俺のFateな話   作:始まりの0

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姫ギルが出て来る作品が中々ないなと思い、思いつきで書いてます。

主人公は生身で英雄と戦える肉体の持ち主です。


古代ウルク編
EP0 姫との出会い


 さて……少年の話をしよう。その少年は特に一般人と変わらない存在であった。ただ1つだけ人とは違う力を持っていたが……。

 

 何処にでもある日常を過ごしていた少年は世界を滅ぼす存在と相対してしまった。少年は世界を滅ぼす存在を………自分の意志と関係なくその身に宿してしまった。

 

 何故か、その世界を滅ぼす存在の力を手にしてしまった少年は普段と変わらない生活をしていた。世界を滅ぼす存在と相対して何で普通に暮らしているのだろう?

 

 少年「世界を滅ぼす力?面倒なだけじゃん、使わなければいいじゃん。気にしたら負けだよ、負け」

 

 と気にも留めなかったのだ。少年は普段通りの生活をしていたのだが………変化が起きた。

 

 少年自身にではなく世界にだ。

 

 世界は突然、神と名乗る者達に人間達は支配された。その神達曰く「人間は愚かで醜い存在だ、此処で滅べ」らしい。

 

 人間達も抵抗したものの、神々の人智を越えた力に敗北した。そんな中で少年はいきなり滅ぼすと言われて黙ってる訳がなかった。

 

 少年「勝手に出てきて、滅ぼすってなんだ!お前等の所為で発売したばっかりのゲームソフトが瓦礫の下敷きになっちまったじゃないか!?」

 

 という理由で自分の中の世界を滅ぼす存在の力を使い、神々を倒し始めた。その様から少年に付いた名が【神殺しの英雄】。

 

 神々を倒し終えた後、人々は少年を英雄と称え、謳っていた。しかしそれも直ぐに変わる。1人の人間が言った。「あの強大な神を倒したあの少年が何時か自分達に牙を向けるかも知れない」と。

 

 その一言が世界に拡散し、次第に少年を恐怖の対象として見た。やがて総ての人類が少年を排除しろと言い始めた。少年を捕まえようと世界は動く、しかし少年は抵抗する事無く捕まった。

 

 少年「これもまた人の選んだことか……まぁ仕方ないか」

 

 その言葉を最後に少年は世界から抹消された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(えっと此処は何処でしょうか?……死んだと思ったら荒野にいるなんて……確かに【神殺しの英雄】なんて呼ばれてたけど、最後は人間に裏切られて殺された………一応唯の人間だったんだけどなぁ……でも確かに死んだと思ったんだが……人間って首を斬られても生きてたっけ?……いや確実に死んだよな。それで生き返ったと考えるのが打倒か……)

 

 かつて世界を救い、人間に抹消された少年は荒野で目を覚ました。少年は哀しそうな顔で空を見上げる。

 

 

「はぁ……エクステラやGOの続き気になるなぁ」

 

 と裏切られた事よりゲーム続きを気にしていた少年。

 

 

「これから………どうしよう?」

 

 

「ねぇ……君、そんな所でどうして寝てるの?」

 

 その声で振り返ると、綺麗な金髪の人物が立っていた。

 

 

「(あれぇ?凄く何処かで見た事があるんですけど……具体的に言うとAUOの子供……つまり子ギルに似てる)俺も何で寝てるのか分かんない。気が付いたら此処に居た」

 

 

「ふぅ~ん……」

 

 

「取り敢えず1つ聞きたいんだけど………もしかして、もしかすると君はギルガメッシュだったりする?」

 

 

「へぇ~ボクの事知ってるのに……そんな口を聞いてるんだ。面白いなぁ」

 

 そう少年の眼の前にいる人物こそ、後の英雄王ギルガメッシュその人である。

 

 

(憧れのFateの世界に来ちゃいましたか……でも不幸だ……幼年体とはいえ、目覚めて直ぐあの英雄王と会うなんて…って事は此処は古代ウルクか……神様殺したから、呪いでも掛けられたのか?)

 

 などと考えている少年に、ギルガメッシュは興味を持った。

 

 

「ねぇ君、普通ここは未来の王であるボクにタメ口なんてしたら、命乞いすると思うんだけど……」

 

 ギルガメッシュ……神の血が3分の2流れている王の中の王。子供とは言え、常人とは何から何まで異なる存在だ。未来の王なので父や母、神々以外誰であろうとタメ口なんてできる訳がない。

 

 

「知らん、例え神の血が流れていようと、なかろうと子供は子供だ。第一!俺は神が嫌いだ!」

 

 

「ぷっ……プッ……ハハハハハ!アハハハハハハハ!このボクの前で神が嫌いだなんて発言する『子供』がいるなんて思いもしなかったよ!」

 

 それもその筈、此処が古代ウルクであれば神々は絶対の存在、しかも神の血を引く王子の前でそんな発言をするなんて在り得ないのだ。

 

 

「ん?子供?誰が?」

 

 

「誰って……君も子供じゃないか、見た所ボクと同じくらいかな?」

 

 

「(俺の記憶が確かなら俺は高校生の筈)」

 

 少年は立ち上がると、ギルガメッシュと大体同じくらいの視線の高さだ。

 

 着ている服、革ジャン、シャツ、ズボン、何時もと変わらない。両手を見る、小さい。両脚を見る、短い。顔に触る、プニッとしている。ギルガメッシュに背を向けて、ズボンの中を確認する。

 

 

「色々と縮んでる~!?」

 

 

「?……縮んでる?何が?」

 

 これが俺と英雄王のファースト・コンタクトである。言わせて貰うと「不幸だ」。


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