「一応私もアップグレードされてるんですよ?貴方達でも勝てるかどうか…」
「余裕かましてる間にぶっ殺すぞ」
「おやおや、怖い怖い。なら余裕を見せない方が寄りがたくなるのでしょうか?」
「さぁね。少なくともそれだけで私達が止まる程甘くはないけど」
「ならば普通に。普通に行きましょう」
そう言うとコスモスは構えをとる。
戦闘をする構え。
「構えようが知らねぇ!支那美嬢がフルコースをお待ちなんだ!じっくり嬲り殺す!」
「ほう、面白そうな遊戯ですが、私の命令は貴方ではなくその支那美嬢とやらなので」
コスモスは俺が走る軌道を回避するかの如く先読みで避けていく。
「バカが。その程度の移動を見切れないとでも?」
俺の左を駆け抜けようとするコスモス。
俺は右回転270°による足払いを入れた。
が、コスモスはジャンプをし、足払いを避けた。
「バカはどちらでしょうかね?」
「お前だよ」
甘い。俺は270°から左斜め上80°にサマーソルトを放つ。
流石に反応しきれなかったのかコスモスに直撃する。が、直前でガードをしたようでダメージが大して入っていない。
「危ないですね…その意味不明な攻撃を今すぐやめてもらえると助かるんですが」
「ここまでやっていきなり攻撃の手を止めるとでも?」
「ですよね…残念です」
その瞬間に。コスモスは俺の横を走り抜け、支那美に一気に間合いを詰めた。
「っ!!しまっ…!!」
「ここまで詰めてしまえば…」
「詰めてしまえば何?」
コスモスはきっと支那美を確実に殺すために頭を狙ったんだろう。
腕は確実に頭を貫くはずだった。
しかし、頭を狙われていた彼女は、何事も無かったかのように『片手で』その攻撃を受け止める。
「何故っ…!?」
「そりゃあ…なんだろう…仇討ち?」
「しかし人間がそこまで潜在能力を秘めているなど…!!」
「うるさいなぁ…早く逝ってよ」
そう言って支那美は片手のまま、コスモスの腕をもいだ。
「くっ…」
流石の彼女も焦りの様子を見せている。
ロボットとはいえど感情はやはり持ち合わせているようだ…
…ならば、何故こんなことを…
支那美がこちらを見ている。
と、同時に手を動かす。
…あの動きは…手話…?
手話だと仮定して話を聞こう。
『う・し・ろ・か・ら・こ・う・そ・く・し・て』
こう読み取れる。
「…OK、それじゃ、任せてくれよ」
手話の意味が通じ、それに頷くと彼女はこちらに向けて笑ってくれた。
あの笑顔を守るためなら…なんだってやって見せる!!!!