俺のFateな話   作:始まりの0

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EP56 おやっ主人公の様子が……

 狩人アタランテとダビデ王に会った龍牙は自分達の目的を話した。

 

 ①イアソン率いるアルゴー号の発見。

 

 ②召還されているサーヴァントの排除。

 

 ③聖杯の回収or魔神柱の殲滅。

 

 ④特異点の修復。

 

 以上が龍牙達の目的である。カルデアの事についても、自分が脱退したことを含め話した。

 

 理由を聞かれたが、そこは濁した。

 

 

「それで先程の飛ぶ船はなんだ?」

 

 

「……えっと(ギルの)コレクションの1つ?」

 

 

「(お前の)コレクション……どう見てもアレは神の舟だぞ?」

 

 

「細かい事は気にしない、気にしない。」

 

 龍牙はアタランテにヴィマーナの事を聞かれて、そう言った。ダビデはと言うと……

 

 

「美しい、是非僕の妻に」

 

 

「ほぉ……流石は巨人を倒し、像にまでなった王だ。誰が一番美しいのか良く分かっている。しかし残念だが、今の儂はマスターの槍でな。お主の妻になるつもりはない」

 

 スカサハを口説いていた。

 

 

「ガンド!」

 

 黒い球体が弾丸の様に撃ち出され、ダビデに直撃すると、彼の動きを封じた。

 

 

「あれ、身体が……」

 

 

「ダビデ王……少し話を聞きましょうか?」

 

 と龍牙は笑みを浮かべてそう言う。

 

 

「あっ……ごめん、ごめん。こうも美女ばかりだとね」

 

 

「ジャンヌやスカサハ達が美人なのは認めるが、話を聞いて貰えないなら………こっちにも考えが在りますけど?」

 

 彼の後ろに巨大な何かを幻視したダビデは固まってしまった。

 

 

「……はい」

 

 

「全く………どうかした?」

 

 

「いっいぇ……」

 

 

「お主……天然のジゴロだな」

 

 龍牙はジャンヌが顔を真っ赤にしているのがどうしたのか聞く。スカサハも微妙に顔が赤い、どうやら本人は原因だと全く気付いてない様だ。

 

 

「良く分からんが、話を戻そう。君等の目的は人理を護ること……OK?」

 

 

「その通りだ、そちらも目的が同じであるなら、我等も協力しよう」

 

 

「うん、僕もそれで構わないよ」

 

 アタランテとダビデも協力してくれる様だ。

 

 

「これから宜しく………じゃあ、ヴィマーナに乗って移動するか。此処に居ても仕方ないし」

 

 龍牙は宝物庫からヴィマーナを取り出すと皆で乗り込むと、再び空へと舞い上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~……」

 

 ヴィマーナの玉座に座りながら、龍牙は唸っていた。

 

 

「マスター、どうかしました?」

 

 唸っている龍牙を心配し、沖田やジャンヌ達が声を掛ける。

 

 

「この特異点に来てから、何やら見られてる感じがあるんだけど………」

 

 

「何の気配もないけど……」

 

 

「気にし過ぎじゃろ?」

 

 とサーヴァント達に言われたので、考えない様にした。

 

 

「ムッ……東に舟を発見。数は3。2隻は知らんが……もう1隻はアルゴーだ!」

 

 アタランテの目が舟を見つけた様だ。それを聞くと、龍牙は玉座から立ち上がった。

 

 

「船上は?」

 

 

「どうやら戦闘を行っている様だ。奴も出ているか」

 

 

「ふっ……そうか」

 

 アタランテの言葉に笑みを浮かべた。

 

 

「主殿?」

 

 

「「「「マスター?」」」」

 

 笑みを浮かべる龍牙………だが、それはこれまでの龍牙の物ではなかった。まるで別人の様な、笑みだ。

 

 

「えっ……どうかした?」

 

 

「いっいぇ……」

 

 

「そう……」

 

 龍牙はヴィマーナを舟がいる方向に向けて飛ばす。先程の笑みは気の性だったのか、何時もの龍牙に戻っていた。

 

