~ロンドン街中~
ヒロインXと甲冑の者の活躍によりゴーレムとオートマタを倒した一同。
「マスター終わりました!」
「うん、ご苦労様」
「テメェ……父上に舐めた口を」
ヒロインXにタメ口を聞いた龍牙に剣を向ける。
「黙りなさい、バカ娘。それに私のマスターに剣を向けるとは何事ですか?!」
「えっ……はい」
ヒロインXにそう言われてしょんぼりとする甲冑の者。
「まぁまぁ……えっと俺は彼女のマスター、無皇 龍牙。この人理修復を行っている、取り敢えず落ち着いて話が出来る場所に行かないか?」
「分かった、ついて来い」
龍牙達は甲冑の者の隠れ家へと向かうことにした。
~隠れ家~
「此処だ」
「へぇ……此処ね」
龍牙一行は案内された隠れ家に入る。
すると甲冑の者の兜が音を立てて変形し始めた。そして、顕になったその者の顔はアル……ヒロインXに似ていた。
「取り敢えず、自己紹介だな。オレはモードレッド、知ってるとは思うが父上の息子にして、唯一の後継者だ!」
「子供と言うのは百歩譲って認めますが、後継とは認めません」
「ちっ父上が認めてくれた…」
モードレッドはヒロインXが自分の子供と認めてくれたのが嬉しいのか、涙目になって喜んでいる。
「なんか、俺の知っているアルトリアじゃない」
龍牙は前の世界で見た彼女のモードレッドに対する態度があまりにも違うので驚いていた。
「私は超絶可愛いくて、強く凛々しいアルトリア・ペンドラゴンではありません!謎のヒロインXです!
それに私は違う私と違って寛容です。子供を認めぬ程、愚かではありません」
どうやら他の彼女と違って寛容な様だ。
「エミヤのお陰かな?」
「誰です、それ?」
「………衛宮士郎」
「どちら様で?」
「全然記憶にない?」
「はい」
龍牙はそれを聞いて思った……ヒロインXもそう言う可能性の世界の人物かと
「何やら騒がしいね」
話していると奥から眼鏡を掛けた青年が出てきた。
彼の名はヘンリー・ジキル。怪奇小説の主人公である狂心を宿した紳士……正確にはその小説のモデルとなった人間だ。
龍牙は一先ず彼にも自己紹介し、情報を求めた。ジキルは頭脳で、モードレッドは実戦でこれまで協力していたらしい。
彼等からの情報によれば、この都市を覆っている魔霧は生物が吸い込むと身体に害を与え数時間で死に至らしめる物らしく、ジキルの計算では数十万単位で死者が出ている可能性があると言う。いずれは都市の全てが死に絶えるだろう。
加えて、先程の戦闘で現れたゴーレムやオートマタ達も現れた事で脅威が増えた。魔霧自体は屋内には入らない様だが、食料や水が尽きれば飢えてしまう。
「急がないとね……ジキル、そしてモードレッド、今回の件を早急に片付ける為に君達に協力を仰ぎたい」
「オレは構わねぇぜ」
「此方としても助かる」
彼等は協力する事になり、まずはジキルの協力者であるフランケンシュタイン氏との接触する事を決めた。
「ぇ~……行くメンバーはモードレッド、俺、アタランテ、ジャンヌ、ヒロインXだ。牛若丸、ヴラド三世、スカサハは此処に残って周囲の探索。宝具は各自の判断で使ってくれていい、唯、建物に損害は出さない様に頼む」
「承知!」
「よかろう」
「分かった」
こうしてメンバーを決め、二手に別れる事にした。
次回は噂のあの英霊が出ます。
さて、誰でしょうか?