TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第百二十三席 張遼、関羽と相打つのこと

日が昇り

 

「…うむ、もう追っ手はかかっておらぬようだな」

 

洛陽を脱出した董卓達と周泰が虎牢関に向かっていた

 

「さて、賈駆。そろそろ事情をきかせてもら…」

 

「事情を聞きたいのはこっちです!」

 

「何だ?何を怒って?」

 

「生きているんだったらどうしてもっと早く戻ってこなかったんですか?一体何処でどうして」

 

目に涙を浮かべる賈駆

 

「僕はてっきり…てっきりあの戦で…」

 

「いや~実は匈奴の奴らを蹴散らすのについ夢中してな、気付いたら敵陣の中にただ一騎」

 

華雄はその時のことを話し出した

 

「奮戦むなしく囚われの身となったのだが、連中…私の暴れっぷりが気に入ったと見えてな、それなりに大事にされてはいたんだが、隙をみて逃げ出したのだ」

 

「……」

 

「追っ手を暗ますため、一旦西涼へと向かいそれから平洲へと向かったのだが」

 

「……」

 

「その途中、董卓様が暴政の限りを尽くしいるという噂を聞いて…何か訳があるに違いないと物乞いに身をやつし、洛内に潜んで様子を探っていいたのだ」

 

「そうだったんですか。随分苦労したんですね」

 

涙を拭く賈駆

 

「ん?どうした賈駆?私の為に泣いてくれているのか?」

 

「ばっバカ言わないで、ちょっと目にゴミが入っただけよ」

 

「賈駆…しばらく会わなかったが、貴様は相変わらずだな」

 

「華雄将軍…あなただって」

 

「ん?そうか」

 

そのやり取りに思わず笑う賈駆と華雄であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は汜水関に移り

 

「孫策様」

 

「ん?」

 

「ただいま周泰から連絡が入りました。董卓は洛陽を脱出に成功し虎牢関に入ったのこと」

 

陸遜が孫策に報告する

 

「そう」

 

「なら虎牢関は」

 

「はい。門を開いて我らを迎えると」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして連合軍は虎牢関の門の前に集結した。がその門が閉じられていた

 

「董卓は全面降伏の意を表したと聞いたのだけど」

 

「どうもそれでは腹の虫が収まらぬ者がいるようね」

 

門が開かれ一人の人物が出てきた

 

「ウチの名は張遼!字は文遠」

 

「あいつは!?」

 

「あの時の用心棒!!」

 

「嘘!?」

 

出てきた人物に鈴々と翠と勇作は驚いていた

 

「連合軍の皆、耳かぼじってよう聞きや!何やようわからんけど、うちの大将はあんたらに降伏することにしたんやと。まあそれはそれでしゃないけど」

 

「(いいんかい!!)」

 

「一合も打ち合わない内に降伏ってウチは納得できへん!」

 

納得していない表情でさらに言う

 

「そこでものは相談やけど、誰ぞウチと勝負せえへんか!我と思わん者はウチを倒して開城の証であるこの白旗!見事に手に入れてみい!!」

 

地面に白旗を立てる張遼

 

「許緒」

 

「ん?」

 

「貴方、張遼とは知り合いだと言っていたわね」

 

「あ!はい。路銀が尽きてある店で働いていた時に」

 

「一度、戦ったこともあるとか」

 

「はい。3対1だったのに簡単にあしらわれたのが今思い出しも悔しくて」

 

「以外ね…そういう気持ちがあるのならこういう時、貴方はいの一番に飛び出していく性格だと思っていたわ」

 

「そりゃあ行きたいのは山々ですけど、でも親衛隊は命を代えても曹操様の身をお守りするのが第一の任務。ひとたび曹操軍に身を投じた以上、曹操様の命なしに動くことは許されないと夏侯惇将軍がおっしゃってましたから」

 

「あら、春蘭がそんなことを」

 

少し驚く表情をする曹操

 

「単なる猪武者だと思っていたけど、いつの間にか我が軍の将としての自覚が生まれていたのね」

 

そんなことを思っていると

 

「ええい!放せ!なぜ止める!!」

 

夏侯惇が今にも飛び出そうとしていた。夏侯淵が必死に止めていた

 

「姉者!よせ!華琳様の命もなしに討って出ればお叱りを受けるぞ」

 

「だが!あんなこと言われて黙っていられるか!このままでは我らの面子にかかわる」

 

「典韋!手伝ってくれ!姉者を止めるのだ」

 

「あ、はい」

 

典韋は夏侯淵の所に向かい

 

「あっ!こら!放せ!」

 

その光景に曹操と許緒はため息をつくのであった

 

 

 

 

「あ~誰もかかってけえへん所見ると、ウチと勝負する勇気のあるやつはそっちにはおれへんってことか」

 

挑発する張遼

 

「む~言わせておけばなのだ!こうなったら鈴々が」

 

鈴々が飛び出そうとするが

 

