「うるせぇ!おっぱい揉ませろ!」

 

「揉ませないわよ!」

 

「ヒェーッ!」

 

さて、真面目にやるか。

 

「分業な。啞零は河原から、平べったくて大きな石を拾ってこい。家の中で、石を使った囲炉裏みたいなもんを作る」

 

「ええ、分かったわ」

 

「双夢は釣りでもしてこい。これ、釣竿な。こっちは桶。三匹くらい釣れたら戻ってきて良いぞ」

 

「はい」

 

「涼巴は啞零に、正那は双夢について行け。手伝わなくても良いから周辺の警戒をしろ」

 

「おう」「うん」

 

「肆嘉は俺と一緒に、海に貝をとりに行くぞ」

 

「はいでやんす!」

 

「よし、午前中の仕事はこんな感じだ!怪我はするなよ?じゃあ解散!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

 

 

俺と肆嘉は、貝をとりに、海に来た。

 

「潮干狩りでやんすかー!なんか面白そうでやんすねえ!」

 

は?

 

ボーイ、大人をからかっちゃいけないぜ。

 

いや、ガールだけども。

 

「何甘えたこと言ってんだ潜るんだぞ」

 

「………………は?」

 

俺はパンイチになる。

 

清々しい気分だ。

 

俺くらいの文化人になってくると、逆に服とか不要だからな。

 

「い、いやいやいや!マジでやんすか?!マジで素潜りでやんすか?!!」

 

「おう、服持っててくれ」

 

「うわあああああ?!!!行ったああああああ!!!!」

 

 

 

午前の仕事終了ー。

 

「あ、あり得ないでやんす、五分くらい潜水してたでやんす……」

 

「余裕っすわ〜」

 

超能力使わずとも、素の体力で五分くらいは潜水できるわー。

 

そんな感じで、午前の仕事が終わり、全員が集合した。

 

「啞零、石は?」

 

「そこに積んでおいたわ」

 

ふーむ?

 

石ってかもはや岩ってレベルの石材が無造作に山積みされている。

 

うん、グッド!

 

「双夢、魚は?」

 

「三匹釣りました」

 

グッド!

 

「で、あんたは、その……?」

 

俺?

 

俺は大桶二杯分のホタテと、大桶二杯分の昆布をとってきた。

 

桶は、その辺の木をくり抜くような要領で『分解』すりゃ良いんだから簡単だ。

 

「おう、ホタテだ!」

 

「どうやってとったの?」

 

「素潜りだが?」

 

「……本当に現代人?実は縄文時代からタイムスリップしてきたとかじゃなくて?」

 

失礼な。

 

バリバリのシティボーイやぞ。

 

シティボーイ(山在住)だ。

 

「でも、そんなに食べ切れないわよ?」

 

「あたりめーだろ、こりゃ干して保存食にするんだよ」

 

「どうやって干すの?」

 

俺は、昆布をずるりと引き出して、水分のみを『分解』する。

 

「何それ?!水分だけを『分解』したってこと?!」

 

「そう言うこと。さあ、飯にしよう」

 

昆布で出汁をとって、ぶつ切りのマスにホタテ、刻んだノビル、浜大根を入れて煮込む!

 

出汁があるとやっぱり違うわな。

 

旨味が桁違いだ。

 

鰹節と干し椎茸も欲しい……。

 

変わり種だが、鹿の肉を乾燥させた鹿節なんてのもあるぞ。

 

懐かしいなあ、俺も動画の企画で本格料理なんかも作ったもんだ……。

 

「ホタテ、美味しいわね!」

 

「そらそうよ、この気候だと旬だからな」

 

今が春であれば、だが。

 

「へえ、そうなの」

 

ん……、あ!そうだ!

 

「キジニワトリどうなってる?今日見てなかったわ」

 

「ああ、それなら、私が生命力を与えておきましたよ」

 

と双夢。

 

いやそんな餌あげといたよ!みたいな感じなのか……?

 

まあいいや。

 

「オッケー、そのうち鶏舎作るから、それまで管理は適当で良いよ」

 

はい、終了。

 

 

 

食後。

 

「では、午後の仕事に入る!休んでいる暇なんてないぞ!きりきり働け!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「全員、俺と一緒に倉庫を建てるぞ」

 

啞零に集めさせた石で囲炉裏ができた。

 

囲炉裏は三十分もしないうちに作れたので、次は倉庫だ。

 

「倉庫を?食料は双夢の能力で安定供給されてるんだし、まだ要らないんじゃない?」

 

啞零が底の浅いことを言った。

 

そりゃいかんな〜。

 

もっとよく考えてくれ。

 

「俺が長期に渡ってここから離れる場合とか、不漁の日とかに備えて倉庫はあったほうがいい。明日には、竈門を作って、森から粘土を掘ってきて、土器を作る」

 

「土器?」

 

「ああ、木製の器は腐ったり水漏れしたりするからな」

 

「なるほど……」

 

「さあ、そんな訳で倉庫を作るぞ!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

……とは言え、やることは昨日と同じなので、簡単に作れた。

 

 

 

そして夕暮れ。

 

晩飯はまた、焼き魚と栗だ。

 

さっさと食べて、後は……。

 

「はい、夜の仕事に入ります」

 

「夜も何かするの?」

 

「するぞ。夜は勉強だ」

 

「勉強?今更、数学やら国語やらをやる意味ってある?」

 

「そうじゃない、サバイバルの勉強だ!」

 

そんな訳で俺は、昼間に用意しておいた麻と山ぶどうの蔓を出す。

 

「本日から、糸紡ぎと蔓編みをやります!教えるから覚えろ!」

 

「「「「「はーい」」」」」

 

そんな感じで、糸紡ぎと蔓編みをやって、夜を過ごす……。

 

あ、灯りには、俺が持っているソーラー充電式LEDランタンがあるので、それを使っている。

 




因みに、能力を考案しておいてもらってなんですけど、採用したりしなかったり、若干手を加えたりします。ご了承ください。

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