TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第二十一席 勇作、諸葛亮と出会うのこと

勇作達は、霧が晴れるまでその場を動かず居た。やがて、それまで森を覆っていた霧が晴れてきた。

 

「だいぶ、霧が晴れてきたな」

 

「あっ、あそこに家があるのだ」

鈴々が指差す先には山間に佇む家を見つけた。

 

「助かった!あそこで少し休ませてもらおう」

 

「そうですね」

 

「鈴々がおぶっていくのだ!」

 

「武器は俺が預かるよ」

 

青龍偃月刀と邪矛を勇作預け、鈴々が関羽をおぶって屋敷へと向かう。

 

「すまない・・・」

 

「水臭いことは言いっこなしなのだ!それに、ぷにぷにのおっぱいが当たって気持ちいいのだ!」

 

「!?」

 

「のわああ!?///」

 

「わあああ!!暴れちゃダメなのだ~!!」

 

自覚のないセクハラ発言に勇作は驚き、思わず変な声をあげてしまう関羽であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いた」

 

「たのもー。たのもーなのだ」

 

長い階段を上り終えて、家に着いた勇作達。鈴々が門にむかって叫ぶ

 

「(道場破りじゃないんだから・・・)」

と勇作が思っていると

 

「はぁーい」

 

〈ガラッ〉

 

門が開き、黄色い短髪にベレー帽を被った少女が出てきた。少女は怪我をした関羽を見るなり慌てて、屋敷の中で書物を読んでいた綺麗な御婦人の下へ駆け込んだ。

 

「はわわわ~!大変です先生~!水鏡先生~!」

 

「どうしたのですか? 朱里、そんなに慌てて」

 

「旅の方が来られたんですけど、ひどい怪我をされてて」

 

「えっ!?それは大変!」

 

御婦人は少女を連れ、勇作達の所へ急いだ

 

 

 

 

 

 

 

「そうでしたか。それは災難でしたね」

 

部屋に案内された勇作達。御婦人は勇作達のこれまでの事情を聞きながら関羽を寝床の上に寝かせて、足の怪我を診察している。

 

「この辺りは急に濃い霧が出ることがよくあって」

 

「うっ」

 

「これで、よしっと」

 

薬を塗られた時に痛みを感じたのか関羽は顔をしかめた。

 

「足が治るまで、此処でゆっくりなさるといいわ。その内に逸れた方も見つかるかもしれないしね」

 

「ありがとうございます」

 

関羽の診察を終えた御婦人は自己紹介を始める。

 

「私は、司馬徽。水鏡と号しています。そしてこの子は・・・」

 

「私は諸葛亮。字は孔明といいます」

 

「!?」

少女の名前を聞いて勇作は驚いた

 

「朱里。包帯を巻いてあげて」

 

「はい。先生」

 

諸葛亮は、薬が塗られた関羽の足に手際良く包帯を巻いていく。

 

「世話をかけるな」

 

「いいえ。ふぅ、出来ました」

 

「あら。随分うまくまけたわねぇ」

 

「はい。先生みたいに上手になりたくて、いっぱい練習しましたから」

 

「そう。えらいわねぇ」

 

「えへへ♪」

 

諸葛亮は水鏡に頭を撫でられ喜んだ、鈴々はじっと見ていた。それから数分後・・・関羽は寝間着に着替えさせケガした片足を動かさないように吊るし上げられた状態で横になっていた。

 

 

 

「寝間着に着替えさせ水鏡殿。手当てをして頂いたのはありがたいが、ここまでしなくとも」

 

「何を言っているんですか。骨が折れなかったことが幸運なぐらいなんですよ。動かさないようにしないと」

 

「そうですよ」

 

「しかし、これでは厠が・・・」

 

「大丈夫!おしっこしたくなったら鈴々が厠まで負ぶって行ってあげるのだ」

 

「あら。そんなことしなくても・・・ちゃんとこれが有りますから」

 

「えぇっ!?」

 

諸葛亮がベッドの下から取り出したのは寝たままの病人が尿をするために使う容器(尿瓶)いわゆる「おまる」だった。

 

「催したくなったら遠慮なく声を掛けて下さいね」

 

「い、いやぁ。それはちょっと///」

 

照れくさそうに返事を返す関羽

 

「む~」

 

その様子を見ている鈴々は諸葛亮をちょっとばかり睨んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外はすっかり暗くなり、夕飯の時間となった。

 

「おぉ!これはうまそうだ!」

 

鈴々に肩を借りて関羽は席につくと、目の前にはおいしそうな料理が出来上がっていた。

 

「今日の夕食は朱里が作ってくれたんです」

 

「ほう、孔明殿は料理も出来るのか」

 

「お口に合うといいですけど」

 

「さあ、いただきましょう」

 

「「「「「いただきます(なのだ)」」」」」

 

〈パクッ モグモグ〉

 

「うまい」

 

「おいしいのだ」

 

「おいしい」

 

「良かったぁ」

 

勇作達の口に合い孔明は安心し笑顔になった。

 

「しかし、その年でちゃんとした料理が作れるとは。それに比べて鈴々は食べるばかりで」

 

ジト目でにらむ関羽に対し、大量におかずをほおばってた鈴々が反論する。

 

「むっ。鈴々だって料理ぐらいできるのだ」

 

鈴々は顔を背けながら言った。

 

「ほう?では、どんな料理が作れるのだ?」

 

「お、おにぎりとか・・・おむすびとか」

 

「両方とも同じものだよ。鈴々」

 

しかし実際に何が出来るかと言えば、レベルが低めのものばかり。勇作が指摘した後に皆、可笑しくて笑った。

 

「な、何で? 何で皆笑うのだ!」

 

鈴々は恥ずかしくなってそれを誤魔化すためさらにご飯を口にいっぱい入れた。そんな鈴々を見て、再び笑った。

 

「(それにしても、伏龍と言われた軍師、諸葛亮とこんな所で出会うとはなー)」

と思いながら、料理を食べていた


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