「おい!待て!鈴々、抜け駆けはずるいぞ」

 

翠が鈴々の左腕を掴み、止める

 

「けど!あんなこと言われたら黙ってられないのだ!」

 

「当たり前だ!だからここは私が」

 

「何で翠なのだ!?ここは一番気の短い鈴々が行くとこなのだ!」

 

「何言ってんだ!?ここは脳筋のあたしが行くとこだ!」

 

「(お~い。何言ってんだ二人とも)」

 

「って脳筋言うな!!」

 

「言ってないのだ」

 

「はあ~」

 

勇作がため息をついていると

 

「ん?おお!高杉やん。あんたも参加してたんか」

 

張遼は勇作がいることに気付く

 

「…どうや、あんときの決着をいまここで着けようか」

 

「……」

 

勇作は馬を降り、向かおうとするが

 

「お待ちください」

 

愛紗に止められる

 

「ん?」

 

「ここは私が行きます!」

 

「愛紗」

 

「いや…でも」

 

「私が行きます!」

 

「…わかった」

 

勇作は右手を上げ

 

「お願いします」

 

「御意」

 

パンッ!

 

ハイタッチをして愛紗は張遼の方に向かった

 

「おお、やっと出てきよったな。あんま待たせるから寝てまいそうになったで」

 

「我が名は関羽。字は雲長…開城の証もらい受けにきた」

 

「ほう~あんたの獲物も偃月刀か」

 

張遼が武器を構える

 

「おもろい。どっちが偃月刀使いとしてどっちが上かはっきりさせようやないか」

 

「ならばこい!」

 

関羽も構える

 

「あんたを倒してら次は高杉や」

 

「……」

 

「いくで!!」

 

 

関羽と張遼の戦いが始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じころ

 

「ここにあるのか?」

 

「……ええ」

 

于吉と偽劉備はとある場所に来ていた

 

「…この先です」

 

妖術の作った炎の明かりを手に通路を歩く。壁には兵隊の絵が描かれていた

 

「ここです」

 

しばらく歩いていると大きな扉が現れた

 

「この中に」

 

偽劉備が扉を開けると

 

「これは!?」

 

「やはりありましたか」

 

于吉は炎を回りに飛ばす

 

「なるほど…これが例の」

 

「ええ」

 

その光景に二人は笑うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチン!ガチン!

 

虎牢関では関羽と張遼が互角の勝負をしていた

 

「結構やるやないか」

 

「……」

 

「せやけど、ウチの本気はこっからや」

 

張遼は偃月刀を上で回転させ、その勢いのまま薙ぎ払う

 

「くっ!」

 

関羽はガードするがあまりの威力に後ろに飛ばされる

 

「であ!」

 

続けて攻撃してくるが、ひらりとかわす

 

「うりゃ!」

 

偃月刀で攻撃するが関羽はそれを止め、偃月刀で鍔迫り合いとなる

 

「張遼…お主はなぜこうまで戦いを望む」

 

「そんなん決まってるがな…強い奴と戦こうってウチが一番やっちゅうことを証明するためや」

 

「なるほど…どうりで軽いわけや」

 

「なんやと」

 

その言葉に動揺したのか、張遼に隙ができる

 

「貴様!董卓の元にいたのなら陳宮を知っておろう」

 

反撃に出る関羽

 

「あのちんちくりんがどないしたっていうねん」

 

関羽に猛攻に防戦一方になる張遼

 

「あの者は我らの前で泣いたのだ。恩人である呂布をその呂布が大切に思う董卓を救ってくれと」

 

「ふん!そんであんたらが雁首揃えて出てきたちゅうわけか」

 

一瞬の隙に反撃しまた鍔迫り合いとなる

 

「大切な人を救わんとして流されたあの涙に比べれば己一人の武勇を誇る貴様の斬撃など、小手先に響いても到底胸には響かんぞ!!」

 

「っ!?」

 

お互いの距離を取り

 

「はああああああああ!!」

 

「でああああああああ!!」

 

お互い渾身の力を込め、獲物を振る

 

 

ガチィィィィンン!!

 

 

お互いの得物がぶつかり合い、すれ違う

 

 

バリン!

 

「あっ」

 

愛紗の髪留めが砕ける

 

ビリ!

 

張遼の胸に巻かれているサラシが着られる

 

「ひっ!」

 

左腕で胸を隠す張遼

 

「相打ちか」

 

「いや…鋼の刃はウチの胸に届かなかったけど、あんたの言葉はウチの胸に刺さったで」

 

「あっ!」

 

その言葉に関羽を笑みを浮かべる

 

「それにあんたの刃には別の思いが宿っていたで。あんたとって高杉ってどういう人物や?」

 

「我々のご主人様であり、私の愛するお方だ!」

 

そして風が吹き、白旗が靡いた

 

「勝負あったな」

 

勇作が宣言する

 

「関羽の勝利だ!勝鬨を上げよ!!」

 

その言葉に連合軍から勝鬨が上がった


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