俺なりのARC-V 〜Reconstructed Yu-Gi-Oh! ARC-V Story〜   作:エクシ

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第14話「次なる戦いへ」

-舞網市病院内零児の病室-

誰かの怒鳴り声が聞こえる。その声で零児は目を覚ますとそこには真っ白な天井があった。

 

零児「ここは…?」

零羅「兄様!やっと目を覚ました!」

 

零児は病院のベットから起き上がる。零羅は夜通し付きっきりで零児の傍にいた。今まで心を許せる者がいなかった零羅は零児を失うかもしれないという気持ちに押しつぶされそうであったが、零児の元気そうな姿を見て安心した。

 

零児「あれからどうなった?」

 

零羅は零児に遊矢が日美香に勝利したこととその後のことを語り始めた。

 

-零羅の回想 LDSの理事長室-

柚子「遊矢!」

 

勝利した遊矢に柚子は駆け寄る。そんな柚子に遠くから届かない手を倒れながら伸ばす日美香。

 

日美香「く…彼女を…プロフェッサーの…元へ…!」

 

日美香の執着に恐れを感じる遊矢と柚子。

 

遊矢「お前は…お前たちはいったい!」

日美香「フフ…。私たちは真実を追い求める者…!世界の真実を取り戻す!それが私たちの家族を取り戻すことに繋がるのよ。」

 

遊矢と柚子は日美香が何を言っているのかわからない。その顔を見た日美香はこの者たちにわからないのだと苦笑する。そういうと自らがつけていたデュエルディスクの向きを変えた。

 

遊矢「?」

日美香「いつかわかるわ、ズァーク。貴方に味方はいない。アカデミアからも、ランサーズからも、どの次元の者からも阻害される。貴方はそういう星の元にいる。」

遊矢「どういうことだ?」

日美香「ふふ。さようなら。」

 

日美香はデュエルディスクのボタンを押すとカード化の光が日美香に降り注ぐ。その光が止むとそこに日美香の姿はなく、代わりに1枚のカードがひらりと落ちた。

 

-零児の病室-

零児「…。」

零羅「これが…そのカード。」

 

零羅は日美香の姿が写し出されたカードを零児に渡す。零児はそのカードを受け取り見つめるとベットの横の棚の中にしまった。零羅はその後のことを俯く零児に話そうとは思わなかった。

 

-零羅の回想 LDS理事長室-

遊矢「とりあえずここから脱出しよう!ビルが崩れるかも!」

 

遊矢と柚子は零児の肩をもって外へ出ようとする。零羅もそれに続こうとした時、謎の声が聞こえた。

 

??「柚子をアカデミアへ…連れて…いけ。リバイバル・ゼロを…」

 

声が消える。男の声だが、ズァークの声とは違う。気のせいだろうか、零羅はデッキの中のカードのうち、1枚のカードを取り出す。”フォトグラフ・マジシャン”そのカードが語り掛けたような気がした。

 

-零児の病室-

顔をあげると零児は何事もないかのように話題を変え、零羅と話を続ける。

 

零児「ところで先ほどからの怒号はなんだ?」

零羅「黒咲って人。気絶しているところを助けられて目が覚めたんだけれど、素良って人がいることに怒ってるんだ。」

零児「素良…彼は融合クラスだったからな。アカデミアの1人であった彼を許すわけがないか。」

 

-零児の病室の隣-

黒咲「いいから紫雲院素良を呼べ!!奴はこの俺が倒す!!」

沢渡「うるせえなあ~!ここ病院だぞ!少し静かにしろよ。」

黒咲「貴様もアカデミアか!?だから奴を匿うんだな!」

沢渡「あー!もうマジでめんどくさい奴だな!パパに頼んでこのフロア貸切らなかったらお前うるせえって締め出されてるとこだぜ!」

 

沢渡は自分の耳を指で押さえながら呆れた顔で何とか黒咲をなだめようとする。そこに素良と遊矢が入ってくるも、遊矢はどちらかと言うと素良を止めようとしている。

 

遊矢「おいおい、今はやめとけって。」

素良「いいから!」

 

素良を見た黒咲はますます目つきが鋭くなり、デュエルディスクを構える。

 

黒咲「貴様!よくもこの場に堂々と姿を現せられるものだ!」

素良「君が僕を呼んだんだろ?あー、なんだい。助けてくれたお礼でもしてくれるのかな?」

黒咲「ほざけ!表に出ろ!」

 

そういうと黒咲は素良を病院前の広場に連れ出す。それに遊矢もついていきながらユートと心の中で対話した。

 

遊矢(はー、素良も反省してあんなこと言うような奴じゃなくなったと思ってたんだけどなぁ。)

ユート(遊矢と素良のデュエルを間近で見ていた俺だからわかる。彼は何かケリを着けるためにこのデュエルをする気だ。)

遊矢(ケリ?)

