TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第六十六席 勇作、暗殺を阻止するのこと

「(……失敗したか)」

 

「(そのようだな)」

 

「(……どうする?)」

 

「(手筈通りにやる)」

 

「(分かった)」

 

犯人の医者の付添の二人が近づく

 

「手伝います」

 

「頼む」

 

一人の男が医者に近づく

 

「(……悪く思うなよ)」

 

一人の男が医者に隠してあった毒針で殺しにかかる

 

「(死ね!!)」

 

毒針が迫る

 

「……おい!」

 

勇作が刺客の右腕を捕まえる

 

「何する気だ?」

 

「な、何だ!貴様!離せ」

 

「離しますよ……右手首に隠してある物を見せれば……ね」

 

「なっ!!」

 

「さあ、見せてください」

 

「な…何の事かな」

 

誰でも分かるぐらい動揺していた

 

「いいから見せろ!!何もなければ見せられるだろう!」

 

「……そ…それは」

 

「したかたない…星」

 

「!!」

 

「手伝ってくれ」

 

「……御意」

 

星が近づく

 

「こいつの右腕を抑えてくれ」

 

「わかりました」

 

星は勇作の言う通り刺客の右腕を抑える

 

「………」

 

そして右手首を調べる。刺客は汗をダラダラさせる

 

「……あった」

 

すると10cmほどの針が出てきた

 

「これは何?」

 

「そ…それは」

 

「これでこいつを殺すつもりだったのですか?口封じに」

 

「ち…ちが」

 

「じゃあこれは何ですか!?」

 

「そ…それは」

 

「言えないなら…これ貴方に刺しますよ」

 

「なっ!」

 

「何を驚いているのですか?何もなければチクっと痛むだけでしょう」

 

「い……いや」

 

「じゃあ……失礼しますよ」

 

針が迫る。逃げようとするが星に腕を捕まえられているため逃げられない

 

「………」

 

「……」

 

針が刺さりかける。すると

 

 

「うわあああああああ」

 

刺客が暴れ出す

 

「やめてくれ!!それに刺されたら死んでしまう!!」

 

「死んでしまう?」

 

「毒針だ!!毒針なんだ!!頼むから刺さないでくれ!!何でも言うから!!」

 

「……分かった」

 

針を引っ込める

 

「(くそ!!こうなったら)」

 

もう一人の刺客が曹操に向く

 

「曹操!!覚悟!!」

 

曹操に向かう。突然のことに全員の動きが止まる

 

「(貰った………!!)」

 

そう思った瞬間

 

 

「な…何だこれ!」

 

刺客の目の前が暗くなる

 

「(お見通しだよ)」

 

勇作が羽織っていたコートを刺客に向けて投げたのだ。それが刺客に被さり視界を奪う事に成功した

 

「愛紗!鈴々!」

 

「「!!」」

 

突然呼ばれた二人は驚く

 

「そいつを抑えろ!!」

 

「え?」

 

「早く!」

 

「分かったのだ!!」

 

「はい!」

 

もう一人の刺客も押さえつけられた

 

「さて……説明してもらうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別の場所

 

「(………まだか)」

 

ある部屋に今回の黒幕がいた

 

「(いったい、いつになったらくるんだ)」

 

「失礼します」

 

「ん?」

 

扉の向こうから声が聞こえた

 

「誰だ?」

 

「私です…無事に完了しました」

 

「そうか……ふははは、曹操よ。これでこの国は私のものだ!」

 

「……あら。それはどうかしら?」

 

「なっ!この声は」

 

扉が開かれると曹操達がいた

 

「き、貴様!!」

 

「私が生きていることに驚いているの?」

 

「そ…それは」

 

「貴方の刺客はすべて捕えたわよ。貴方の指示だって事も…ね」

 

「ぐ……ぐぐぐ」

 

「春蘭」

 

「はっ!」

 

「くそ!なぜだ!!なぜ!」

 

「簡単な事よ」

 

「何?」

 

「守ってくれたのよ……天が」

 

「天…だと」

 

「私は天の加護によって救われた。だたそれだけだわ」

 

「……なん……だと」

 

「連れて行け」

 

 

 

こうして曹操暗殺は失敗に終わった。だた言えることある

 

 

「(私の天運はまだ尽きていない……天は私に生きろと告げたってことかしら)」

 

 

高杉勇作がいなければ、曹操は今日で死んでいた。これは確かであることを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……という訳なんだ」

 

同じころ、別の部屋に移動した勇作は愛紗達に説明した

 

