俺のFateな話   作:始まりの0

50 / 109
EP43 魔神柱、降臨

 ~王宮 玉座の間~

 

 

「ハアァァァァァ!」

 

 

「ぐっ………見事……見事だ、ネロ……愛し子よ。良くぞ(ローマ)を倒した、それこそネロ(ローマ)だ」

 

 立香やマシュ、サーヴァント達の協力で、ネロの一撃がロムルスを貫いた。そしてロムルスはネロを讃える。

 

 彼自身、人類の滅びを良しとしていない。サーヴァントという立場上、やむなく従っていただけのこと。その気になれば自害も出来ただろうがロムルス自身、ネロを見定める為に戦っていた。

 

 

「レフ教授!勝負はつきました!」

 

 この場にいるのは、レフ・ライノール……特異点Fにてカルデアを裏切った人間……。

 

 

「いやはや、ロムルスを倒し切るとは。デミ・サーヴァントや寄せ集め()()がやるじゃないか。まぁしかし、所詮は人間か。

 

 冬木で見た時よりも成長した様だな。やはりあの場で殺しておくべきだったか……いやそれよりも奴はどこだ?!私をコケにした、あの人間は!!!」

 

 どうやら、龍牙にやられたことを根にもっている様だ。

 

 

『此処に居る』

 

 扉を破り入ってきたのは、龍牙とそのサーヴァント達だった。

 

 

「無皇……龍牙ァァァ!」

 

 レフは龍牙を視界に入れると、激昂する。

 

 

「やっとだ……やっとこの時が来た。あの時、この私の顔に泥を塗った貴様を殺す事が出来る」

 

 龍牙はそれを黙って聞いていた。

 

 

「させません!先輩達は私が護ります!」

 

 

「フン、デミ・サーヴァント風情が………まぁいい。

 

 所詮、貴様等ではどうにもならない結末は確定している。人間など、無能で存在する意味などないのだからな!」

 

 そう言うと、彼は黄金の杯……聖杯を取り出した。先の特異点でジル・ド・レェが持っていた物と同じ物だろう。

 

 

「ならば、哀れに消え行く貴様等に、我等が王の寵愛を見せてやる!」

 

 そして、レフは聖杯を取り込み、醜悪な笑みを浮かべると彼の姿が変貌し始めた。

 

 天井を貫く地に突き立つ巨大な醜い肉の柱……その体表は黒く、無数の赤い目玉が連なっている。

 

 

「なっなんだ、この怪物は……醜い!この世のどんな怪物よりも醜いぞ、貴様は!」

 

 ネロがそう言い、他のメンバー達も目の前に現れた異形に警戒する。

 

 

『この反応はサーヴァントでもない、幻想種でもない!伝説上の本当の【悪魔】の反応なのか!?』

 

 ドクターロマンが通信で、変異したレフについて言い放つ。

 

 

 《全く優秀だなロマニ・アーキマン!それでは改めて自己紹介しよう!

 

 我が名はレフ・ライノール・フラウロス!七十二柱の魔神の一柱!魔神フラウロス!

 

 これが王の寵愛そのものだ!思い知れェェェ!》

 

 変貌したレフ……魔神柱フラウロスの複数の眼がギョロリと動き、光ると怪光線が放たれた。

 

 それに反応したマシュやサーヴァント達はマスター達を護る為に防御に回った。立香はマシュに守られ、龍牙はジャンヌにより護られた。

 

 

 《フハハハハハハハハハ!!!これこそ、我が王の力の一端だ!》

 

 

「あぁ、そう……」

 

 龍牙はジャンヌに下がる様に伝える。始めは自分達が戦うと言おうとしたが、パスを通ってくる魔力の変化に気付く。そして龍牙の眼が鈍い光を放っていたのを見て下がる。

 

 

 《死ねぇぇぇぇぇぇぇ!無皇 龍牙!!》

 

 龍牙に向けて、放たれる怪光線。光線は龍牙を包み込む。それを見て、立香達は叫ぶ。

 

 

「無皇先輩!!!」

 

 だが、光線が掻き消えその場に破壊龍の鎧(ノヴァズ・ドラゴンメイル)を纏った龍牙が立っていた。

 

 そして、静かに龍牙は魔神柱を見ていた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。