TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第百二十六席 程昱、策を話すのこと

勇作達が華佗の話を聞いていた同じ頃

 

「宮中での軍議。長引いているな」

 

曹操陣営では、夏侯惇が落ち着きのない様子でウロウロしている

 

「先ほど訪ねてきた華佗が、また厄介ごとを持ち込んだのでなければいいが」

 

「華佗って黄巾の乱の時、太平要術の話を持ってきた…」

 

「うん…嫌な予感がするな」

 

すると

 

「孫策軍より伝令!」

 

許緒が急いでやってきた

 

「西方より迫る軍勢あり!注意されたしの事」

 

「「なっ!!」」

 

「なんやて!!」

 

その報告に驚く曹操軍一同

 

 

孫策陣営では

 

「周泰!物見の増援の手配は済んだ?」

 

「はい!おうせの通り」

 

孫尚香が周泰に指示を出していた

 

「張り切っておるな…尚香殿」

 

「当然!姉様たちがいない時はシャオが指揮らないと……っで、次は何をすればいいの?」

 

「宮中で開かれている軍議の結果待ちじゃな」

 

「な~んだ…つまんない。じゃお茶にしましょう」

 

「は~い」

 

「すぐに用意しますね」

 

大喬と小喬は指示を受け、準備する

 

「甘寧様の報告を聞いて、連合軍の諸将は驚いたでしょうね」

 

「うむ」

 

 

桃香・勇作陣営では

 

「土人形15万を相手にこちらの手勢はたった3万」

 

「土人形が動くなんて不思議にゃ」

 

何進は孟獲を

 

「臆することはない。戦は数ではないからな」

 

「きっと土人形に悪霊が憑りついているのにゃ」

 

焔耶はミケを

 

「いや…戦は数じゃ。まともに戦っては連合軍に勝ち目はなかろう」

 

「そうにゃ!パヤパヤの時と一緒にゃ」

 

厳顔はトラを

 

「食べてみたいにゃ」

 

「えっ?」

 

「きっとエビの味がするにゃ」

 

紫苑はシャムを膝の上に乗せて会話をしていた

 

「なあ!鈴々の奴、慌てて劉備の剣を持ってたけど…どうしたんだ?」

 

そこに翠とたんぽぽがやってきた

 

「なんでも妖術を破るすっごい剣かもしれないとかなんとか…」

 

「え?」

 

「あの剣が?」

 

 

場所は戻り、会議室では

 

「……」

 

鈴々が持ってきた剣を桃香は鞘から抜く

 

「さあ、劉備殿!剣を掲げて悪を討たんとする思いを込めるのだ」

 

「はい!」

 

剣を構える桃香

 

「「「「……」」」」

 

その様子を見る他の連合軍の諸将

 

「ん!」

 

すると剣が光を放ちながら光りだした

 

「これぞ!まさしく伝説の竜の爪!」

 

華佗が歓喜し、ほかの諸将はその光景に驚いていた

 

「これがあれば妖術を打ち破り、于吉を倒せるやもしれんぞ」

 

「流石、中山靖王の末裔は伊達じゃないですね」

 

「この宝剣が手に入ったのは、きっとご先祖様のお導きに違いない」

 

「絶対そうなのだ!」

 

「ふむ」

 

「うん」

 

桃香は宝剣を見ながら

 

「(地に落ちた爪は、一本の剣となり…それを高貴な血筋に連なる者が手にし、強き思いを込めて振るう時、あらゆる悪しき力を討ち破り敵を貫く)」

 

すると

 

「ぐっ!!」

 

勇作が突然、右眼を押さえながら膝を着いた

 

「「「ご主人様!!」」」

 

「主!!」

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

同じころ

 

「「「祝反董卓連合軍都入り!!」」」

 

張三姉妹が暇を持て余してした

 

「って今頃祝勝会やってたはずなのに」

 

「早く舞台に立ちたい!!そのためなら何でもする!!」

 

「じゃあ天和姉さん…戦出来る?」

 

「うっ……」

 

その言葉に言葉を失う張角であった

 

 

 

董卓軍では

 

「やれやれ…これでうちらも都落ちか…」

 

董卓たちは故郷に向けて出発していた

 

「そうぼやくな。皆、無事でよかったではないか」

 

「そうなのです!そんなに都に残りたかったら曹操の所で行けばいいのです」

 

「いやそれなら…関羽の所がええな」

 

「私…これからどうすればいいのかな」

 

董卓は顔を隠すように布を被っていた

 

「例えもう表に出ることは出来なくても、民のために出来ることはいっぱいあるよ」

 

