TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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遅くなってしまい申し訳ございません

今後ペースを上げていけるようにがんばります

では、どうぞ


第百二十八席 群雄、于吉を討たんとするのこと(前編②)

「う…うう…」

 

戦闘が始まった頃、勇作は後方の陣営で休んでいた

 

「くそ!あの仮面の奴が現れてから、また調子が……」

 

かなり苦しい様子のようだ

 

「大丈夫かな……」

 

そんなことを考えていると

 

「無様だな」

 

「!!」

 

声がした方に視線を向けると

 

「貴様は!」

 

あの白装束を着た人がいた

 

「なぜここに」

 

立ち向かおうとするが

 

「ぐっ!」

 

右眼を押さえてうずくまってします

 

「貴様をここで殺すのは簡単だが、今は主の命令でこれを取りに来ただけだ」

 

その手にはあの妖刀が握られていた

 

「返せ!それは俺の」

 

「違う!貴様の物ではない!主の掛けた呪いの影響で欲しがっていただけだ」

 

「なんだと!!」

 

「まあ、せいぜい苦しむんだな」

 

そう言ってその場から立ち去る白装束の男

 

「まっ…て」

 

手を伸ばす勇作だが、止める事が出来なかった

 

「……」

 

その様子を別の人物が見ていた

 

「(………すまない。ワシが干渉することは許されないんだ……)」

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

連合軍と于吉率いる兵馬俑の戦は激化していた

 

「ええい!手数の掛かる」

 

馬上から夏侯惇が兵馬俑を切る

 

「これでは十万どころが三十万以上を相手にしているようなものだぞ」

 

兵の一人が兵馬俑に切られそうになるが

 

ガチン!ガチン!ガチン!

 

夏侯淵が矢で兵馬俑を倒す

 

「華琳様が予想された通りだ…これでは兵の体力が持たぬ。戦が長引けば」

 

すると後ろの方で太鼓が鳴る

 

「一の軍引けぃ!二の軍に代わり拠点で体を休めよ」

 

「どうです…兵馬俑の恐ろしさ。身に染みて頂けましたか」

 

于吉は水晶から連合軍の様子を見ていた

 

「引けぇ!引け引け!」

 

「おやおや…江東の小覇王も退却ですか…右翼!追撃して叩け!」

 

 

 

 

「呂蒙!敵の右翼を連れてきたぞ!」

 

孫策軍は敵を谷に引き付けた

 

「まだまだ敵を十分引き寄せて…」

 

谷の上にいる呂蒙が敵の位置を確認し

 

「今です!!」

 

兵に指示し銅鑼を鳴らす

 

「よく来たな!土人形ども!」

 

谷の上から黄蓋軍が

 

「我が軍の強さ!思いしれ!」

 

反対の谷の上から孫権・甘寧軍が現れた

 

「かかれ!!」

 

 

 

「はっ!!」

 

曹操も馬に乗って、兵馬俑と戦闘を繰り広げていた

 

「だあああああ!!」

 

許緒も自慢の武器で兵馬俑を蹴散らしていた

 

「頼もしいわね…許緒」

 

「あ…ありがとうございます。曹操様」

 

姿勢を正し、お礼を言う許緒

 

「ご報告します」

 

「ん?」

 

すると典韋が曹操の元にやってきた

 

「袁紹軍と公孫瓚軍が後退を始めました!」

 

「うむ…まずは予定どおりね」

 

 

 

 

空の上から敵の様子を見ていた周泰が

 

「敵本隊が誘いに乗ってきた」

 

懐から鏡を取り出し、合図を送る

 

「…あっ!」

 

木の上にいた陳宮がそれに気づき、木の上から降りる

 

「孔明!合図があったのです!」

 

「…わかりました」

 

朱里は水鏡先生からもらった羽毛扇を持ち

 

「(水鏡先生…私に力をお貸しください)」

 

馬車から号令する

 

「出陣!!」

 

陳宮が銅鑼を鳴らし、待機していた部隊が于吉目掛けて進む

 

「伏兵とは小癪な…」

 

水晶でその様子を見ていた于吉は

 

「前衛は敵中央を突破して、そのまま洛陽を落としなさい。本隊は進軍停止…ここで伏兵部隊を迎え撃つ」

 

 

 

「いよいよだな」

 

馬車の中では愛紗、鈴々、華佗、桃香と荷物が待機していた

 

「いよいよなのだ!」

 

「どうした?かなり緊張しているようだが」

 

桃香は緊張しているのか、顔を下に向いている

 

「大丈夫…手筈どおりにやれば必ずうまくいく」

 

「ド~ンと大船に乗った気でいるのだ」

 

「鈴々…それをいうなら……いやそれであっているのか」

 

「……」

 

顔を上げる緑色の仮面を着けた桃香

 

 

伏兵部隊は兵馬俑を蹴散らしながら進軍し

 

「恋は戦う…月のため、陳宮のため…そして守りたい者の為に」

 