 

そんな間に広場に到着し、二人のデュエルが始まった。

 

黒咲・素良「「デュエル!」」

 

-1ターン目-

素良「僕のターン!僕は魔法カード 融合を発動!」

 

 

融合

通常魔法

(1):自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

素良「手札のファーニマル・ベアとエッジインプ・シザーで融合!」

 

 

ファーニマル・ベア

効果モンスター

星3/地属性/天使族/攻1200/守 800

「ファーニマル・ベア」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、

いずれか1つしか使用できない。

(1):手札のこのカードを墓地へ送って発動できる。

デッキから「トイポット」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする。

(2):このカードをリリースし、

自分の墓地の「融合」1枚を対象として発動できる。

そのカードを手札に加える。

 

エッジインプ・シザー

効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守 800

「エッジインプ・シザー」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが墓地に存在する場合、

手札を1枚デッキの一番上に戻して発動できる。

このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する。

 

 

ファーニマル・ベアとエッジインプ・シザーが融合の渦に飲まれていく。

 

素良「悪魔の爪よ!野獣の牙よ!今一つとなりて新たな力と姿を見せよ! 融合召喚!現れ出ちゃえ、すべてを切り裂く戦慄のケダモノ デストーイ・シザー・ベアー!」

 

 

デストーイ・シザー・ベアー

融合・効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2200/守1800

「エッジインプ・シザー」+「ファーニマル・ベア」

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。

そのモンスターを攻撃力1000アップの装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

 

 

ファーニマル・ベアがエッジインプ・シザーによってビリビリに裂かれ、胴体の中から怪しい目が紫色に光るモンスター デストーイ・シザー・ベアーが姿を現した。

 

素良「僕はターンエンド!」

 

-2ターン目-

黒咲「俺のターン!ドロー!瞬殺してやる!俺はRR-バニシング・レイニアスを

召喚!」

 

 

RR-バニシング・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1300/守1600

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの

自分メインフェイズに1度だけ発動できる。

手札からレベル4以下の「RR」モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

黒咲「効果発動!手札からミミクリー・レイニアスを特殊召喚!」

 

 

RR-ミミクリー・レイニアス

効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1100/守1900

「RR-ミミクリー・レイニアス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ発動できる。

自分フィールドの全ての「RR」モンスターのレベルを1つ上げる。

(2):このカードが墓地へ送られたターンの自分メインフェイズに、

墓地のこのカードを除外して発動できる。

デッキから「RR-ミミクリー・レイニアス」以外の「RR」カード1枚を手札に加える。

 

 

素良「レベル4が2体!」

黒咲「レベル4のバニシング・レイニアスとミミクリー・レイニアスでオーバーレイ!冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!飛来せよ!ランク4!RR-フォース・ストリクス!!」

 

 

RR-フォース・ストリクス

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守2000

レベル4モンスター×2

(1):このカードの攻撃力・守備力は、

このカード以外の自分フィールドの鳥獣族モンスターの数×500アップする。

(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を手札に加える。

 

 

フクロウの姿をしたRRエクシーズモンスターが黒咲の場に飛来した。その効果をすぐさま黒咲は発動する。

 

黒咲「俺はフォース・ストリクスの効果を発動!オーバーレイネットワークを使って手札に2体目のバニシング・レイニアスを加える!さらにオーバーレイユニットとして墓地に送られたミミクリー・レイニアスの効果発動!このカードを除外してデッキからRRカードを加える!俺が加えるのはRUM-RR(レイド・ラプターズ)ラウンチ!」

 

 

RR-RRラウンチ(オリジナルカード)

