TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第二十席 勇作、星とはぐれるのこと

董卓達と別れ、次の村を目指し森の中を歩いている勇作達一行。しかし、一行の間には気まずい空気が漂っていた

 

「なぁ、星。さっきの事、まだ怒っているのか?」

 

関羽は不機嫌な態度で後ろを歩く星に声を掛けるが、

 

「別に怒ってはいない。ひどく不機嫌なだけだ」

 

目を合わそうとせず、素っ気なく返してくる。

 

「やっぱり怒っているではないか・・・お主が厠に行っている間にメンマを食べた事は謝る。このとおりだ」

 

「・・・」

 

星は謝る関羽を見ずにそっぽを向いたままである

 

「いやぁ、ほら。ずっと残していたからてっきり嫌いなのかなぁと思ってつい・・・なっ?」

 

「うんうん」

 

関羽の言い訳に頷く鈴々

 

「そうではない」

 

「「ん?」」

 

「大好物だったから最後に食べようと思って大事に取って置いたのだ」

 

「(確かにいるな・・・そういう人・・・)」

 

勇作は星が不機嫌になった原因が起こった飯屋の事を思い出す

 

 

 

 

 

 

 

それは森に入る前の飯屋で一同がラーメンを食べていた時のことだった。

 

『ぷはぁ、美味しかったのだ~♪』

 

『ぷはぁ、ご馳走さま♪』

 

食べたラーメンに満足している関羽と鈴々。

 

すると鈴々が、

『あれ? 星、メンマ残しているのだ』

 

星の器に残っているメンマに気付いた。

 

因みに星は二人より先に食べ終えて厠に行っている。勇作は水を飲みに店を出でいる。

 

『此処のメンマ、美味しいのに勿体ない』

 

『だったら、鈴々が食べるのだ』

 

『では、私も』

 

《パクッ モグモグ》

 

『『ぷはぁ、美味しかった♪(のだ♪)』』

 

二人は星の器からメンマを取って食べてしまった。その後にちょうど星が厠から戻って来た。

 

『あああぁぁぁっ!!』

 

星がメンマの無い器を見て叫び声をあげた。

 

《ギロッ!!》

 

『『っ!!』』

 

星に本気の睨まれた二人は驚いた。これが星の不機嫌になっている原因である。

 

 

 

 

 

 

そして、今に至る。

 

「・・・メンマ」

 

飯屋の事を思い出したのか、眉間に皺を寄せてボソッと言った星。残りの二人はというと、

 

「鈴々。お前が食い意地が張った事をするから」

 

「愛紗だって、食べたのだ」

 

「だから、それは」

 

責任の擦りつけ合いをいしていた。

 

「「うっ!?」」

 

「・・・(ジー)」

 

二人は視線に気づき、振り返ると星が冷たい目で見ている。

 

「そ、そうだ。次の村に着いたら、またラーメンを食べよう。今度は私のメンマをやるから」

 

「鈴々のも食べていいのだ」

 

二人は何とか、星の機嫌を取ろうとするが、

 

「人とメンマは一期一会。あの時のメンマはもう戻って来ない」

 

「「はぁ・・・」」

 

変に芝居染みた言い方をしてくる星に二人はため息をし肩を落とした。

 

 

「星」

 

と勇作が話し掛けた。

 

「何ですかな?」

 

「その辺で二人を許してくれないかな? 二人共、深く反省しているから」

 

「・・・どうですかな?」

と言いながら、星はジト目で二人を見る。

 

「高杉殿の言う通りだ。本当にすまない、星」

 

「鈴々もごめんなさいなのだ」

 

二人は再び、星に謝る。

 

「こう言っているし、許し上げてくれないか?」

 

「・・・しかし、勇作殿」

 

「お願いします・・・」

 

「・・・・・・・・・」

と星はしばらく考えていると

 

「愛紗、鈴々よ」

 

星が顔をあげた。

 

「今回は、勇作殿に免じて許そう。しかし、次は気をつけるのだぞ」

 

そう言って、星の機嫌は戻り歩きだした。

 

「良かった」

 

「高杉殿。ありがとうございます」

 

「ありがとうなのだ、お兄ちゃん♪」

 

「良いんですよ。それより、二人共。今度は気をつけような」

 

