TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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遅れてしまいすいません

では、どうぞ


第百三十席 群雄、于吉を討たんとするのこと(中編③)

「新たな肉体だと」

 

「そうだ!」

 

「張繍!一体どういうことだ!?」

 

「いいでしょう…冥途の土産に教えてあげましょう」

 

張繍は語りだす

 

「確かに私はあの時に処刑された……だがあのお方のおかげで私は再び戻ってきたのだ」

 

「偽劉備のことか…」

 

「そうだ!あのお方の言うには南蛮の孟獲が悪霊を呼び出し、象にとりつかせる秘術をしていたらしい」

 

「孟獲が?」

 

「それを見たあのお方は、同じ秘術を行った。そして私は新たな肉体を得て蘇ったのだ!」

 

「そんな…信じられない」

 

「何の目的で俺を蘇らせたかは知らないが、貴様に復讐できるならなんでもよかった。それに太平要術のおかげで力も手に入れたからな」

 

「……」

 

「さて、曹操よ」

 

両手に持った大きな鎌を構える張繍

 

「貴様の首…もらい受けるぞ」

 

「華琳様!今、行きます」

 

夏侯惇らが助けに向かうが

 

「貴様らの相手はこいつらだ!」

 

兵馬俑がその前に立ちはだかる

 

「邪魔をするな!」

 

夏侯惇が兵馬俑の一体に切りかかるが

 

ガチン

 

「なっ!何ぃ!」

 

片手で受け止めてしまった

 

「放せ!」

 

何とかしようとするが一向に離れる様子がない

 

「姉者ぁっ!おのれ!」

 

夏侯淵は3本の矢を放つが

 

バシ!バシ!バシ!

 

別の兵馬俑がそれを素手でキャッチした

 

「なっ!何だと!」

 

「無駄だ!」

 

張繍が叫ぶ

 

「そいつらは今までの兵馬俑とは違う!かなりの妖力によって強化されている。五千ほどしか動かせないが、そいつらは呂布と同等の強さになっているぞ」

 

「なんだと!!」

 

「呂布の強さはお前たちが一番知っているはずだ!五千人の呂布をお前たちに倒せるかな」

 

そういうと一部の兵馬俑が動き始め、曹操軍の兵を蹴散らしていく。その光景はまさに呂布と同等

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時を同じくして別の場所

 

「ふふふ、無様だな…孫策よ」

 

孫策陣営でも危機に瀕していた

 

「孫静!」

 

「貴様らを殺し!私が孫家の頂点に立ってやる」

 

「叔母上!なぜこんなことを」

 

孫権が問いかける

 

「孫策のやり方は間違っておる!!どれだけ多くの物を得ようとも、そのために流されたおびただしい血がいつか孫家に綽名すからだ!」

 

「……」

 

「そのために私は孫策の暗殺を決意したのだ!だが!」

 

孫静は周瑜を睨みつける

 

「周瑜!貴様のせいですべて台無しになってしまった!」

 

「……」

 

「だがあのお方が好機を与えてくれた」

 

「偽劉備のことね」

 

「そうだ!死んだ私をあのお方は蘇らせてくれた。南蛮の秘術をつかってな……そして私に力を与えてくれた」

 

「孫静様」

 

「どうやって蘇らせてたかは知らないが…貴様に復讐できるなら何でもよかった!」

 

「叔母上!」

 

「孫権よ!そちも同じであろう!ならば私と一緒に」

 

「断る!!」

 

「何っ!!」

 

「私は姉様とは戦わない!」

 

「なぜだ!?お前も孫策のやり方に疑問を持っていたはずだろう」

 

「それでも私は姉様を信じます!これが孫呉のためになるなら」

 

「……なら貴様も殺す」

 

影から黒い手を孫権に伸ばす孫静

 

「やらせない!ハァァーーーーッ!!」

 

孫策は黒い手を切り落とす

 

「無駄だ!」

 

切り落とされた黒い手は影の中に消え、そして影からまた生えてきた

 

「私を倒さない限り、こいつらは無敵だ」

 

「なら、貴様を倒すまで!ハァアッ!!」

 

黄蓋は矢を放つ

 

「……ふっ」

 

于吉の時と同様に見えないバリアは阻まれるように、威力を失った矢はその場に落ちる

 

「私にそんな物は効かない」

 

「くそ!」

 

「貴様らはこいつらの相手でもしていろ」

 

そういうと兵馬俑を動かす

 

「くそ!こいつら」

 

「(妖力の大半を黒い手に使っているために、張繍が操る兵馬俑の強さには及ばないが、それでも孫策に匹敵する強さを秘めている)」

 

「さあ、かかれ!」

 

 

 

 

 

「ふふ、始まりましたね」

 

偽劉備は于吉が座っていた椅子に座り、テーブルの上にある水晶を見ている

 

「さて、無事に辿り着きますかね」 

 

『よくもやってくれましたね』

 

偽劉備の正面に半透明の于吉が現れた

 

「感謝はしているよ…于吉」

 

『何をふざけたことを言っているのですか!恩を仇で返す真似をして』

 

「どのみち…貴方は死んでいたんです…。それを俺が終わらせただけですよ」

 

『なぜ太平要術は貴様のような奴に』

 

「それは俺が選ばれた人間だからだよ」

 

『違いますね』

 

「何?」

 

『貴方は決して選ばれた人間ではない……せいぜい操り人形がお似合いだ』

 

「黙れ!黙れ!!アイツさえいなければ義勇軍も関羽も他の女もすべて俺の物になっていたんだ!」

 

『自分でまいた種ですよ…こうなったのは』

 

「うるさい!どのみち貴様には何もできない!とっとと去れ!」

 

『わかりました!せいぜい頑張ってくださいね』

 

そういうと于吉は消えた

 

「……」

 

偽劉備は水晶を操る

 

「……やはり来たか」

 

水晶に勇作が馬に乗って、こっちに向かってくる姿が映る

 

「呪いで苦しいはずなのに、がんばりますね」

 

右眼を押さえ、兵馬俑を倒しながら向かってくる

 

「貴方は私がこの手で」

 

 

 

 

 

 

そしてとある場所では

 

「……くるしそうね」

 

「そうだな……」

 

「しかしあの二人に行かせて大丈夫なのか」

 

「大丈夫よ…それは私が保証するから」

 

「もう一人の方を心配しているのだ。…あいつは………の力を持っている。この世界では強すぎる力だ。最悪の場合、恋姫たちと敵対する恐れがあるんだ……あの力は」

 

「心配しなくていいわよ…ご主人様がいるから」

 

「……しかし」

 

「それより、貴方はお弟子さんの心配をしていなさい。万一のために準備していなさい……お弟子さんとあの子たちの幸せを願うならね」

 

「………わかった」

 

二人の人物はその場を後にする

 

「……死ぬなよ。勇作」




今年、最後の投稿です

年内にOVAも投稿できるよう頑張ります

では、よいお年を

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