TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第四十四席 鈴々、風邪を引くのこと

「官軍からの参陣要請?」

 

ある日の夕方、勇作たちは集まっていた

 

「ああ、なんでも州境で領民がかなり大規模な反乱を起こしたらしい」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「討伐隊を出したのだが、一向に乱を鎮めること敵わず。結局、大将軍の何進、自らが軍を率いて出で来ることになったのだが、我らの活躍がその耳に届いたらしく、朝廷に尽くさんとする志があらば、我が陣に参ぜよと・・・」

 

「漢王朝の偉い人もやっと鈴々達のすごさに気付いたってことなのだ!!」

 

「成り上がり者の何進の下につくとってのは気に入らないが・・・・・・この際、大暴れしてふぬけた官軍共の目を覚ましてやろうぜ!!」

 

「おめめ、ばっちりなのだ!!」

 

鈴々と翠はそんなやりとりを続けていると孔明はなぜか難しい顔をしていた

 

「孔明殿はどう思う?」

 

「そうですね。聞くところによると各地で反乱が続発して官軍はネコの手も借りたい状況とか・・・大将軍の自らの出陣といっても実のところさほどの兵力ではないのかも・・・」

 

「なるほど、それで俺達に声をかけてきたというわけか(翠が成り上がりと言っているけどそこまでヒドイのかな?)」

 

「理由はどうであれ、これはまたとない機会だ!!ここで華々しい手柄を立てれば我らの名はさらに高まるだろう。そうすれば義勇軍に参ずる者は増え、我が軍はより強く、より大きくなれるのだ!!」

 

劉備の態度に呆然と見つめる勇作たち

 

「あっ・・・・そして、それがより多くの人を救える。それでは出発は明朝!!皆、早速準備にかかってくれ」

 

「「「はい!」」」

 

「合点なのだ!?」

 

「・・・・・・・・」

 

こうして義勇軍は賊討伐に向かうことになった。

 

 

 

 

その夜、関羽は風呂に入っていた。関羽は以前の劉備の言葉を考えていた

 

「そして、それがより多くの人を救うことになるか・・・・・・」

 

そして風呂から上がり、部屋に戻ろうとした時

 

「・・・あれは」

勇作を見つけた

 

「高杉殿」

 

「!あれ関羽殿、どうしたのですか?」

 

「いや、姿が見えたので声を掛けただけです」

 

「そうか・・・・・・・・・」

 

「暗い顔をしていますけど、どうしました?」

 

「いや、なんでもないよ。俺は部屋に戻ります」

 

「あ、はい」

と勇作は部屋に戻った

 

「・・・・・・・・・高杉殿」

 

 

 

 

 

そして、翌日、義勇軍は出発に取りかかっていた。関羽、勇作、翠は今まさに出陣しようとしていた。しかし・・・

 

「う~・・・・」

 

「はわわ、鈴々ちゃん!!風邪ひいていますからちゃんと寝ていなきゃだめですよ!!」

 

なんと鈴々は風邪をひいてしまったのであった。孔明は止めていたが言うことを聞かなかった

 

「やれやれ・・・」

 

「鈴々は風邪なんかひてないのだ!!」

 

「熱が出て、咳が出て、鼻水を垂らしているから、風邪に決まっているじゃないですか」

 

「熱が出て、咳が出て、鼻水を垂らしていても・・・・(ズズッー)なんとかは風邪ひかないからこれは風邪じゃないのだ!!」

 

「なんとかってお前・・・・」

 

「何言っているんですか!!馬鹿は風邪ひかないなんて迷信です!!馬鹿だって風邪ひくときあるのですから、鈴々ちゃんは風邪ひいています!!」

 

「(おい!明らかにヒドイこと言っているぞ)」

 

「孔明殿、言っていることは間違ってはいないがもう少しお手柔らかに・・」

 

「でも関羽さん」

 

「鈴々はずっと愛紗とお兄ちゃんとずっと一緒に旅をして戦ってきたのだ!! なのに二人が出陣して、鈴々だけが置いてきぼりなんていやなのだ!!」

 

「鈴々、お前の気持ちはわかるが、その体では出陣するわけにはいかぬだろ」

 

「そうだぞ。かえって足を引っ張ることに・・・」

 

関羽と翠が言うが

 

「行くたら行くなのだ!!絶対に愛紗達と一緒に出陣するのだ!!」

 

鈴々はどうしても行きたがっていた。無理したか、鈴々はフラッとした

 

「ほら熱があるのに暴れたりするからから戦に行くのは無理ですよ」

 

「そんなことないのだ・・・鈴々は一緒に・・・」

 

「張翼徳、お主に任務を与える!!」

 

「ん?」

 

「我らが出陣している間、ここに残って村を守ってくれ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「私も残ります。戦が長引いたときに備え兵糧を準備しつつ、鈴々ちゃんと一緒に村の守備につきます」

 

「孔明・・・」

 

「なら、俺も残るわ」

 

「え!?」

 

「高杉殿!」

 

「今回の遠征、俺が行かなくても大丈夫だと思うし、それに鈴々の負担を少しでも減らしたいし・・・」

 

「お兄ちゃん・・・」

 

「分かった。劉備殿には私から伝えておく」

 

「村を守るなんて張飛には荷が重いんじゃ・・・・」

 

「馬超は黙っているのだ!!」

 

「どうだ。留守を頼めるか・・・」

 

「わかったのだ・・・そこまで言うなら鈴々は残って村に守るのだ」

やっと事が済んだ

 

「よし、それで我が妹だ!!村を任せたぞ!!」

 

「合点なのだ!!」

 

そして、関羽は鈴々の耳元に・・・・

 

「早く元気になれ・・・」

とつぶやいた。すると安心したか鈴々は崩れ落ちてしまった。

 

「おい、鈴々!?」

 

「まったく、無理するからだよ」

と勇作は鈴々をお姫様抱っこのようにして持ち上げた

 

「お、お兄ちゃん!」

 

「部屋まで連れて行くよ」

 

「・・・うん」

鈴々はさらに顔を真っ赤にして頷いた

 

「(何でなのだ!胸がすごくドキドキするのだ)」

 

鈴々と勇作と孔明は留守を任せることになった。そして、義勇軍は出発したのであった

 

「しかたないですね。三人抜きで戦いましょう」

 

「申し訳ない・・・・」

 

「ちっ・・・(まあいい、御使い殿が来ないだけマシか、それに村が襲われてもアイツ一人でも倒せるし人を殺すようになるしな)」

 

関羽視線を村のほうを振り返った

 

「どうした、関羽」

 

「いや・・・なんでもない」

 

すると何者かが義勇軍の移動を見ていた

 

「ん・・・・・?遠征か?」

 


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