速攻魔法

(1):自分・相手のメインフェイズに、

自分フィールドの鳥獣族Xモンスター1体を対象として発動できる。

その自分のモンスターよりランクが1つ高い鳥獣族Xモンスター1体を、

対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚し、

このカードを下に重ねてX素材とする。

(2):(1)の効果を発動したエンドフェイズに

墓地に存在するこのカードを除外し発動する。

フィールドに存在する鳥獣族Xモンスターを

1体墓地へ送り、墓地へ送ったXモンスターの

ランクより低いXモンスターを墓地から特殊召喚する。

その後手札の「RR」モンスターを任意の枚数、

特殊召喚されたXモンスターの素材とする。

 

 

黒咲「そしてそれを発動!フォース・ストリクス1体でオーバーレイ!まだ見ぬ勇猛なハヤブサよ。猛き翼に秘めし未知なる力、今ここに知らしめよ!ランクアップ・エクシーズチェンジッ!!現れろランク5ッッ!RR-エトランゼ・ファルコン!」

 

 

RR-エトランゼ・ファルコン

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/闇属性/鳥獣族/攻2000/守2000

レベル5モンスター×2

(1):このカードがXモンスターをX素材としている場合、以下の効果を得る。

●1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

(2):このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合、

「RR-エトランゼ・ファルコン」以外の

自分の墓地の「RR」Xモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚し、このカードをそのカードの下に重ねてX素材とする。

 

 

異邦人の名を持つ隼が黒咲の場に静かに舞い降りる。エクシーズモンスターをオーバーレイユニットにしているエトランゼ・ファルコンはそれを使って効果を発動する。

 

黒咲「エトランゼ・ファルコンのモンスター効果!オーバーレイユニットを1つ使ってお前のデストーイ・シザー・ベアーを破壊する!忌まわしき融合モンスターめ!消え失せろ!!」

 

エトランゼ・ファルコンの息吹によってデストーイ・シザー・ベアーは破壊される。そしてその攻撃力である2200が素良にダメージとして与えられた。

 

素良LP4000→1800

 

素良「ぐ…!」

黒咲「俺の仲間たちと同じ目にあわせてやる!バトルだ!エトランゼ・ファルコンで紫雲院素良にダイレクトアタック!」

 

攻撃宣言によって素良の敗北が確定する。貯められていくエネルギーを見ながら素良はカードにされる自分を想像した。

 

素良(恐れている…?やっぱ僕みたいなやつが罪滅ぼしなんていうものをするもんじゃないな…。怖くて逃げだしちゃいそうだ…。)

 

蓄えきれなくなったエネルギーをエトランゼ・ファルコンは放出し、素良のライフを奪い去った。

 

素良「ぐあああ!!!」

 

素良LP1800→0

 

デュエルの決着と共にソリッドヴィジョンは消えていき、黒咲は素良に近づく。

 

黒咲「さぁ終わりだ。カードとなり己のしたことを悔やむがいい。」

 

カード化のボタンを押す右手が動いた時、その手を遊矢から代わったユートが抑えた。

 

黒咲「ユート!?無事だったのか!」

ユート「隼、彼はお前に負けるためにわざとお前を煽っていたんだ。」

黒咲「何!?…ならば望み通りカードにしてやるまで!」

 

再び力ずくで右手を動かし、カード化のスイッチを押そうとする。そんな黒咲のみぞおちにユートはパンチを食らわす。

 

黒咲「グッ!!」

ユート「戦う意思のない者をカードにするのはアカデミアとしていることが同じだぞ!それに俺たちも結局罪のないLDSの人々をカードにしてしまった。彼を責める権利は俺たちにはないのかもしれない。」

黒咲「ふ…ふざけるな!ならば俺の…俺たちの怒りは…瑠璃を奪われた怒りはどこにぶつければいい!?」

ユート「…。」

 

黙るユートと黒咲。そこで遊矢はユートから代わる。

 

黒咲「貴様…ユートが変わった!?」

遊矢「黒咲…お前の妹を取り戻せばいい。怒りを力にするのでもいい。瑠璃を取り戻すんだよ。お前やユートはそのためにエクシーズ次元からこの次元に来たんだろ?」

 

遊矢の言葉に何も言い返せない黒咲。

 

黒咲(そうだ、俺たちは瑠璃を探してここまで来た。瑠璃はここには…いない。)

 

黒咲は病院に戻っていく。倒れていた素良は起き上がるとその後姿を見つつ遊矢に話しかけた。

 

