平凡な男と白髪の少女   作:ふれあすたー

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滞納しすぎな方がご登場
そしてサヨナラ
七話


男は走り出し

「いーち、にー、さーん」

ユウが目をつぶりながら数字を数えていく。

(今のうちに逃げなきゃな)

俺は数えたのを聞くと振り返ってすぐの方へと走っていった。

そう、これは相手がどんなであろうと関係の無い鬼ごっこだ。

足が早いというのもあるだろうしそもそも奴は神だ。

追いかけられたら捕まるのなんてすぐかもしれない。

だけど。

それで、支那美を見捨てるつもりは毛頭ない。

それは裏切り行為と同意だ…!!

「………う……いーち…」

声が聞こえるか聞こえないくらいまで離れられた。取り敢えずはこの先に向かおう…

___________________

「にーじゅきゅーさんじゅう…と」

さて、取り敢えず30までは数えたが…

「…音で何処にいるか分かっちゃうんだよな…」

さっき数えている時にあちらの方へと走っていく音が聞こえた。

「あっちかぁ…」

こりゃ早速捕まえたかな…

あっちに走るは香霖堂…

 

「お疲れ様でしたかな」

俺は中村を追いかけるために全速力を出した。

___________________

「…うっわぁ」

よりにもよってここかよ…

目の前にそびえ立つは階段。

しかも結構高い所だ。

「鳥居が見えるな…神社?」

赤い鳥居…まぁ鳥居は赤いか。

「階段登るのは辛いけどやるしかないかぁ…」

支那美を見つけられなきゃ意味ないんだ。やるしかないだろ。

俺は一段飛ばしで階段をテンポよく登って行った。

「ふーむ、高い…」

トラウマという訳では無いがこりゃ流石に高い。

高所恐怖症を殺しに来ているとしか思えないな。

…まさかとは思うけどこの階段使う人いない?

どう考えても人間に優しくないんだけどこの階段。

そんな自分が疲れた理由を階段のせいにしたところでてっぺんに着いた。

「…これは…」

なんというか…the・神社。

古さを感じる。というか古さしか感じない。

「こんな神社、残ってるもんなのか…?」

「結構失礼な言いようね」

声。少女だろうか?取り敢えず女性の声だということは分かった。

周りを見ても誰もいない。本殿を見ていても何もいない。

…まさか幽霊?

「どこキョロキョロしてるの?上よ上」

上…?

俺はゆっくりと空を見上げた。

「………」

パッと見は、少女。赤と白の…服?を着ていた。まぁ服か。それに髪には大きなリボンも。

だが、そんな事より。

「………」

なんだ、これ…

空を…飛んでる?

「は?」

「私を見ての第一声がそれとはね」

「いや、いや、まて、うそだろ、なんで」

なんでおそら、とんでるの?

「何よ。言いたいことがあるなら言いなさい」

「ふむ、じゃあお言葉に甘えて」

俺は大きく息を吸いこんで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで空飛んでんのぉぉぉぉ!?!?」

そう、それは普通。至って普通の質問。

だけどそれ以上言うことが見つからない。

空すら飛んだことない人間が空を飛んでいる人間?を見たらどういうのだろうか。

満場一致でこれであろうに。

「…?空を飛ぶ事に不思議がるかしら?」

こいつはなにをいってるんだ。

空を飛ぶ事に不思議がらない奴がいるの?そんなの神ぐらいじゃないの!?

「…あ、なるほどね。

あんた、外の世界の人間か」

「外の世界…」

「そ、あんた達が住んでいる世界の事をこっちではそう呼んでるの」

そう言うと彼女はゆっくりと降りてきた。因みに俺はまだ理解が追いついていない。

「あんたの名前は?」

「…中村 隼人」

「そ。私は博麗霊夢。この博麗神社の巫女を務めている…者かしら?」

なんで疑問形なの。




きっと4日後には投稿するでしょう多分

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