TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第二十五席 張飛、関羽と仲違いするのこと

孔明を旅仲間に加えた勇作たちは、再び先へと進んでいた

 

「鈴々。一人で勝手に先へ行くな、はぐれても知らんぞ」

 

どんどん前へ進んでいく鈴々を関羽が注意する横で、ふと孔明が口を開く

 

「そう言えば霧の中ではぐれてしまったお仲間の方・・・名前は確か・・・」

 

「趙雲だよ」

と勇作が答える。そう・・・水鏡の屋敷から出た後も、前回霧の中ではぐれた趙雲とは再会できず、結局それっきりになってしまったのだ。

 

「そう、その趙雲さんとは結局はぐれたままでちょっと心配ですね」

 

「・・・けど、あやつも子供ではない。きっとこの空の下で、元気にやっているさ」

 

「(そうだと良いけど・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと、鈴々が立ち止まっていたため関羽と勇作と孔明も足を止める。その前では・・・道が二手に分かれていた

 

「む・・・分かれ道か」

 

「どっちにいきます?」

 

「そうだなぁ・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「こんな時は鈴々におまかせなのだ!」

 

そういって前に出た鈴々に、関羽は「またあれ(=占い)をやるのか」と軽くため息。蛇矛を地面に軽く突き立てた後、鈴々が軽く念じる

 

「(右に倒れろ)」

勇作は心で願った。見聞色の覇気で右に人が大勢いることを知ったからだ。けど皆に言った所で信じないと勇作は思い、覇気のことについては教えていない。そして願いが通じたのか

 

カタン

 

音を立てて、蛇矛が右側へ倒れる

 

「(良かったー)」

 

「あっちなのだー!」

 

「うむ・・・それじゃあ行くのはこっちだな」

 

「(え!?)」

 

しかし関羽は占いの結果をあっさり無視して左へ行こうとする。

 

「なんでそうなるのだ!?」

 

「当り前だ!この間お前の占い通りに行ったら、霧に捲かれるわ、崖からすべって怪我をするわで散々ではないか・・・」

 

「(確かにそうだけど・・・)」

 

「うぅ、そ、それはー・・・けど占いではあっちって!」

 

「だから、その占いが信じられないというのだ!!」

 

先日の経験から占いを信じようとしないと関羽と、絶対に占いが正しいと言い切る鈴々。にらみ合う2人に対し、孔明が戸惑いながらも助言する。

 

「関羽さん・・・確かに鈴々ちゃんの占いに根拠はないと思います。でもそれなら、占いどうりにしたからって必ず悪いことは起きるとは限らないと思うんです」

 

「そうだな、鈴々の方に行っても良いと思うよ・・・」

 

「孔明殿と高杉殿が言うのなら・・・」

 

「それじゃあ・・・」

 

孔明と勇作の言葉を聞いて、関羽がそうしようとする。

 

「(これで右に行ける)」

 

一瞬安心した勇作と孔明・・・だったが

 

「余計なこと言わなくていいのだ」

 

「「えっ・・・」」

 

「これは鈴々と愛紗の問題なのだ。お前には関係ないから黙ってるのだ」

 

「おい、それは無いだろう!」

 

あろうことか、鈴々が孔明を邪魔者扱いしたのである。これには勇作と関羽も黙ってはいられない。

 

「鈴々!なんてことを言うんだ!!孔明殿はお前のことを思って!!」

 

「それが余計ことなのだ!!」

 

更に関羽の言葉を切り捨て、鈴々は右へ進もうとする。

 

「鈴々!!」

 

「おい、待て、鈴々!!」

 

「とにかく鈴々は占いどうりこっちに行くのだ!!」

 

「っ・・・勝手にしろ!!」

 

「勝手にするのだ!!」

 

そのまま鈴々は、勝手に右へと進んでしまった。

 

「おい!」

 

「鈴々ちゃん!」

勇作と孔明が声をかけるが、止まらない

 

「(何でこんなことに・・・)」

 

「いいんですか!あのまま一人で行かせてしまって・・・!」

 

「構わんさ!どうせすぐに寂しくなって『やっぱり皆と一緒の方に行くのだー!』とか言って追いかけてくるさ」

 

「でも・・・」

 

「(と言うか全然似てなかったぞ・・・)」

心の中でツッコむ勇作

 

「さぁ、孔明殿、高杉殿、我らもいこう・・・」

 

孔明が戸惑うのも構わず、関羽はそのまま左へと進んでいくのだった。しかし勇作はその場を動かず、鈴々の姿を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛紗ったら孔明たちの味方ばっかり・・・」

別れてから数分後・・・占いの通りに進んでいく鈴々は、孔明にばかり味方する関羽にぶつぶつ言い続けていた。すると後ろから

 

「鈴々!!」

と声がして後ろを向くと

 

「お、お兄ちゃん・・・」

勇作が来た

 

「やっと追いついた・・・」

 

「なんでお兄ちゃんが・・・」

 

「一人じゃ心配だから来たんだよ・・・」

 

「そうなのか・・・」

 

「うん」

 

カバ

 

と鈴々が勇作に抱き着いた

 

「・・・どうしたの?」

 

「良かったなのだ。お兄ちゃんは、鈴々の占いを信じてくれて・・・」

 

「・・・あ、ああ(別に信じてるわけじゃあないんだけど・・・)」

 

そして二人はしばらく歩いていくと・・・前方に街が見えてきた

 

「あ!街なのだ!やっぱり鈴々の占い正しかったのだー!」

 

「・・・そ、そうだね(呼び戻した方が良いかなー・・・)」

と勇作が思っていると

 

「ざまぁみろなのだー!!」

と言いながら鈴々は街に向かって走って行った

 

「あ、そんなに急いで行くなー」

と勇作も後を追いかけた


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