TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
舞踏会会場。そこには多くの観客が集まっていた。
「さあ、始まりました!キ州一舞踏会!北は幽州から南は江東まで全国各地から集まった腕に覚えのある猛者が!最強の座をかけて競います!」
『わぁーー!!』
「それでは、試合開始に先立って本大会主催者をご紹介しましょう!キ州太守にして超名門袁家の当主であられる袁紹様!」
『わぁーー!!』
袁紹が登場し文醜と顔良が観客に向け、声呼歓や掌鼓の看板を掲げる。
「皆さん!私、主催の舞踏会へようこそ!今日は全国から集まった豪傑達の闘いを心行くまで楽しんでいってくださいね!」
『わぁーー!!』
再び文醜と顔良が看板を掲げ観客は声援をする。
「ありがと、ありがと。名族袁家は「さあ、皆さん!袁紹様の有り難いお言葉を賜った所で第1試合の開始です!」
袁紹の長くなる話を遮り司会者が先へ進めた。
「優勝候補の声もあるマサカリ使いの鉄牛選手!に対するは今回の参加者で最小もとい最年少の張飛選手!果敢にも飛び入り参加した張飛選手には是非、頑張って欲しい所ですが相手が悪いかっ!」
鈴々の相手の鉄牛は大男で身長差は何倍もあり手には大きなマサカリを持っていた。
『ゴォーン』
ドラが鳴らされ試合開始。
「うおりゃあ~!」
鉄牛は鈴々に向けマサカリを振り下ろした。
「おおっと!鉄牛選手、先手をとった!早くもこれで決まっ・・ああ!」
『ガァキィン』
「受け止めたぁ!張飛選手、常人では持ち上げる事も敵わないあのマサカリの一撃を受け止めましたぁ!」
「このガキィ!」
「この程度なら鈴々には敵わないのだぁ!とおりゃあ~!」
「ガハァ!」
鈴々の一撃で鉄牛は場外に吹っ飛び気を失った。
『わぁーー!!』
「や、やりましたぁ!張飛選手!優勝候補の鉄牛選手を破りましたぁ!これは序盤から大判狂わせです!」
「はぁ~」
袁紹は退屈そうにあくびをしていた。
『ゴォーン』
「さあ!続いては第2試合!既に開始から一分が経過しています!只今、絶賛武者修行中の馬超選手は遥か西の西涼よりの参加です!」
先程、鈴々と共に居た女性だ。
「一方、相手は槍の名手との事ですが・・」
「りゃあ!」
『ガァキィン』
槍の名手の女性は次々と突きを放つが馬超はそれを防いでいく。
「おおっと!これはすごい!目にも止まらぬ速技だぁ!馬超選手は防戦一方です!」
「はぁ・・はぁ・・」
「何だ?もう終わりか?」
「なにぃ!?」
「ふっ、今度はこっちは行かせてもらうぜ!てぇえい!」
「くっ!」
馬超の猛攻に槍の名手は倒れた。
「安心しな、急所は外した」
『わぁーー!!』
「・・・」
袁紹は横になっていた。
『ゴォーン』
「やりましたぁ!張飛選手!見事、秒殺!」
「すごいっ!馬超選手!圧勝です!」
「小さな巨人、張飛選手!ついに決勝に王手をかけたぁ!」
「準決勝も一撃で決めた、馬超選手!新たな神話の誕生かぁ!?」
次々と対戦相手を倒す鈴々と馬超は決勝戦へと勝ち進んだ。
『ゴォ ゴォ ゴォーン』
「キ州一舞踏会も等々、最後の試合です!並み居る強豪を打ち倒して決勝の場にコマを進めたのはこの二人ぃ!先ずは驚異の小旋風、張飛!それに対するは西涼の暴れ馬、馬超!今大会最強を決める闘いも終に決着!注目の決勝戦はこの後すぐ!!」
袁紹の席には、所厠と書かれた看板があった。数分後、戻って来た袁紹は退屈そうな顔だった。
「まさか、本当に決勝に昇ってくるとはなぁ、ハァ!タァ!かかってこいっ!」
馬超は、銀閃を振り回し構える。
「お前に勝って、優勝賞金は鈴々が貰うのだ!うりゃあ!ふんっ!」
鈴々も負けじと、蛇矛を振り回し構え、二人は激突する。
「たぁ!」
「ハァ!」
『ガァキィン』
「ふぅ!」
「そりゃあ!」
『ガァキィン』
鈴々と馬超の激しい攻防戦が続く中、袁紹は寝そうだった。
「中々、やるのだぁ!」
「そっちもな!」
「すごい!これはすごい!決勝戦に相応しい激闘だぁ!」
「(なんだ?このチビ、ちっこいくせにどうして強いだ!でも、一番強いのは)・・アタシだぁ!」
『グゥ~』
「な?!」
鈴々のお腹が鳴り馬超は気が抜け、銀閃を床に刺してしまった。
『ハッハハハ!!』
「え、えへへ///」
会場は笑いに包まれ鈴々は恥ずかしながらお腹を摩った。
「えへへ、じゃない!真面目にやれ!」
「ごめんなのだ」
「まったく#勝負の最中にお腹が鳴るなんて緊張感が〈グゥ~〉な?!///」
「ああ!」
ハッハハハハ!
馬超のお腹も鳴り会場は再び笑いに包まれる。
「両者、そこまで!」
「「え?!」」
今まで退屈にしていた袁紹が突如、言った。
「この勝負、引き分け!よって両者を優勝とします!」
袁紹のいきなりの行動に文醜と顔良は急いで声援の看板を掲げた。
『わぁーー!!』
観客の声援で気分を良くした袁紹。
「(ようやく、私の出番ですわ)それでは閉会の言葉を私が・・えぇ?!」
袁紹が見ると既に観客は誰ひとり居なく舞踏会は流れ解散で終わった。
「鈴々」
勇作たちは仕事を終え、宿に戻って来た
「おい、鈴々」
「どうしたのですか?」
「鈴々が居ないです」
「え!?」
「本当ですか?高杉殿」
「はい」
「何処へ行ったのだ、鈴々」
「そうなると外に居るでしょうね」
「どうしましょう?」
「今日はもう、遅いですし鈴々なら大丈夫ですよ」
「しかし・・」
「俺が探しておくので安心して下さい」
「・・・分かりました。お願いします、高杉殿」
「任せて下さい、関羽殿」
関羽は自分の部屋に戻って行った。