「兵馬俑か競馬場か知らんが、守るべきもののために振るう刃ちゅうもんだどれほど響くもんか試させてもうで!」

 

「一の陣!開け!」

 

呂布軍と張遼軍が左右に分かれ道を作る

 

「名も無き土人形よ!名が主の名を貶めた罪!我が戦友を苦しめた罪!その身で贖ってもらうぞ!」

 

「皆!愛しき者を愛する心で結ばれた青洲兵の力!見せてやるの!」

 

「「「「ハッ!ハッ!ハッ!!」」」」

 

「二の陣!開け!」

 

華雄軍と于禁軍が左右に分かれ道を作る

 

「母の愛を知らぬ土くれどもよ!この黄忠の矢を受けて母の強さを知るがいい」

 

「例え師弟の縁は切ったとしても、わが娘と思う焔耶の露払い!この厳顔が務めさせてもらうぞ!」

 

「三の陣!開け!」

 

黄忠軍と厳顔軍が左右に分かれ道を作る

 

「我が心の師より受け継いだ!鈍砕骨の威力…その身で味わいたい奴は前に出ろ!」

 

「我こそは西涼の馬超が従妹…馬岱!命を預けて悔いのない…友と共に振るう槍の力…思い知れ!」

 

「四の陣!開け!」

 

魏延軍と馬岱軍が左右に分かれ道を作る

 

「我こそは西涼にその名に高き錦馬超!」

 

「そして常山の趙子龍!」

 

「強き絆で結ばれた」

 

「我らが友の三姉妹」

 

「行く手を塞ぐ敵あらば」

 

「屍山血河を築いても」

 

「「勝利への道!切り開こうぞ!」

 

「五の陣!開け!」

 

馬超軍と趙雲軍が左右に分かれ道を作り、その間を馬車が走り抜ける

 

「于吉!覚悟!」

 

紫苑が于吉に向けて矢を放つが

 

バーーーン

 

見えないバリアは阻まれるように、威力を失った矢はその場に落ちる

 

「あはは…無駄なことを」

 

「「「あっ!?」」」

 

その光景に驚愕する朱里、楽進、陳宮

 

「矢が通じぬ!」

 

「妖術の力…恐るべしなのです!」

 

すると馬車が目的の場所に着き、止まる

 

「着いたのです」

 

着くと同時に、愛紗、桃香、荷物を背中に背負った鈴々が降りる

 

「気を付けてなのです」

 

「心得た!……鈴々、我らの使命は姉上を于吉の元に運ぶこと!わかっているな」

 

「合点承知なのだ」

 

于吉の元に向かう三人

 

「囲まれたのです!」

 

兵馬俑に囲まれる馬車

 

「任せておけ!お主らには指一本触れさせはせん!」

 

「我が身に受けたあまたの傷は、戦場で一歩も引いたことにない証!嘘だと思うのなら掛かってこい」

 

華佗と楽進が朱里、陳宮を守るため、兵馬俑の前に立ちはだかる

 

「鈴々!前は頼んだぞ!」

 

「わかったのだ」

 

兵馬俑を倒しながら前に進む三人

 

「ここを登って、お前らの大将を助けたければ…この燕人張飛を倒してみろなのだ!!」

 

「急いで!……この先へは一歩も通さなん!我らの希望!この関雲長が守ってみせる!」

 

劉備は于吉の元に行き、愛紗と鈴々は七星壇の階段の前に立ちふさがる

 

 

 

同じころ

 

「おりあぁぁぁ!!」

 

曹操軍の一人の兵士が奮闘していた

 

「せいやー!!」

 

次々と兵馬俑を倒していく

 

「(あれを使えばもっと楽なんだけどな~)」

 

そう思っていると

 

「見事ね」

 

「(ん?げっ!?)」

 

声がしたほうに視線を向けると曹操がいた

 

「貴方…名前は?」

 

「…名乗るほどの者ではありません」

 

「いいから答えなさい」

 

「……」

 

「答えられないの?」

 

「今は……」

 

「そう…今は聞かないでおきましょう」

 

「どうも」

 

「(我が軍にこれほどの兵がいたとはね…顔を隠しているようだけどなかなかの者ね)」

 

「(めんどくさいことになった)」

 

 

別の場所でも

 

「うぉおおおおっ!!」

 

孫策軍の一人の兵士が奮闘していた

 

「やぁああああっ!!」

 

次々と兵馬俑を倒していく

 

「(いつもの修行に比べれば楽だな)」

 

そうして敵を倒していく

 

「へえ~」

 

「見事だな」

 

その様子を孫策と周瑜が見ていた

 

「なかなかやるわね」

 

「そうだな。我が軍にあれ程の者がいるとは…」

 

「どこの部隊の者かしら?」

 

「たしかにあれ程の者がいれば、我らの耳に入ってくるはずだが…」

 

「それは戦が終わったらにしましょう」

 

「そうだな」

 

例の二人がそれぞれの大将に目を付けられるのであった


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