素良「僕はカード化される覚悟は出来てたんだ。でもいざとなる怖かった…。エクシーズ次元の人々の気持ちがわかったよ。」

遊矢「人は力を持つと間違ったことに使ってしまう。でも正しい使い方をすればどんな技術もみんなを笑顔にできるって父さんは言ってた。」

素良「遊矢のお父さんが…?」

遊矢「俺はその正しい使い方がエンタメデュエルだって信じてるんだ。俺はエンタメデュエルを信じてこれからも戦っていくよ。」

 

-融合次元 アカデミア本部-

零王は円卓に座るとリアルソリッドビジョンによる人型の映像が2人映しだされた。

 

??「あれ、2人ですか?スタンダード次元総司令官はどうしたんです?」

??「おやおやエド・フェニックス。あの榊遊勝を打ち破りエクシーズ次元支部総司令官となった者が情報収集を怠るとは…。」

エド「ジャン・ミシェル・ロジェ、君にそう煽られると本当にイライラさせられる。」

零王「そこまでだ。二人とも。総司令官である君たちがそんな口喧嘩はやめたまえ。」

 

零王の一言でエドとロジェは黙る。静かになると零王は話を続ける。

 

零王「赤馬日美香スタンダード次元総司令官はランサーズという組織に打ち破られた。だが代わりにスタンダード次元にスパイとして送りこんでいる者がその代わりを果たしてくれるだろう。」

エド「奥様が!なんなんです、そのランサーズっていうのは。」

零王「…零児が作った反アカデミア組織だ。」

ロジェ「ほう…大した息子さんだ。」

 

ロジェは皮肉交じりで零王に返す。それに対し零王は冷静に対応した。

 

零王「ロジェ、もしかしたら君の次元でもランサーズのような反アカデミア組織が生まれるかもしれない。気を配りたまえ。」

 

ロジェは高笑いをあげる。彼のいる次元にてロジェはアカデミアとしての動きを一切見せていない。そんな存在にすら気が付いていない者が多数だ。

 

ロジェ「私がそんなミスをするわけがないでしょう!」

零王「だといいのだがな。君の次元にユーリが入ったという情報が入ってね。」

 

すぐにロジェの顔色が変わる。

 

ロジェ「あの…ユーリですか!?脱走して我が次元に来たと!?」

零王「再度言う。気を付けるのだ、そしてユーリを見つけ次第止めろ。以上だ。」

 

ロジェとエドのソリッドヴィジョンは消えた。

 

-数日後 レオコーポレーション社長室-

レオコーポレーション社長室に呼ばれた遊矢、柚子、権現坂、沢渡、素良、黒咲、デニスの7人。零児はすっかりよくなって退院し、LDSの立て直し事業に専念していた。社長室に入ると零児、中島、零羅の3人が待っていた。

 

零児「まずは謝らせてくれ。アカデミアを倒そうとしながら私たちの中に敵が潜んでいた。」

遊矢「そんな…。零児は知らなかったんだし。」

素良「零羅は詳しいことは知らないまま赤馬日美香に協力させられていたはずだよ。僕はある程度知っていたけどね。」

 

拗ねたような言い方で零羅を庇う素良。黒咲はまだ気に入らない様子だったが、以前のように喧嘩を売るようなことはしない。

 

零児「こんな私だがやはりランサーズはアカデミアの次元侵攻を止めるためには必要な存在だ。そこで諸君にランサーズに是非入ってアカデミアの本部に乗り込んでもらいたい。」

 

沢渡、素良、黒咲はすぐに同意する。権現坂も仲間たちを守るならと協力を決めた。遊矢もユートがそれを望んでいることと柚子を狙うアカデミアの意図を知るため参加を決意した。一方の柚子は零児に詳しいことを聞こうとする。

 

柚子「私はよくわからないの。アカデミアだとかランサーズだとか…。」

零児「それもそうだな。アカデミア それはこの次元とは異なる融合次元と呼ばれる次元に存在する組織だ。他次元への侵攻をしており、ユートや黒咲の故郷であるエクシーズ次元のハートランドシティは滅んでしまった。」

 

黒咲は腕を組みながら沈黙を貫く。

 

零児「そんなアカデミアのトップが私の父 赤馬零王、通称プロフェッサーと呼ばれている。アカデミアによって滅ぼされた街の人々はカードにされてしまい、プロフェッサーの命でカードは回収されている。」

