TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第五十席 英雄、真名を預け合うのこと

翌日、外では鈴々が鍛錬をしていた。そのそばには璃々がいた

 

「鈴々お姉ちゃん・・・」

 

「なんなのだ!?」

 

「馬超お姉ちゃんと喧嘩した?」

 

璃々の一言に鈴々はずっこけた。そう、二人の関係はより悪化していた

 

「こ・・・・子供には関係ないのだ」

 

「むぅー、そうなんだ。せっかく仲直りの方法を教えてあげようと思ったのに」

 

「え!?どんな方法なのだ?」

 

「教えてほしい」

 

「うんうん」

 

「じゃあ教えてあげる。あのね、始めははほっぺにチューしてそれから・・・」

 

「え!?」

 

「お父さんがまだ生きていたころ、お母さんと喧嘩した時があったんだけどそれしたらすぐに仲直りしたよ」

 

「そうじゃあ・・・鈴々と馬超も・・・」

 

「絶対仲直りできるよ!だから仲直りしたらまた璃々と遊んでね」

 

「合点なのだ!!」

 

 

 

 

そのころ、翠は河原で横になっていた

 

 

「本当に・・・西涼に帰えっちまおうかな・・・」

 

空を見ながら言っていると

 

「あっー、こんなところにいたのだ!!」

 

鈴々がやってきた。翠はそっぽを向くが・・・

 

「馬超、馬超ってば!!」

 

「なんだよ!!」

 

「馬超・・・」

 

「な!なに!!」

 

最初に翠に、チューをしたのであった。チューされた翠は

 

ボン!!

 

顔を赤くなってしまったのであった

 

「馬超・・・」

 

「バカ!!」

 

「!?」

 

「馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿!!」

 

そう何度も言うと翠は森へと向かった

 

「なんだよ、なんでいきなりあんなことを・・・なんで、どうして・・・くっそー、なんかもう訳わからなくて、頭が沸騰しそうで・・・・もう、もう・・」

 

前見ていないまま走り出していると

 

ゴン!!!!!

 

木にぶつかって気絶してしまったのであった

 

 

 

 

 

 

そのころ、鈴々はふてくされた顔になって帰っていた

 

「まったく、何が仲直りの方法なのだ!!言われたとおりにやったら余計に怒らせたのだ!!これだから子供の言うことはあてにならないのだ!!」

 

 

 

 

 

そして、夕方になった。夕食時になったので全員が集まっていた。翠は除いては

 

「馬超さん、遅いですね。他の時はともかく馬超さんが夕食の時間に遅れたことなんてこれまでなかったのに・・・」

 

「山の中で行き倒れてて、また三日草に寄生されていたりしてな・・・」

 

「!?」

 

「趙雲さん、変なこと言わないでください!!」

 

「まあ、あやつのことだから大丈夫だと思うが・・・」

 

「けど・・・朝も少し様子がおかしいようでしたし・・・」

 

「とはいえ、いくら気鬱の病が生じた所で山に分け入って首をつるわけではあるまい・・・」

 

それをきいて驚き

 

「山で!!」

 

「それはそうですけど・・・」

 

「ちょっと探してくるのだ!!」

 

「探してくるってどこを・・・っておい!!」

 

翠をさがしに行ったのであった

 

「俺達も行きましょう!」

 

勇作達も探しにいった

 

「(覇気で場所がわかったし教えようとしたのに・・・慌てすぎだよ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ、翠は気絶していた。すると鈴々の声に気付いて、眼が覚めた

 

「おーい、馬超!!どこにいるのだ!!聞こえたら返事するのだ!!」

 

「いっつーー」

 

「馬超・・・首吊っちゃダメなのだ!!」

 

「なんだよ・・・」

 

「うーん、山の中に走っていったから山の中さがせば見つかると思ったのに・・・全然見つかんないのだ!!」

 

「相変わらずおおざっぱだな・・・・・ってあれは・・・・」

 

呆れる翠は鈴々のところに何かが向かってくるのが見えた

 

「ブヒィ!!ブヒィ!!ブヒィ!!」

 

それは大きなイノシシであった。イノシシは今まさに鈴々の所に向かっていた

 

「鈴々、危ない!!」

 

「あっ馬超!!」

 

「後ろ!後ろだ!!鈴々!!」

 

翠とはとっさにイノシシの前に立った

 

「カンカン!!」

 

「え!?」

 

「ブヒィ!?」

 