「はい」

 

「もちろんなのだ」

 

「じゃあ、行きますか」

 

勇作達は星を追いかけるように歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「別れ道か」

 

「どっちに行ったものか?」

 

勇作達の目の前には左右に別れ道があった。

 

「こんな時は鈴々におまかせなのだ!」

 

と、鈴々が前に出て蛇矛を地面に軽く立てる。そして手を離して強く念じると

 

〈ガシャン〉

 

「あっちなのだ!」

 

倒れた〈蛇矛〉の先は右の道に倒れた。

 

「そちらに行ってみますか。星、お主もそれで良いよな?」

 

「構わぬぞ」

 

勇作達は右側の道を歩き始めた

 

 

 

しばらく歩いていると

 

「勇作殿」

 

と星が話しかけてきた

 

「ん?」

 

「・・・一つ貸ですよ」

 

「えっ!?」

 

「本当は許せませんでしたからな・・・」

 

「そ、そうなんですか・・・」

 

「そこでなんですけど・・・」

と笑みを浮かべらがら

 

「一つだけなんでも言うことを聞いてくれるということでよろしいですかな・・・」

 

「え?」

 

「良いですな・・・」

 

「(ま、いっか)はい」

 

「・・・ふふ」

 

「(何なんだろう?)」

 

 

 

 

 

歩いていると

 

「霧が出て来たな」

 

「どんどん、濃くなっていくのだ」

 

「(これでは“キリ”がない。てか・・・)」

 

数分後、霧が辺りを覆い始めた。

 

「まずいですね。これでは道を外れても分かりませんよ」

 

「注意して歩かないといけませんね」

 

霧が予想以上に濃くなり視界が見えなくなってしまった。

 

「鈴々、待て!」

 

「一人で先に行くな」

 

「星はどうしたのだ?」

 

「「えっ!?」」

 

一人で先へ進む鈴々の肩を掴む勇作と関羽。鈴々は二人の方に振り向くと星が居ない事に気付き、二人も後ろに振り向くと星の姿が無かった

 

「星!」

 

「星、何処だ!居るなら返事をしろ!」

 

〈・・・〉

 

二人は呼び掛けるが、星の声は聞こえない

 

「(近くにいないか・・・)」

 

「いかん、どうやら星と逸れてしまったようだ!」

 

「探すのだ!」

 

「ま、待て!二人共」

 

気配を探そうとする勇作だが関羽と鈴々が慌てて動いてしまった。

 

「星! 返事をしろ!」

 

「星~! 何処なのだ~!」

 

「関羽殿!鈴々!この霧の中を動くのはダメ「きゃあぁぁぁ!!」・・・関羽殿!」

 

勇作が二人を止めるように言うとした瞬間、関羽の悲鳴が聞こえた。

 

「関羽殿!何処ですか!」

 

「高杉殿!」

 

勇作は悲鳴の聞こえた方へ足元に注意しながら急ぐと下から声が聞こえた

 

「気をつけて下さい! 崖になっています!」

 

足元を見ると少し崖になっていてその下に関羽が座り込んでいた。

 

「関羽殿!」

 

急いで勇作は崖を下り、関羽に掛け寄った。

 

「大丈夫ですか?」

 

「大丈・・・うっ!」

 

立とうした関羽が足首に手を当て、座り込んでしまった

 

「どうしました?」

 

「くっ・・・どうやら足をくじいたようだ・・・」

 

「大丈夫ですか・・・」

 

「お兄ちゃん! 愛紗!」

 

「鈴々、崖になっているから気をつけろよ!」

 

「わかったのだ」

 

勇作より少し遅れて鈴々が崖を下りて来た。

 

「ど、どうしたんのだ?」

 

「足をくじいたらしい・・・」

 

「えぇ!?・・・ど、どうしよう・・・・・・」

 

「この霧ではどうにもならない。下手に動かずじっとしていよう」

 

「はい」

 

「わかったのだ」

 

勇作達は霧が晴れるまで、その場を待機する事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃。逸れた星は、

 

「・・・・・さて、勇作殿に何をしようか・・・・・・ん?あれ?」

 

ぶつふづ言いながら、霧の中の道を歩いていた星はやっと自分がはぐれた事に気づいたところだっだ


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