平凡な男と白髪の少女   作:ふれあすたー

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そろそろ終わる


お家

「やっとついたわね」

「ほんとに歩くの遅くてすまない…」

俺達はやっと家らしき物の前まで来れた。

「気にしないでいいわよ、歩行速度に大して期待してないから」

「あ、結構傷ついた」

そんなどストレートに言わなくても。まぁ綺麗事並べられても困るけどさ。

「じゃあもう入るけど…」

霊夢はその家に入る直前に止まる。

「…?どうしたんさ」

「…あんた、今回の事、どこまで分かってる?」

霊夢はいきなり何のことだか分からない質問を振ってきた。

が、すぐに理解した。

つまり霊夢は『察して』いるんだ。今回の事や、言うなれば多分俺の考えてる事も。

「…少なくともな、霊夢には悪いがお前を『疑って』いるな」

確証は…あるな、普通に。

「なるほど…そこまで行ってるなら今回の真相もわかってるのよね?」

「…真相はわかるさ」

但し、『真相』はな。

「となると…まぁこれは入った方が早いわね…」

「そうだな、俺もその意見には同意だ」

そう答えると霊夢は扉を開けて中に入る。

俺も入っていった。

____________________

今回のおさらいをしようか。

今回のこの異変、言うなれば『異変』ではない。

そう、つまり事件はなんの関与もしちゃいない。妖怪に襲われてもない。誰かがなんかをしたわけでもない。

これは『ドッキリ』だろう。

何がしたいのかは良くは知らないが多分これは合っている。

…どうせ我等が姫・支那美嬢の子供っぽいイタズラだろ可愛い。

で、多分紫さんはその話に乗ったんだろうな。

あの人と支那美は仲が良いようにも見えた。

所詮は憶測だが一番納得できるのはそれだな。

そんで、紫さんはユウに報告したんだろうね。その件に関して。

まぁユウを一人にするのもあれだと思ったんだろうけど多分ユウにその後何されるかわからないから報告したと思われ。

と、なると今は関係者全員がこの家にいるということになる。

「…ここね」

いつの間にか歩きながら考えてたら着いていたらしい。

開けるわよ、と霊夢が言い扉を開けた。

____________________

「紫、連れてきたわよ」

「お邪魔しま…」

と俺が入ると同時にクラッカーの音がパァン!と鳴った。

「隼人!!誕生日おめでとう!!」

「おめでとう」

「まぁ、おめでとう」

「あんた誕生日だったのね」

と、4人に言われた。

「なるほど、これが『ドッキリ』の全貌か」

「そうね。まぁあそこまで推理してくるとは思わなかったのですが」

「こういう隠し事しても隼人にはすぐバレちゃうかな、って思ったけどお祝いしないのも嫌だから…」

…?となるとまさか…

「なぁ…まさか支那美と紫さんって初対面じゃない…?」

「あ〜そこまでバレちゃったか〜」

マジかよ、俺の知らぬところでそんな事があったのか。

「まぁ俺と刈谷は初対面だったんだがな、紫からこの事を聞いたのも人里から出てすぐだったし」

「それ以外は…おおかた隼人の予想通りかな?」

「だからあんなに紫さんと仲良かったんだな…」

まぁ計画としちゃガバガバな気がしなくもないがそんな支那美嬢も可愛い許す。

「そのせいで私にまで飛び火したんだけどね…私じゃなくてもよかったじゃないの」

「その辺に関しては博麗の方が適任だと思ってな。因みに俺は香霖堂の方行ってた」

「なんでそんな所に」

「そのうち分かる」

ユウは何かをした後のような口ぶりであった。

「と、取り敢えず誕生日なんだからこっち来て!」

「はいはい」

俺は支那美嬢の隣に座り誕生日を祝ってもらった。

姫からだけでなく紫さんやユウからも祝いをもらった。

だけども。

「…なぁ、一つ言っていいかな」

「ん?どうしたの?」

そう、さっきからずっと言いたかったこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺今日誕生日じゃないよっ!!!!!!!!」

 

 

 

場は静まり返った…




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