翠はきょとんとし、イノシシもうるんだ瞳となって足を止めた

 

「やっぱりカンカンなのだ!!」

 

「おい鈴々、カンカンって・・・」

 

「カンカンは昔、鈴々が飼っていたイノシシなのだ!!・・・・・・・・・ちっちゃいころからずっといっしょなのだ。でもじっちゃんが大人になったから山に返してやれと言われたから・・・泣く泣く返したのだ・・・まさかこんな所で会えるなんて感動の再会なのだ!!」

 

「感動はいいけど、本当に、昔飼ってた奴なのか?」

 

「もちろんなのだ。その証拠にこっちの脇の下に白い房が・・・・・」

 

イノシシの足を上げた。その脇の下には白い房が・・・・・・なかった・・・それをみて顔を青ざめた

 

「あっ・・・・ないのだ・・・・どうやらイノシシ違いのようなのだ・・・・」

 

「ブヒィ!!」

 

「逃げるのだああああああ!?」

 

「ブヒィー!!」

 

鈴々は翠を抱えて、イノシシから逃げていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、イノシシから逃げ切った2人は這いつくばっていた

 

「何が感動の再会だ!!」

 

「あーいう繰り返しは基本中の基本だからしかたないのだ・・・」

 

「なんなんだよそれ・・・」

 

「にゃはははは・・・」

 

「やれやれこれだから鈴々は・・・・あれ?あたし、いつのまに張飛のことを真名で呼んでいる」

 

そういつのまにか鈴々の事を真名で呼んでいたのであった

 

「あのさ・・・あたし、その・・・真名で鈴々って呼んじゃっているけどいいのかな?」

 

「馬超がそうしたいなら・・鈴々はかまわないのだ」

 

「ん」

 

「だって馬超は鈴々の友達だから!!」

 

鈴々の言葉に翠は笑い始めた

 

「ははは、そっか、そうだよな・・・鈴々とあたしは友達なんだもんな!!」

 

「何で笑うのだ?」

 

「いや、ワリィ・・ふふふ・・・・」

 

「なんなのだ!!なんで笑うっているのか教えるのだ!!」

 

「まあいいじゃん、友達だから気にするなって!!」

 

すると後ろから

 

「ここに居たか」

 

勇作がきた

 

「お兄ちゃん!!」

 

「ご、ご主人様」

 

「皆、待っているぞ!」

 

そして3人はみんなの所に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になると鈴々はこれまでのことを皆に話した

 

「なるほどそういうことだったのか・・・」

 

「まったく、そんなことで人騒がせな・・・」

 

「いいじゃありませんか。微笑ましくて」

 

「しかし、鈴々、馬超のことどうして自分から真名で呼んでやらなかったのだ?」

 

「だって・・・・星が・・・・」

 

「ギク!?」

 

「西涼の民は血のつながりのないものに真名で呼ばれると馬になるっていうから・・鈴々は馬超に馬になってほしくなくて・・・」

 

「お馬さんに!?本当!?お母さん、そんなことないよね・・・」

 

「趙雲!!!!」

 

めちゃくちゃ怒っていた

 

「いや・・その・・・すまん・・・ちょっとした遊び心がこんなおおごとになるとは・・・」

 

「(遊び心なのか?)」

 

「もう趙雲さんも趙雲さんですけど、璃々ちゃんもだませないような嘘を信じる鈴々ちゃんも鈴々ちゃんですよ・・・」

 

「そもそも私の真名を聞いた時のように無邪気に聞けばこんな騒ぎには・・・・」

 

ギロリ!!

 

「私が真名で星と呼ぶようになったら自分もそう呼びたいとしつこく頼んだからな」

 

「なんでも愛紗とお兄ちゃんと一緒がよかったのだ!!」

 

「どうでしょう?これを機会に改めてお互いの真名を預けあうというのは?」

 

「大賛成なのだ」

 

「そうしようぜ」

 

「異論はない」

 

「いいですわね」

 

「璃々も璃々も」

 

「しかし、あまりに年上の方を気軽に真名で呼ぶのはいささか気が引けるな・・・」

 

「関羽さん、何が言いたいのかしら?」

 

「いや、べつその深い意味は・・・・」

 

「(こえーー!目に光がなかったぞ!今)それじゃ俺の事も真名で呼ぶのかな」

 

「いや!主のことは主と呼びますよ」

 

「やっぱり」

 

「そうですよ!ご主人様」

 

「貴方はこの義勇軍の大将で私たちはあなたについて行っているのです」

 

