TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
関羽はずっと、天井を見つめていた。布団に横になっていれば、それは当然なのだが・・・・・・全裸になっている今の関羽には、そうでもしなければ落ち着かなかった。今から何をされるだろう・・・・・・その不安ばかりが、関羽の中で駆り立てていく。と・・・・・・曹操の影が見え、関羽は今一度曹操に聞いてみる。
「そ、曹操殿///本当にこれで馬超を///」
「約束は守ると言ったでしょ?」
そう言いながら寝巻を脱ぎ……同じく全裸になった曹操も布団の中に入る。思わず身体を背ける関羽・・・だが華琳は構うことなく、愛紗に近づく。
「っ・・・・・・!///」
「もしかして初めて・・・?」
「・・・・・・(コクコク)///」
「ふふ・・・ますます気に入ったわ・・・てっきり、もう・・・」
やがて関羽の背にピッタリとくっついた曹操は、関羽の身体を徐々に触り…遂にその手が大事な所へと伸びる
「っ・・・あぁ・・・!///」
「ふぅん・・・本当にシットリツヤツヤなのね・・・」
ここは勇作のいる天幕
「いってっーーーー」
と勇作は頭を押さえていた
「我慢していたけど、痛い」
勇作は、あの時、後ろから頭を殴られて、それで捕まってたのだ
「大丈夫か?」
「はい」
「そうか」
「(大丈夫かな・・・・・・・・・ん?)」
と勇作が何かを感じた
「(曹操の天幕には関羽殿と曹操の二人しかいないのに・・・もう一人の気配を感じる)」
と勇作は夏侯淵に聞いた
「あの、いいですか?」
「何だ!?」
「曹操殿の天幕に誰かを入れることは・・・」
「そんなことはない。今の状況では誰も入れない!」
「・・・でも、一人いますよ。曹操殿の天幕の中に・・・」
「なっ!?」
曹操が居る天幕
目を閉じ我慢している関羽の上に曹操は被さるような姿勢になった。
「ん///」
「ふっ、恐がることはないわ」
関羽は目を開け、曹操に顔を向ける……次の瞬間。
〈キラン〉
「きゃっ!」
「はぁ!」
天井に輝き見えた関羽は曹操を突き飛ばした瞬間、手に刃物を持った刺客が襲い掛かり関羽は寸前で刺客の攻撃を防いだ。突き飛ばされた曹操は起き上がり刺客の存在に気付いた。
「曲者だ!であえっ!」
刺客は関羽の上から飛び離れ煙り玉を投げ逃げた。
「華林さまっ!」
〈ボワン〉
煙りの中、入って来た夏候惇が急いで歩み寄る。
「華林さま、ご無事ですか?!」
「私は大丈夫だ!それより、賊を追え!」
「はっ!」
夏候惇は急いで兵士を引き連れ、賊を追った。
曹操の暗殺を失敗し、逃げている刺客の目の前に
「何処に行くの?」
勇作が居た
「!?」
「まさか刺客だったとは・・・」
「どけ!?」
と切りかかろうとするが
「眠れ!」
と睨み付けた。すると賊は気絶した
「とりあえず、捕まえておくか・・・」
と舌を噛み切れないように刺客の口に手ぬぐいを噛ませ、手足を結んでいる所へ夏候惇率いる部隊が追って来た。
「なぜ、貴方が?!」
「探していたら鉢合わせたので捕まえおきました」
「感謝します、高杉殿。連れて行けっ!」
「「「「はっ!」」」」
刺客を渡した勇作。兵士達は刺客を連れて行った。
曹操と関羽はガウンを羽織り、中心にある天幕に居た。
「華林さま」
「関羽殿」
そこへ勇作と夏候惇が入って来た。
「高杉殿、なぜ夏候惇殿と?」
「春蘭、賊は?」
「はっ!高杉殿が生け捕りにしました」
「なっ?!」
「え~そう」
勇作の功績に驚く関羽。勇作を見ながら笑みをする曹操。
「曹操殿、先程の刺客はいったい?」
「出る杭は打たれる。都では、私を煙たく想う者が多くてね、でもまさか、こんな所まで刺客を放ってくるなんて、油断したわ」
曹操が席を立ち、天幕から出て行こうとする。
「邪魔が入って興が削がれたわ、今夜はもう寝た方が良さそうね」