すると一人の兵士がやって来て

 

「賈駆様、曹操軍より伝令です!都に迫る軍勢あり!ご助力を乞う…と」

 

「詠ちゃん!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、宮中の会議室では

 

「大丈夫か!」

 

華佗が近づく

 

「右眼が…剣の光を浴びたら」

 

「っ!!…まさか」

 

華佗は勇作を抱え

 

「すまない。少し診察するから、会議を進めてくれ」

 

「私も行きます」

 

愛紗が言うが

 

「危険だから駄目だ!」

 

「しかし!」

 

「駄目た!」

 

「けど」

 

「愛紗…ここは華佗の言う通りに」

 

「…ご主人様……わかりました」

 

「歩けるか」

 

「ああ」

 

華佗に抱えられて勇作は部屋を出ようとした

 

「……華佗殿」

 

愛紗が華佗を呼び止める

 

「なん…だ…」

 

振り向いた瞬快、華佗の顔が青くなった

 

「ゴシュジンサマヲオネガイシマスネ」

 

光の無い絶対零度の視線を向けていた

 

「どうしたの?愛紗を見て」

 

勇作が視線を向けると

 

「何でもありません。気を付けて」

 

そこにはいつもの愛紗がいた

 

「い…いこうか」

 

顔を真っ青になりながらも部屋を出るのであった

 

「華佗のおじちゃん、いったいどうしたのだ?」

 

「どうしたんでしょうね」

 

「それにしても」

 

曹操が声を上げる

 

「これほどの宝剣を持ちながら今までろくに使いもしなかったとは、まさに宝の持ち腐れね」

 

「なんて言うかその…なんとなく機会がなくて」

 

「けどもし劉備さんが武勇に優れ、頻繁に剣を振るうような人であれば…竜の爪のことは必ずや噂となり于吉の知る所となったでしょう」

 

「そうか…そうなれば于吉とやらも警戒して何らかの手立てを講じていたはず」

 

「はい。これが劉備さん手に渡り…今になるまで伝説の剣だと知れることがなかったのは、天の采配だと私は考えます」

 

「問題はこの剣の使い手である劉備殿を于吉のいる敵本陣深くまでどう送り込むか…だが」

 

「そうですね」

 

軍師たちが考えていると

 

「それについては一つ策があるのです」

 

程昱が声を上げる

 

「まず我が軍の主力3隊を正面に展開させます」

 

地図と駒を用いて説明する

 

「戦が始まれば3隊とも敵の足止めに全力を尽くしてもらいます。頃合いを見て中軍はわざと後退して敵を誘い込みます」

 

駒を動かす程昱

 

「敵が突出してきたら、予想進路に伏せてあった部隊を突撃させます。伏兵はこのように右に五面、左に五面に陣を布き…敵に当たると最初の陣が左右に分かれ、後に続く部隊のために道を開きます」

 

さらに説明する程昱

 

「後続の兵は出来た進路を進み、また敵に当たれば同じように道を開く。こうしてタケノコの皮を剥くようにして左右の陣を散開させながら劉備殿を于吉の元に送り込むのです」

 

「なるほど…左右合わせて10の陣を使って敵地を邁進させる十面邁進の陣というわけね」

 

「さすが風!これなら何とかなりそうね」

 

「って実はこの策…俺が考えたんだけどな」

 

程昱は頭の上にある人形(宝慧)を腹話術を使って話す

 

「これ宝慧。皆が感心している時にそういうことをばらすものではありません」

 

「あは!こんなことを考え付くなんて宝慧はすっごいのだ」

 

鈴々がそう言うと

 

「いやいやそれほどでも」

 

宝慧もとい程昱がお礼を言う

 

「じゃあこの策は宝慧の皮むき大作戦っと名づけるのだ」

 

鈴々がそういうと一部の群雄達が顔を真っ赤にした

 

「はわわ!!だめですよ!鈴々ちゃん!そんな名前は絶対にダメです!!」

 

顔を真っ赤にしながら鈴々にそう言う朱里

 

「どうしてなのだ?朱里?」

 

「どうしてって」

 

「星!一体どういうことなのだ?」

 

「うむ…鈴々、せいはせいでも申請と火星があってだな」

 

「星!余計ややこしくなるようなことをいうな!」

 

「ん?」

 

「ふふふ」

 

そんなことしていると

 

「なんだこれ?」

 

勇作と華佗が戻ってきたが、誰も気づく人はいなかった

 

 

「……」

 

そして一匹の動物がその様子を見ており

 

「……」

 

その場を後にするのであった


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