 

「スカサハ……今のは」

 

 

「まるで別人の様だったな……この中で一番付き合いの長い牛若丸はどうだ?」

 

 

「あの様な主殿は初めてみました」

 

 サーヴァント達は先程の龍牙の異変に驚いており、話し合っていた。

 

 

「じゃあ、皆!戦闘準備!」

 

 龍牙の1声でサーヴァント達は先程の事を一旦心の隅に置き、戦闘準備を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~カルデアside~

 

 カルデアのマスター・藤丸 立香。マシュ、エミヤ、クーフーリン(術)、ランスロット、ジル・ド・レェ(剣・術)を連れ、オケアノスへとレイシフトしていた。

 

 オケアノスに着いた一行は海賊船の上にレイシフトし、戦闘などが在ったものの……彼の有名なフランシス・ドレイクと会う事ができ、協力してくれる様になった。途中の島でバーサーカーのアステリオス、アーチャーのエウリュアレと会い仲間となった。

 

 途中で黒髭ことエドワード・ティーチ(変態紳士)に狙われたエウリュアレを護る為に戦闘、しかしティーチに仕えていたヘクトールが、ティーチの持っていた聖杯とエウリュアレを拉致した。

 

 ヘクトールは元いた、アルゴノーツへ合流し三つ巴の戦闘となっていた。

 

 

「全く、どうするんだいこれは!?」

 

 流石のドレイクもこの三つ巴の戦いをどうするべきかを決めかねた。

 

 

「まずはエウリュアレの奪還が最優先です!」

 

 マスターである立香はエウリュアレの奪還を優先させ、サーヴァント達に指示を出していく。

 

 

「メアリー氏!アン氏!なんとしてもエウリュアレたんを奪い返すのです!後……あの黒いのメッチャこっちを狙って来てるんで何とかして貰えるとありがいのですが!」

 

 

「前者については何とかしますが、後者については自業自得の様な物なので嫌です」

 

 

「アンに同感」

 

 現在、ティーチはランスロットに狙われていた。理由は分からないが、彼がマシュを下賤な目で見た瞬間にマスターの許可なく「JM61A1」をティーチに向かい乱射した。

 

 ティーチの元にいる彼の有名な女海賊であるアン・ボニーとメアリー・リードは狙われているのを自業自得だといい、拒否した。

 

 

「Arrrrrthurrrrr!!!」

 

 

「酷いでござるぞ!うわぁ、また撃ってきた!」

 

 

 

 

 

 

 一方、アルゴノーツでは

 

 

「ハハハハハハ、流石は僕のヘラクレス!さぁ、そのままやってしまえ!!!」

 

 この船の船長とも言える存在……英霊・イアソンはヘラクレスの活躍を見て笑いを上げていた。

 

 

「■■■■―――――!」

 

 

「クッ!流石、大英雄ヘラクレス。そう簡単には倒させてくれんか」

 

 

「クソッ!ランサーで召喚されてりゃ、もう少しマシだったんだが………」

 

 現在、大英雄ヘラクレスと戦闘していたエミヤとクーフーリン(術)。しかしヘラクレスの宝具・十二の試練(ゴッド・ハンド)の効果によりBランク以下の攻撃を無効化される故に苦戦を強いられていた。

 

 

「えうりゅあれ……たすける!」

 

 バーサーカー・アステリオス……彼はミノタウロスであり、迷宮に閉じ込められ、皆に脅えられていた。だが、エウリュアレと出会い彼女が本当の自分の名前を呼んでくれた故に彼女を助ける為にヘラクレスに挑む。

 

 

「■■■■――――!!!」

 

 ヘラクレスの巨斧がアステリオスの斧とぶつかり火花を散らせる。一見、互角に見えるが……少しずつ押され始める。エミヤとクーフーリン(術)が参戦し、やっと拮抗していると言う感じだろう。

 

 

「ぐぅ!」

 

 

「ぐぁ!?」

 