「あの、曹操殿」
「関羽、高杉。刺客の手より私を救い刺客を捕らえた事、礼を言うわ、褒美として馬超の命、助けてとらす」
「曹操殿!」
「ただし!私はまだ、あなた達の事は諦めていないわ、関羽のその美しい黒髪に高杉の武、必ず手に入れ見せるわ!だから、その時を楽しみにしていなさい」
曹操は勇作と関羽に背を向けたまま出て行く。
「春蘭、馬超を引き渡してあげて」
「かしこまりました」
夏候惇の案内で二人は馬超の元へ向かった。
夏侯惇に率いられ、勇作と関羽は馬超が囚われている天幕へと向かっていた。と、ここで関羽が口を開く。
「夏侯惇殿・・・一つ、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
「私に答えられることなら、なんでもいいぞ」
「その・・・曹操殿が馬超の父を手に架けたというのは、本当なのですか・・・?」
「俺も聞きたいです」
おそらく聞かれるだろうと分かっていたのか、夏侯惇は一旦足を止める。
「高杉殿、関羽殿。これから私は独り言を言う、あれは数年前・・・」
夏侯惇は「独り言」という形で当時のことを語り始めた・・・
「都で、何進大将軍の屋敷に招かれた時だった」
『曹操』
『何でしょう?』
『妾は、そなたの事を知謀の資と思うておったが聞けば、剣の腕も中々と』
『恐れ入ります』
『どうじゃ?この中の者と太刀おうて、その腕前を見せてもらえぬか?』
『大将軍の仰せとあらば』
立ち上がった曹操。しかし周りの人々は強さを知っているが故、誰も名乗りを上げようとしなかった。と、何進の目に酒を飲んで大分酔っている馬騰が止まる。
「馬騰殿、如何であろう?』
『お臨みとあらば』
『お待ち下さい』
馬騰が引き受け立とうとしたら曹操が止めた。
『お見受けした所、馬騰殿はかなり酔いが回られている御様子、座興とはいえ剣をお取りになるのは』
『何も、このぐらい飲んだ内には入らぬ』
そう言って立つ馬騰だがふらついており、尻餅をついてしまった。
《クスクスッ》
周りの者から笑い声が聞こえた。
『どうやら、曹操の言うように馬騰殿は少し酔わられているようじゃな、無理をせぬほうがよかろう』
『クッ!』
「満座の中で恥をかいたのを紛らすためか、その後、馬騰殿は浴びるように酒を飲まれ、宴が果てた後、供も連れず一人お帰りになられたんだが、その途中で・・・」
《ドサッ》
馬騰は馬から落ちてしまった。
「そこをたまたま、夜間の警備をしていた私の一隊が見つけたのだ、落ちた時に頭を強く打たれたのだろう、既に虫の息で・・・」
『酔って馬から落ちて死んだなどと永遠の恥、この事は内密にしてもらいたい』
「その場に居た者には堅く口止めしたのだが、どこかで見た者がおったのか、しばらくすると妙な噂が・・・」
「妙な噂?」
「そう、我が主が恥をかかされた腹いせに馬騰殿を襲わせたと」
「どうしてそんな?」
「我が主はその、少し誤解されやすい所があって、それでこうした事が起こると口さがない者共が悪い噂を立てるのだ」
「馬超はその悪い噂を信じてしまったと」
「そうだと思われる」
「しかし、それなら真実を明らかにせぬのだ!」
「そうですよ!」
思わず関羽と勇作が反論するが、夏候惇は慎重に答えた。
「私も何度かそう申し上げたのだが、我が主は『西涼にその人ありと言われた、馬騰程の武人が最期に口にした頼み、聞かない訳にはいかぬだろう』っと」
「・・・・・・」
「それに父の武勇を誇りに想う子に父のそんな死に様を知らせなかったかもしれん・・・はっ!いやっ、これはあくまで私の勝手な想像なのだが」
「しかし、それでは曹操殿が!」
「そういうお人なのだ、あの方は・・・」
「・・・・・・・」
夏候惇の話を聞いていた勇作が口を開く
「夏候惇殿」
「ん?」
「先程の独り言、馬超の前でもう一度してはもらえせんか?」