TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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遅くなり申し訳ございません

2020年もよろしくお願いします


第百二十九席 群雄、于吉を討たんとするのこと(序章③)

 

「……」

 

「やられてしまいましたね」

 

水晶で張譲が倒される様子を見ていた于吉と偽劉備

 

「……」

 

「どこに行くのです?」

 

「奴を回収してくる…ついでに奴を戦に出ないようにする」

 

「そうですか……では気を付けて」

 

「……」

 

「さて私も準備しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして勇作は

 

「……ふっ!」

 

気絶した張譲をキャッチし、無事に着地した

 

「……やべ」

 

落ちてくる兵馬俑の塊を見て、急いでその場から離れる

 

「……捕まって」

 

途中で賈駆の乗っている馬の後ろに乗り、無事に脱出した

 

 

「……」

 

そして刀を一本抜き、それを見る

 

「……刃こぼれなし!」

 

安心した後

 

「……」

 

右腕を高く上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洛陽の門からその様子を見ていた桃香達

 

 

「やったぁあああ!!」

 

「お兄ちゃんの勝ちだ!!」

 

桃香と鈴々は飛び上がって喜ぶ

 

「……」

 

しかしほかの者たちはいまだにあの光景が信じられず、思考が追い付いていなかった

 

「どうしたのだ?」

 

「い、いや……いまだに信じられなくて」

 

「もう何言っているのだ!お兄ちゃんはすごいのはみんなだって知っているはずなのだ!」

 

「そうだけどさ……」

 

「ああ…」

 

勇作の強さを知っているものでさえ、思考が追い付いておらずいた。それどころか

 

「ご主人様って本当に人間なの?」

 

「え…そのはずだけど」

 

強すぎる勇作の強さに恐怖を抱いていた

 

「どうしたんですか?皆さん」

 

「あ…いや…」

 

「あれ?愛紗は?」

 

鈴々が周りを見るが、見当たらない

 

「あ、あそこ!」

 

たんぽぽが指差す方に視線を向けると、馬に乗って勇作に向かう愛紗が見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして勇作はというと

 

「何とかなったな」

 

「あんた…大丈夫?」

 

「何とかね……それよりこれどうする」

 

張譲を地面に置く

 

「もちろん連れてって行くわよ。たっぷり礼をしないと」

 

「そうか…じゃあ………ぐっ」

 

右眼を押さえ苦しみだす勇作

 

「どうしたの!?」

 

「目が…目が!!」

 

「しっかりしなさい!!」

 

「失礼ですけど……」

 

「「!!」」

 

「その人は返してもらいますよ」

 

そこにいたのは、仮面の男…もとい偽劉備だった

 

「あんたは!!」

 

「誰だ!あんたは……うっ!!」

 

偽劉備に近づこうとするが、さらに苦しみだす勇作

 

「いい気味だな!天の御使い!」

 

「なんだと?」

 

「本当はこの後の戦で貴方を殺すつもりでしたが」

 

偽劉備は剣を抜き、勇作に近づく

 

「今ここで、殺してあげます」

 

剣を振りかぶる

 

「死ね!!」

 

振り下ろそうとしたその時

 

「ん!?」

 

偽劉備は危機を察知し後ろに飛ぶ。…と同時にその場所に何かが刺さる

 

「これは?」

 

それは青龍偃月刀だった

 

「ご主人様!」

 

馬に乗って愛紗が間一髪の所で勇作を助けたのだった

 

「あ、愛紗」

 

愛紗は地面に刺さった自分の獲物を抜き、刃先を偽劉備に向ける

 

「貴様!ご主人様に何をした!!」

 

「ちっ!仕方ない」

 

偽劉備は張譲を抱える

 

「この場は引きましょう」

 

「マテ!!」

 

愛紗は光のない目で偽劉備を睨む

 

「ニガサナイ!!」

 

偃月刀で切りかかるが

 

「では、失礼」

 

消えてしまい、逃げられてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「どうですか?」

 

自営に戻った勇作は華佗に見てもらっており、愛紗達も一緒にいる

 

「やはり、呪いがひどくなっている」

 

「ひどくですか?」

 

「ああ、前に見たときは少し良くなっていたのだがな…」

 

「良くなったってどういう意味ですか?」

 

「昨日、劉備殿が宝剣を見せただろう。その時、光った剣を見て勇作が苦しみだしたことは覚えているな」

 

「ええ」

 

「あの後、勇作を診察したら少しだが…呪いが少しだが解けていたんだ」

 

「呪いが…」

 

「なるほど…少しだけど見聞色の覇気が使えたのはそれか」

 

「けどなんで?」

 

「おそらくだが、その宝剣には呪いを解く力があったからだと思う。悪しき力を打ち破る力があったからな」

 

「じゃあもう一度使えば…」

 

「それは無理だ!」

 

「えっ!」

 

「今、検査してみたんだが以前より勇作に掛けられている呪い強くなっている。さっきの方法ではもう」

 

「そんな…」

 

「でもなんで?」

 

「おそらくだが…関羽殿が言っていたあの人物が原因だろう」

 

「というと」

 

「その人物こそ勇作に呪いを掛けた人物」

 

「つまりその人物こそ于吉だったと」

 

「いや、違う」

 

「え?」

 

「ご主人様も気づいていたんですか?」

 

「ああ」

 

「どういうことです?愛紗?主?」

 

「あれは于吉じゃない。それは確かだ」

 

「はい……けど、あれは…」

 

「あれは?」

 

「以前にどこかで会ったような気がしてならないんだが」

 

「一体誰なのだ?」

 

「…わからないな」

 

「そんなことよりお兄ちゃんは大丈夫なのか?」

 

「呪い以外は異常はないが」

 

「よかったのだ!」

 

鈴々は勇作に抱き着く

 

「ありがとう……あとは頼むよ」

 

「わかったのだ!」

 

「御意!」

 

「任せて!ご主人様」

 

愛紗と鈴々そして桃香は返事するが

 

「……」

 

ほかの面々は返事はせず頷くだけであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張譲を連れ出した偽劉備は

 

「……ちきしょう!!」

 

張譲を連れ帰り、陣地に戻っていた

 

「おい!俺にもっと力をくれ!そうすれば次は……」

 

「……」

 

「どうした!?早く寄越せ!!」

 

「……」

 

偽劉備は張譲の顔に右手を翳すと

 

「……貴様は用済みだ!」

 

「何っ!…ぐぁああああ!!」

 

張譲の体から黒い氣が出て、偽劉備の右手を通して、吸収されていく

 

「何を…す……る…」

 

「言ったはずだ!用済みだと」

 

そしてすべての氣を吸収されるのであった

 

「貴様!!返せ!」

 

「うるさい!!」

 

ドガッ!

 

張譲のお腹を蹴り上げる偽劉備

 

「ゲホゲホ!!」

 

「され!本当は殺したいが、少しは役に立ったからな…命は助けてやる」

 

「ゴフっ」

 

「早くいけ!それとも殺されたいのか」

 

偽劉備が剣を抜くと

 

「くそっ!」

 

地面を這いずりながら、その場を去る張譲だった

 

「さて、準備は整った。覚悟しろよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして別の場所では

 

「いよいよだな」

 

「ああ」

 

洛陽で董卓の脱出を手伝った例の二人がいた

 

「じゃあ俺は曹操の兵に」

 

「俺は孫権の兵に」

 

「健闘を祈るよ」

 

「そっちこそ」

 

一人は曹操の兵士にもう一人は孫権の兵士に変装し、その場を後にするのであった


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