お知らせのために言っておくと取り敢えずこの章もそろそろ終わります
それだけです
隼「何しに来たんだよほんと」
「んで?住所は?」
「えっと…」
住所をあらかた聞いていく。住んでいるのは結構近くらしくこの辺の乱立している住宅街に3人の家があった。
だが、一つだけ気になったことがある。
「…この花恋ってやつの家、でかくね?」
「もともと花恋君の家はお金持ちだったしここら辺でも有名なんだよ」
なるほど、ボンボンか。
確かにこれなら相手のことを容易に傷つけても不思議じゃねぇなぁ?
「やめてってば!」
おっと、顔に出てしまっていたか、こりゃ失態。
「全部私が悪いの。私がこんな気持ち悪い体質してるから…」
「悪くねぇっての。理解しようとしないやつが悪い」
「でも…」
「あぁもう!でももさってもねぇよ!」
支那美は俺がいきなり声を上げたからかビクッと体を動かした。
「支那美は悪くねぇ!分かろうとせずに拒絶するやつが悪ぃんだよ!支那美はそんなこと気にするな!」
「隼人…」
…俺は正直とてもイラついている。
こんなに悲しい思いをさせたやつは絶対許さん。
命が危ぶまれようともなんとしても潰すと考えてる。例え、支那美が俺を拒絶してもだ。
俺がどう思われようが別にどうだっていい。支那美に嫌われても護れるならそれは本望だ。
だけど…
「私は隼人がいないとダメなの…もう隼人がいなくなるって事は考えられないの…!!」
支那美はこう言う。俺がいなくなるということは彼女にとって、そばにいてくれる人がいないのと同じ。らしい。
ならば俺はどうするか。支那美に拒絶されたくない。拒絶されたら護れないから。
即ち穏便に済ませなければいけない、ということになるのだ。
「…んじゃあ、ちょっと行ってくるわ」
「…絶対、攻撃しないでよ…?」
「しねぇよ。向こうが好戦的でない限りな」
好戦的なら仕方ない。棒立ちしていたら俺が殺られるのだ。殺るしかあるまい。
まぁ今んところそんな心配はなさそうだがな…
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「ここが…あの女?の家か」
木造建築の家。しかしなかなかに大きくまるでとても月日が経っているようにも見える、貫禄なようなオーラを感じる。
「ごめんくださぁい」
インターホンがないっぽいので少し大きな声で、しかし間の抜けた言い方をしながら声をかけた。
しばらくすると玄関から女が1人。
「はい…?どちら様でしょうか…?」
「すみませんねぇ突然。僕の名前はまぁ置いておくとして…端的に言えば支那美の件ですよ」
「!!!!!!」
「おっとその顔は。おやおや、やましい事でもあるんでしょうかねぇ」
明らかに彼女の顔は歪んでいる。まるで忘れていたかったものを思い出したかのように。
「まぁこんな所でお話もなんなので…取り敢えず、付いてきてくださいよ」
彼女は途端、畏怖を感じた顔をした。
それはきっと俺が笑ったからであろう。
こりゃ死んだわ