俺のFateな話   作:始まりの0

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明けましておめでとうございます。

今年も宜しくお願いします。


EP78 会談

 ~遠坂邸~

 

「王、御説明頂けますでしょうか?」

 

 ギルガメッシュのマスター、遠坂時臣は丁寧な言葉で上機嫌な彼女に問い掛けた。

 

「何がだ、時臣」

 

 

「突如現れたあの鎧の者の事。そして何故、宝物庫をあそこまで解放されたのかをです」

 

 

「奴は()の物よ……そして我が庫を解放したのは言うまでもない、奴がそれに値する強さを持つからだ」

 

 

「……後者はともかく、前者はどういう意味でしょうか?」

 

 

「そのままの意味だ……まぁ、案ずる事はない。奴はサーヴァントではないからな」

 

 ギルガメッシュの言葉に固まる時臣。

 

「サーヴァントではない?」

 

 

「奴は生身の人間よ……まぁ只の人間ではないがな」

 

 

「なぁ!?」

 

 

「そし……ん?」

 

 ギルガメッシュは何かを感じて、宝物庫の門を開けるとそこから手紙が出てくる。

 

「フム……成程な、貴様にだ、時臣」

 

 

「私に?」

 

 時臣は手紙を受け取るとそれに目を通す。

 

「承知しました。王よ、後1つお伺いしたいのですが……あの鎧の者は信用がおける者でしょうか?」

 

 

「それは我が保証しよう」

 

 ギルガメッシュはただ、それだけ言うと霊体化して消えた。

 

 

 

 

 ~数日後 冬木教会~

 

 この場は此度の聖杯戦争の監督役がいる教会。

 

 因みにこの周辺での戦闘は禁止されている。

 

 この場に揃っていたマスターとサーヴァント達。

 

 セイバー陣営、衛宮切嗣とアイリスフィール、騎士王アルトリア・ペンドラゴン。

 

 アーチャー陣営、遠坂時臣、英雄王ギルガメッシュ。

 

 ランサー陣営、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト、魅了の騎士ディルムット・オディナ。

 

 ライダー陣営、ウェイバー・ベルベット、征服王イスカンダル。

 

 監督役、言峰璃正とその息子であり元アサシンのマスター、言峰綺礼がいた。

 

 マスターとサーヴァント達は此処は中立地帯と言う事もあり大人しくしている。

 

 そこに教会の扉が開き、龍牙とジャンヌが入ってきた。

 

「マスター、サーヴァントの諸君。集まって貰い感謝するよ。まぁ『脱落』したアサシン、名乗りでないキャスター、バーサーカーは参加してないのは当然か……さて、改めて自己紹介を。俺は無皇 龍牙、こっちはルーラーのジャンヌ・ダルクだ」

 

 龍牙は周囲を見回してマスター達に挨拶した。

 

「取り敢えず警戒しているのも分かるが、此処は一応中立地帯だから少し気を緩めてほしい」

 

 

「それで一体なんの用だ……マスターを集めて一網打尽にでもしようと言うのか」

 

 

「全くだ……」

 

 切嗣の言葉に同意する様に頷くケイネス。

 

「俺の正体やらジャンヌの事を聞きたいだろうが、先に本題に入る……この聖杯戦争についてだ。今から俺が言う事はこの街の今後にも関わることだ」

 

 龍牙の言葉に反応するマスター達。

 

「俺は数日前に柳洞寺の奥にある大聖杯を見てきた。そしてその中に居る者を確認してきた」

 

 大聖杯の中に居る者? と言う反応を見せるマスターや監督役。

 

「遠坂時臣……アンタはアンリマユを知っているか?」

 

 

「アンリマユ……ゾロアスター教の邪神の事かね?」

 

 

「そう……第3次聖杯戦争において奴はアヴェンジャー(復讐者)のクラスで召喚され、初期に敗退。本来はそのまま英霊の座に還る筈だったんだが……現在も聖杯に残り汚染している。万が一このまま聖杯戦争が進めばこの辺りは泥により厄災に合うだろう」

 

 これを聞いたジャンヌ以外の全員がコイツは何を言っているんだ? と思った。

 

「疑うなら後で確認すればいい。だがこのまま戦いを続けるなら……俺もアンタ等の前に立ち塞がらないとならない」

 

 龍牙は場の全ての者達に対して鋭い視線を向ける。

 

「監督役」

 

 龍牙はこの度の監督役である神父言峰璃正の方を向く。

 

「取り敢えず聖杯戦争の中止を進言する」

 

 

「むぅ……確かに君の言うことが本当であるなら今すぐにでも止めるべきだが……」

 

 璃正はジッと龍牙を見る。他のマスターとサーヴァント達もだ。何せ、それぞれには聖杯に託す願いがあり、此度の聖杯戦争に参加しているからだ。それが突然現れた正体不明の存在に邪魔されようとしているからだ。

 

「俺の事に関しては深くは聞かない方向で……じゃ俺は此所までで。後、遠坂とアインツベルン、エルメロイの所に赴くので宜しく」

 

 と足早にその場を離れよう身を翻し歩き出す……のだが

 

「たわけ……我を無視して帰ろうなど二万年早いわ」

 

 ギルガメッシュがそう言うと王の財宝の中から天の鎖(エルキドゥ)が現れ龍牙の首に巻き付いた。その瞬間、エルキドゥが龍牙にヘッドロックをしている姿が幻視したのは気の所為だろう。

 

「ぐぇ!?」

 

 天の鎖に引っ張られ後ろに倒れた龍牙。

 

「まっマスター!? アーチャー! 何をするんですか! マスターは生身の人間ですよ!?」

 

 

「ルーラーよ、我は少なくともお前よりはこやつの事を知っておる。このくらいではびくともせんわ!」

 

 とギルガメッシュは勝ち誇った顔で言い放つ。

 

「ちょっ……待て、マジ首が……」

 

 

「後でと言わずに今すぐに行くぞ、時臣、我は先に戻るぞ! フハハハハハハ!」

 

 

「ぐぇぇぇ」

 

 ギルガメッシュは上機嫌で笑いながら龍牙をひき釣りながら外に出ていく。

 

「ちょっとアーチャー!」

 

 ジャンヌも彼女とマスターを追い外に出た。

 

 残されたサーヴァントとマスター達、監督役は互いに目を合わせる。

 

「取り敢えず後日、大聖杯を確認と言うことで」

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

「ウム……」

 

 と言うの会話があり、今回の会談は終了となった。

 




大きなベッドの上で

「離せギル!何するつもりだ!」


「愛する男と女が再会してする事は1つであろう?」


「待て!此処は全年齢対象で「案ずるな…どうにかなる」なるかぁ!」


「アーチャー!マスターから離れなさい!」


「えぇい!邪魔をするな、ルーラー!これは男と女の問題だ!」


「だからと言ってマスターを襲われるのを黙っては見てられません!」

ーバチッ バチッー

ギルガメッシュとジャンヌの間に火花が散る。



その日の夜、冬木市にある大きな屋敷の一角が吹き飛んだとか。

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