EP54 いざ、最果ての海へ
~龍牙の空間~
世界の外側……【無】。そして此処は龍牙の為だけに創られた空間。
一見すると、カルデアのマイルームにしか見えない。だが此処はカルデアではなく、龍牙が創造した場所でしかない。
サーヴァント達にも各自、似た様な部屋を用意されていた。
そして龍牙はこの部屋のベッドの上で眠っていた。勿論、1人でだ。
「はぁ……母よ、何故此処に」
―可愛い子の成長を確認しに……別に他意はない……じゅるり―
「あのなぁ……」
1人で眠っていたのだが、何故か母である【無】が侵入し、彼の布団の中に潜り込んでいた。
本人曰く、龍牙の成長を確認しに来ただけらしいが………最後の涎を垂らしたのは気の性だろう。
―うんうん、我が子、成長した。
「フン!」
龍牙は【無】の頭に手刀を叩き込んだ。
―痛い………我が子、そう言うプレイをしたいの?あの金髪と緑髪の子達は結構攻めt「アンタ、一体何処から見てたんだ?!」……理性が吹き飛んだ所しか見てないから―
「しっかり見てるじゃないか?!流石に息子のそう言う事を覗くのはどうなの!?」
―冗談……鎖で拘束されて寝台に引き込まれた所までしか見てない。あの頃の我が子、
「はぁ……そろそろ起きたいので、退いて下さい」
―はぁ~い……朝ご飯、出来てる―
「あぁ……」
―それで、サーヴァントの中では誰を抱きt「着替えるので出てってください」―
龍牙は【無】を抱えると、部屋の扉から外に放り出した。
~食堂~
龍牙が自分の空間内に作った食堂に、サーヴァント達も集まっており、食事を終えると、次のレイシフト先について話し合っていた。
「それじゃ、説明しようかな。
次のレイシフト先はオケアノス………まぁ簡単に言えば海だ」
「あのマスター……万が一、カルデアの方々に会えばどうすればいいでしょうか?」
とジャンヌが手を上げてそう言った。
「カルデア……攻撃して来ない限りは手出し無用で。フンババの話では向こうは未だ俺の事をどうするか決めかねてるらしいから」
「事情を説明して協力……と言うのはやはり無理でしょうか?」
「はっ、馬鹿じゃないの?あっちのサーヴァントは完全にマスターちゃんを敵視してじゃない。それにあんな話、そう簡単に信じられないわよ」
邪ルタがジャンヌにそう言う。
龍牙はサーヴァントに、ウルクの事を含めて既に話している。【無】の配慮でそれを光景を彼女達は目にしていた。
仮にいきなり話しても信じられる保証はない。それに龍牙には1つ思う所が在り話すつもりもなかった。
「取り敢えず暫くは無理だ。なので、今は俺は俺で動く……」
「それがお主の方針なら従おう」
「主殿がそれで良いので在れば、私もそれに従います」
スカサハも牛若丸も龍牙の方針に従う様だ。それを聞いて沖田、信長も同意した。ジャンヌもどうやら納得した様だ。
「それは置いてといて……行くとしますか。母よ」
気を取り直して、次の特異点へと行こうと【無】へ話しかける。彼女?が頷くと、龍牙とサーヴァント達が光に包まれる。
―じゃあ、送る―
【無】がそう言うと、龍牙とサーヴァント達は此処から消えた。