柚子「融合次元、エクシーズ次元の戦いだったってことね。」

零児「そうとも言えない。私たちスタンダード次元にもアカデミアの支部はあった。他の次元に侵攻する可能性は十分にある。」

デニス「それでスタンダード次元を守るためにもランサーズってのを組織してアカデミアを倒そうってことかな?」

零児「その通り。ランス・ディフェンス・ソルジャーズ ”ランサーズ”を組織しアカデミアを倒す。赤馬零王の野望を阻止するのだ!それが息子である私の役割。」

 

零児の覚悟を決めた目を見た柚子も参加することを決めた。それは遊矢を近くで守るためでもあった。

 

黒咲「ならばすぐ行くぞ!瑠璃を助ける!」

零児「いや、すぐには行かない。」

黒咲「なんだと!?」

 

落ち着きを保っていた黒咲は耐え切れず声を張り上げる。

 

零児「まずは準備が必要だ。私たちランサーズはアクションデュエル、ペンデュラムカードを武器にアカデミアと戦う。」

素良「彼らはどちらも知らないからこっちのペースに持ち込むってわけね。セコいやり方だねえ。」

 

零児は眼鏡をクイとあげながら素良に反論する。

 

零児「いくら卑怯なやり方だとしても奴らは止めなくてはならない。正々堂々とした戦いがしたいのか?」

素良「…わかったよ。」

黒咲「おい、待て!すぐにでも瑠璃を助けなくては…」

零児「今の私たちで本当にプロフェッサーを倒せると思うのか?私たちは今まで以上に強くならなくてはならない。それは素良の融合召喚、黒咲のエクシーズ召喚、遊矢のペンデュラム召喚。数々の召喚方法のプロフェッショナルから学ぶことがあるはずだ。アクションデュエルのシステムについてもレオコーポレーションで責任をもって再構築する。私は勝てる戦いしかする気はない!」

黒咲「く…仕方あるまい…。」

 

黒咲は零児のもっともな理由を聞き、引き下がった。

 

柚子「そういえば融合とエクシーズ…あともう一つ召喚方法がなかったっけ?」

遊矢「あぁ…えーっと…。」

零児「それはシンクロ召喚だ。」

 

-シンクロ次元 シティ郊外-

モーメントの回る音と共にバイクのようなマシン Dホイールに跨った少年がスピードを上げていく。メットで見えないが青髪に黄色の前髪が彼の明るさを表現している。先ほど彼の幼馴染であるリンから買い物の帰り道に突然連絡が入った。

 

リン「助けて…ユーゴ!!」

 

恐怖に怯えるリンの声を初めて聴いたユーゴは急いで発信地までDホイールを走らせる。

 

ユーゴ「リン!もうすぐ着くからな!」

 

ユーゴは発進地に着くと、横たわるリンを拾い抱える者がいた。フードを被っており人相ははっきりしないが、ユーゴは持ち前の喧嘩っ早さでその者に声をかける。

 

ユーゴ「おいこらお前何者だ!?」

??「んー?あれあれ、どっかで見たことある顔だ。ハハ!」

 

そういいユーゴとそっくりな顔をしたユーリがフードは取った。

 

ユーゴ「んな!?オレ!?」

ユーリ「フフ…どうせ僕の邪魔をするんだろ?ならすぐに片づけてあげるからかかっておいでよ。」

ユーゴ「いい度胸だぜ。同じ顔だとはいえこのユーゴ様には敵わねえだろうよ!」

ユーリ「そういう暑苦しいのいいから。さぁ始めよう!」

 

ユーゴ・ユーリ「「デュエル!」」




RR-RRラウンチ(オリジナルカード)
速攻魔法
(1):自分・相手のメインフェイズに、
自分フィールドの鳥獣族Xモンスター1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターよりランクが1つ高い鳥獣族Xモンスター1体を、
対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚し、
このカードを下に重ねてX素材とする。
(2):(1)の効果を発動したエンドフェイズに
墓地に存在するこのカードを除外し発動する。
フィールドに存在する鳥獣族Xモンスターを
1体墓地へ送り、墓地へ送ったXモンスターの
ランクより低いXモンスターを墓地から特殊召喚する。
その後手札の「RR」モンスターを任意の枚数、
特殊召喚されたXモンスターの素材とする。

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