 アステリオスとエミヤが吹き飛ばされる。クーフーリン(術)もルーン魔術で援護するものの、それを無視しアステリオスとエミヤに止めを刺すべくヘラクレスは駆け出そうとする。しかし何か危険を感じたのか、直ぐに後方に飛んだ。

 

 ヘラクレスが先程までいた場所には10本ほどの朱い槍が突き刺さっていた。

 

 

「ありゃ、まさか!?」

 

 クーフーリン(術)がその槍を見て驚いた。

 

 

「戦場で何をぼっーとしておる、セタンタ」

 

 

「おいおい、まさかアンタまで召喚されてやがったのかよ………しかもそっち側かよ」

 

 クーフーリン(術)は自分の前に降りたった女性と、その横に居た聖女の姿を見てそう呟いた。

 

 

「おい、キャスター。あの女性は知り合いか?」

 

 

「あぁ……俺の師匠……影の国の女王だ」

 

 その言葉に驚いているエミヤだが、次に登場した少年を見て更に驚く。

 

 

「無皇 龍牙……やはり現れたか」

 

 

「やぁ、エミヤ。空から見てたけど、藤丸君とマシュは息災かい?」

 

 

「あぁ、マスターも彼女も元気でいるよ……唯、何処かの誰かさんが何も言わずに消えたから少し困惑していたがね」

 

 

「そう……でも未だ、俺の事を話す時期じゃないんでね。まぁ君達が居るから大丈夫だろう……さてと、スカサハ、ジャンヌ、彼の相手は俺がするよ」

 

 

「……しかし相手はヘラクレスですよ?」

 

 

「まぁ……そうなんだけど、何故か妙に彼と戦いたい気分でね。もし、後ろの彼等が襲ってきたら相手を頼むよ」

 

 龍牙がそう言うと、スカサハ達の前に出た。彼女達もそれで納得している様だ。

 

 

「くっ……無皇、流石にそれは無謀だというものだ」

 

 エミヤがそう言う。確かに無謀だ、特異な力を持っていたとしてもだ。

 

 

「黙れ、フェイカー」

 

 

「!?」

 

 振り向いてそう言う龍牙。だがその顔が一瞬、誰かの物と被る。

 

 

「アレ?俺今、何言ったの………何だか……とても眠くなって」

 

 急に龍牙は眠気に襲われ、その場に倒れそうになる。だが倒れる前にジャンヌに支えられた。

 

 

「マスター、どうなさったのですか!?」

 

 

「……下がれ、女」

 

 直ぐに龍牙が顔を上げる。ジャンヌにそう言うと、立ち上がった。

 

 

「マスター?」

 

 

「下がれ、ルーラー……マスターではない様だぞ」

 

 スカサハは龍牙の雰囲気が変わった事に気付き、ジャンヌにそう言った。

 

 

「■■■■!」

 

 ヘラクレスは咆哮する。目の前にいる敵に………1人の少年に。彼の本能が告げていた、目の前にいるのは自分が最も苦手とする敵だと。

 

 ジャンヌとスカサハも龍牙の雰囲気が変わった事に気付き、龍牙?に問いかける。

 

 

「龍牙で在れば眠っている。(わらわ)が暫しこの身体を借りておるだけだ……久しくに(わらわ)と同じ存在に会えた故に、(わらわ)手ずから奴を倒そうと思ってな」

 

 

「貴方は……」

 

 龍牙?の手元に黄金の波紋が浮かび、何かの瓶を取り出した。龍牙?はその中身を飲み干すと、その姿が変わっていく。

 

 長い金の様な髪、赤い蛇の様な目、「美」を体現した様な身体………そして黄金の鎧。

 

 

「我が名は英雄王・ギルガメッシュである!さぁ、ヘラクレスよ!枷のなくなった貴様の力を見せてみよ!」

 

 理由は定かでないが、龍牙の身体を乗っ取り最古の英雄王がこの場に顕現した。

 




と言う訳で、ギルガメッシュが主人公を乗っ取りました。

何故、出たのか?

姫ギルの活躍が少ないからです!

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