「あの時、そう呼んでよろしいと言っていたではありませんか。ご主人様」

 

「そうだぞ!ご主人様」

 

「まあ・・・そうだけど」

 

 

「(皆も気になっていると思うけどなぜ俺がこう呼ばれているのかというと・・・それはすこし遡る)」

 

 

 

次期は皆でお花見にをした翌日

 

 

 

「いやーまさかあの劉備殿が偽物だったとは・・・庄屋も焼きがまわったようですな」

 

「自分を責めるものではないのですよ・・・俺達だって騙されていたのですから」

 

「はあ・・・しかし・・・劉備殿が居なくなってはこの義勇軍の大将は誰が・・・」

 

「それならいますよ!高杉殿が!!」

 

「っ!?俺」

 

「そうですよ!この中では高杉さんが一番適任です」

 

「あたしもそう思うぞ!!」

 

「ええ、私も同じです」

 

「璃々も」

 

「・・・・・・・」

 

「おお、天の御使いである高杉殿が大将となれば心配ありませんな・・・どうかこの義勇軍の大将になってくれませんか?」

 

「・・・・・・・・・・どこまで出来るかわかりませんが、俺でよければ、やります」

 

「おお、ありがたいです」

 

「なら・・・勇作殿」

 

「ん?」

 

「私は貴方のことをこれからは「主」と呼ばせて頂きます」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

「お、おい星!いったい」

 

「主がこの義勇軍の大将になられたのならそう呼ぶのが自然でしょう」

 

「でも・・・俺なんかで」

 

「前には申しましたよ・・・仕えるべき主はもう決まっていると」

 

「星」

 

「なら私は「ご主人様」と呼びましょうかしら」

 

「紫苑!?」

 

「璃々もご主人様と呼ぶ」

 

「ちょっ!?」

 

「な、なら、わたしも・・・」

 

「翠!?」

 

「おい・・・高杉殿が困っているではないか」

 

「愛紗はどうするのだ?」

 

「わ、私は・・・・・・・」

 

勇作をみて

 

「私もご主人様と呼ばせて頂きます」

 

「え!?」

 

「鈴々はお兄ちゃんもままでいいのだ」

 

「わ、私もご主人さまとお呼びましゅ」

 

「さあ・・・どうします!主」

 

「(断りずらい)」

 

そう思った勇作は

 

「好きに呼んで良いです」

 

こうして俺は「主」や「ご主人様」と呼ばれるようになったのだった

 

 

 

 

「という訳なんです」

 

「誰に話しているのですか?」

 

「いやなんでもない」

 

「では私から・・我が名は関羽、字は雲長、真名は愛紗。この真名、皆に預けよう!!」

 

「鈴々は張飛、字は翼徳、真名はもちろん鈴々なのだ!!この真名、皆に預けるのだ!!」

 

「あたしは馬超、字は孟起、真名は翠。皆に預けるぜ!!」

 

「我が名は趙雲、字は子龍、真名は星。この真名、皆に預けたい」

 

「私は諸葛亮、字は孔明、真名は朱里。この真名、みなさんに預けましゅ」

 

「私は黄忠、字は漢升、真名は紫苑ともうします。この真名、みなさんに預けましょう」

 

「璃々は璃々です!!」

 

「俺は姓が高杉、名は勇作という」

 

「あれご主人様?字と真名は?」

 

「俺の居た天の国のは字と真名は無いんだ」

 

「「「「「!?」」」」」

 

その言葉に皆、驚いた

 

「そうなのですか?」

 

「いや愛紗、鈴々に真名を預ける時に説明したよね」

 

「・・・すいません。ご主人様が真名を知らないと申していたので・・・聞いていなかったです」

 

「あ、そうなんだ・・・・・・まあ、それは良いとして・・・これを機により一層絆を深め・・・共に世のため民のために戦っていこう!!」

 

「「「「「御意!!」」」」」

 

「「おお!!(なのだ)」」

 

こうして、乙女と御使いの絆はより一層高まるのであった・・・すると

 

ぐうーーーーー

 

勇作以外、お腹が鳴る音がした。それを聞いた皆は笑った

 

「さて、そろそろ帰りましょうか・・・」

 

「その前に主?」

 

「ん?」

 

「食事が終わったら庭に来てくれませんか?」

 

「良いけど何で・・・」

 

「それはその時に話します。皆も来てほしい」

 

「ん?」

 

首をかしげる勇作であった


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