TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第十八席 勇作、トントンの正体を知るのこと

勇作達は呂布に話を聞くため、洞窟の前で焚火をするかのように円となって座り、勇作は呂布に昨夜拾った犬の装飾品を渡した。

 

「村人に食べ物を貢がせていたのは、犬のエサにするためのですか・・・」

 

「自分でエサ代を稼ごうとした事もあったけど・・・///」

若干顔を赤らめる呂布が言うには・・・

 

 

 

 

 

それはメイド喫茶で働いていた時だった。

 

〈ガラガラッ〉

 

『あ、あの・・・・・・・・・・』

 

『お帰りなさいませ、ご主人様』

無表情な呂布の接客に入ってきた客は気まずい顔をした。

 

注文取りにおいても、

 

『ええと、俺、炒飯と餃子ね』

 

『俺も同じの。ただし、炒飯は大盛りで』

 

『俺は坦々麺。あと、春巻も』

 

『俺は、回鍋肉に白飯。それから玉子スープ』

 

『・・・・・・・・・コクッ・・・・・・・・・ラーメン四丁』

 

『『『『えぇ!』』』』

 

と言った具合で、仕事が続く訳が無くクビとなった。

 

 

 

 

「全然、ダメダメなのだ」

 

「お前が言うな」

 

前科のある鈴々が言える事では無いと、関羽がツッコム。

 

「しかし、子犬一匹飼うのにあれだけの食べ物はいらぬだろう?」

と星が言うが

 

「それは、どうかな・・・」

 

「どういう事ですか?」

 

「呂布、一匹だけじゃないんだろ・・・」

 

「え?」

 

「・・・・・・・コクッ」

 

呂布は口笛を吹くと、洞窟の中から二十匹近くの犬達が出て来た。

 

「こ、これは確かに」

 

「友達、たくさん。皆捨てられたり、怪我したりかわいそうで、ほっとけなかった」

 

呂布は自分と同じ赤いスカーフをした犬を抱き、暗い顔をした。そんな呂布にどう声を掛けるべきか、悩んでいると馬のいななく声が聞こえた。

 

「(誰だ!?)」

 

「あっ! 月っ!」

 

「あら、詠ちゃん」

 

近くに馬を止め、賈駆が駆け寄ってきた。それに気付き、トントンも立ち上がる。

 

「あら、詠ちゃんじゃないっ! 連絡が来るまで僕がどれだけ心配したか」

 

「ごめんなさい」

 

「下々の声を直接聞きたいとは立派な事だけど、もし危ない目にでも遭ったりしたら」

 

「それなら大丈夫。今回はこの方達に助けて貰ったから」

 

トントンは勇作達の方を向いて言った。

 

「って、 危ない目に遭ったの!?」

 

「うん、少しだけ」

 

「えぇ!?」

 

「お取り込み中、申し訳ないが、お主は一体?」

 

話が全く分からない関羽が声を掛けた。

 

「我が名は賈駆、字は文和。こちらにおられる太守の董卓様にお仕えしている者だ。」

 

「「「えぇ!?」」」

 

「(なっ、何!?、この子が董卓だと!?)」

 

関羽、鈴々、星はトントンがまさかの太守だと知り驚愕した。勇作も正体を知り驚いてた。驚くのも無理はない。自分の思っている董卓と全然違うのだから

 

「それで、化け物の件は?」

 

「もう解決しちゃった♪」

 

「ああ、そう」

 

笑顔で答える董卓に拍子抜けの賈駆であった。

 

 

 

 

 

 

董卓の屋敷

 

やがて一同と呂布、そして庄屋は屋敷に招かれた。

 

「皆さん、お待たせしました」

 

しばらくして現れたのは・・・高貴な衣装を身に纏ったトントン、改め董卓だった。その高貴な中にも清純なたたずまいに、一同も感嘆の表情になる。

 

「なるほど、そう言うことでしたか」

と庄屋は今までの董卓の行動に納得していた

 

「確かに呂布さんのした事は良くない事です。ですが、それは全て傷つき捨てられた犬達を救うため、決して悪心から出たことでは無いのです。門前の岩もすぐ退けますし、出来る限りの償いをするそうです。そうですよね、呂布さん?」

 

「・・・・・・・・コクッ」

 

呂布はしっかりと頷いた。

 

「分かりました。既に本人からも謝って貰ったことですし、村人からも私の方から話をして見ましょう」

 

「そうして頂けると助かります・・・・・・・・・・所で、詠ちゃん。役所では、化け物が出て困るという訴えを取り合わなかったとか」

 

「えぇと、それは」

 

ふと、役所での一件で賈駆を叱る董卓。

 

「董卓さま、その事は既に済んだ事ですので」

 

「いいえ、良くありません。どんな些細なものであれ、民の訴えを疎かにせぬのが政の基本なのですから」

庄屋の言葉も構わず、董卓は知らないところで起こっていた自分の失態を反省している。見た目はか弱い少女ではあるが、太守としての風格を醸し出している証拠だった

 

「かしこまりました。今後、そうした事がないよう全ての役人に厳しく申し付けます」

 

「良いでしょう。それから・・・・・・・・・」

 

董卓は扉の前に居る犬達に顔を向けながら言い出した。

 

「あの子達、私の所で飼ってあげる訳にいかないかしら?」

 

「って、あの犬全部を!?」

 

董卓の要求に驚く賈駆。董卓は手を組み、お願いをする。

 

「詠ちゃん。この間から最近、街の治安が悪いのは、警備の兵士が足りなからだって言ってたでしょ? だから、あの子達をちゃんと躾けて街の警備の手助けをして貰うの。どう良い考えでしょう?」

 

「そりゃあ、ちゃんと躾ける事が出来れば泥棒除けにはなるかもしれませんが・・・・・・・・・・・」

 

「それなら、大丈夫。呂布さん、犬達の躾けお願い出来ますか?」

 

「・・・・・・・・・・コクッ」

 

董卓の問い掛けに頷く呂布。

 

「待って、月! 僕はまだ飼って良いとは・・・・・・」

 

「ダメ、なの?(ウルウル)」

 

「うっ」

 

潤んだ瞳で賈駆を見上げる董卓。

 

「お願い・・・・・・(ウルウル)」

 

「うっ、いや、それは」

 

呂布と犬達も一斉に賈駆を潤んだ瞳で見詰める。

 

「・・・・・・・・分かった。飼うよ~」

 

「詠ちゃん! だぁ~い好きぃ♪」

 

了承を得た董卓は賈駆に抱き着き、頬ずりをする。

 

「ちょっ、月! だぁ~い好きって・・・・・・・・・・・・い、言っとくけど、こんな無茶なお願いは今回だけだからねっ! 本当にもう絶対に・・・・・・・・・・ちょっと、何だ!?」

 

突然、無言で抱き着き、頬ずりをする呂布に賈駆は戸惑った。

 

「きっと、お礼の気持ちを表しているのだ」

 

鈴々が何も言わない呂布に代わって言った。

 

「って、だったら口で言え!・・・・・・・・・懐くなっ!」

 

ずっと賈駆に頬ずりを董卓と呂布にその場に居た皆は笑いあった。

 

「(ま、これでめでたし、めでたしだな。・・・・・・それにしても、呂布と董卓と会うとは・・・・今までで、一番驚いたかも・・・)」

と勇作が思っていると

 

「・・・ん?」

と賈駆に抱き着いていた呂布が近づいてきた

 

「どうしたの・・・」

 

「・・・・・・・やろう」

 

「何を?」

 

「・・・戦いの続き」

 

「・・・・・・・・・・え?」


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