「…………」

 

「(………あ、あれ?)」

 

沈黙が支配する

 

「……何で?」

 

「……え?」

 

「何で言ってくれなかったんですか!!」

 

朱里が怒鳴る。あまりの迫力に皆、ビクっとなる

 

「いや……確信あったわけじゃないし」

 

「だとしても相談してほしかったです!!話を聞いた限りじゃ、運よく事が運んだとしか思えません」

 

「まあ…そうだけど」

 

「……信用できないんですか?」

 

「…え?」

 

「私がいえ私たちがそんなに信用できないんですか?」

 

目に涙を浮かべる

 

「そんな訳ない!」

 

「だったらもっと私たちを頼ってください!!一人で抱えないでください!!」

 

「…朱里」

 

「朱里のいうとおりです。主」

 

「星」

 

「そうです!ご主人様」

 

「愛紗」

 

「そうなのだ!」

 

「鈴々」

 

「貴方は私たちの主なのです!!あんなことはもうしないでください!!」

 

「あんなこと?」

 

「ご主人様が血をふいた時です!あの光景を見て時、頭が真っ白になりました。もしかしたら死んでしまうかと思ったのです!大切な人がいなくなる…そんなことはもう体験したくないんです!!」

 

「(……そういえば朱里の両親は死んで姉と妹とも離れ離れになったんだ)」

 

「お願いですから…いなくならないでください。ずっと一緒にいてください!!」

 

「………」

 

「………」

 

「…あれ?」

 

微妙な雰囲気に気付く朱里

 

「意外と大胆だな。朱里は」

 

「はわ…はわ」

 

「あ…あの」

 

「はわわ!!!!!!」

 

顔を隠しながくら右往左往する朱里。誰から見てもその顔は赤くなっていた

 

「…落ち着いて!」

 

「これはしばらく駄目ですな」

 

「…星」

 

「こうなったのは主の責任ですよ」

 

「俺!!」

 

「そうです!この責任はしっかり取ってくだされ。私はもちろん、愛紗達にも」

 

「…え?」

 

「星!」

 

「あはは」

 

「お兄ちゃん!責任とるのだ!!」

 

 

曹操達が来るまで部屋の中は修羅場は続くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある朝。とある高級建物の一室に張三姉妹が宿泊していた。穏やかな寝顔で、ベットでゆっくりと寝息をたてている

 

 

コンコン

 

 

すると扉をノックする音が聞こえる

 

「うぅ〜ん、誰よこんな朝早くから……」

 

音で目覚ましに、張梁が眼鏡をかけ、ゆっくりと扉に近づき、開けた

 

「はい、今開けます」

 

「お届けものです」

 

配達係らしき男性から、小包を渡された。その後またコンコンと鳴る

 

「お届けものです」

 

また小包、そしてまた扉が鳴る

 

「お届けものです」

「お届けものです」

「お届けものです」

 

「え?あ!ちょっと」

 

それからどんどんどんどん小包を渡され、やがて部屋中に埋め尽くされる程までになった。ようやく姉二人も目を覚まし、小包を開いていく

 

「わぁ、十万斤饅頭だぁ!私これ大好物なんだよね」

 

「地和ちゃん、こっちも十万斤饅頭だよ」

 

「天和姉さん、こっちもだわ」

 

「えっ?」

 

三人は手当たり次第に小包を開けていく。中身は全部十万斤饅頭だった

 

「どういうこと?これまでにも差し入れとか贈り物とけあったけど、こんなに沢山、それも同じものばっかりなんて……」

 

「あっ、もしかして十万斤饅頭を大安売りしてたから〜……てのはないか」

 

「いくらなんでも、これってちょっとおかしいわ……」

 

「あっ!」

 

「ふぇっ?」

 

「何か心当たりがあるの?」

 

「いや…ほら、昨日舞台で新しい術を発動させた後、解除するのを忘れて、暫くそのまま喋ってて………」

 

「あ!!」

 

張梁は思い出した

 

 

『そっか。 地和ちゃん、十万斤饅頭好きだもんね〜』

 

『うん。十万斤饅頭だったらいくらでも食べられるから、皆じゃんじゃん差し入れしてね〜!』

 

 

 

 

 

「それじゃあ…」

 

三人は高く積みあがった十万斤饅頭を見た後、再び視線を合わせる

 

「もしかして私達、凄い力…手にしちゃったんじゃあ……」

 

ベットに置いてある太平要術。その本が怪しく光っていた


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