TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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仮面の男の正体があらわなります

皆さんの予想は当たっていましたか?

では、どうぞ


第百二十一席 周泰、宮中に忍び込むのこと

翌日

 

「……ここか」

 

小さな丘の入り口の前に一人の人物がやってきた

 

「……」

 

中に入り、階段を降りていく

 

「……」

 

棺の前に来ると、布を脱ぐ。その正体は周泰だった

 

「…ん!」

 

重い棺の蓋を開け、ランプで中を覗く

 

「…よし!」

 

何進に言う通りで下に続く梯子があった

 

 

「……」

 

下に降り、ランプを片手に道を歩いていく

 

 

「かなり歩いたから、そろそろ出口があってもいい頃じゃ…」

 

長い道のりを歩いていると

 

「あっ!?」

 

扉が現れた。開こうとするが

 

「ん?」

 

ビクともしない

 

「ん!」

 

強く押すがやはりビクともしない

 

「はあ~」

 

ランプを置き、今度は両手で押す

 

「ふん!んんんんんん!!!」

 

力いっぱい扉を押す周泰

 

「ぐぐぐぐぐぐ!」

 

すると

 

ガチャン

 

音とともに扉が突然開いた

 

「わああぁぁ!!」

 

扉の先は広い空間が広がっていた

 

「あ~、今のが曲者除けの罠なんだ。内側からだと大丈夫なんだけど、外から開くと作動するって仕掛けかな」

 

のんきにそんなことを考えていると

 

「ん?」

 

砂埃と一緒に天井の石屋根が落ちてきた

 

「って!のんびり考えている暇じゃな~~~い!!!」

 

全力で逃げる周泰

 

「はわわわわ!!」

 

逃げていくが、途中で道が途切れて

 

「きゃっ!!」

 

水の中に落ちた

 

「ぶはっ!!」

 

水から顔を出す周泰

 

「はあ~ビックリした……ん?」

 

視線を上げると、月が見えた

 

「あれが出口の古井戸か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「何とか忍びこんだけど、やっぱり宮中は広いな」

 

忍び込んだ周泰は董卓を探していた

 

「一晩中探してみたけど孔明さんの書いてくれた人相書きの人…どこにもいなかったし」

 

周泰の手には、朱里が書いた董卓の似顔絵が書かれた紙があった

 

ぐう~

 

周泰のお腹の虫が鳴る

 

「うっ…とりあえず腹ごしらえしようっと…」

 

胸元から袋を取り出す

 

「これ、腹持ちは良いんだけど……不味いのよねぇ…」

 

非常食を食べていると、周泰の胸元で何かが動いた

 

「あっ!ごめんごめん。う~ちゃん窮屈だったよね」

 

出来てたのは、鳩だった

 

「わかってるって。う~ちゃんには、これから一働きしてもらうから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳩は連合軍に向かって飛び、陸遜の頭の上に止まった

 

「宮中に潜り込んだのは成功したものの、董卓の居場所はわからぬ…か」

 

周泰の報告を知る連合軍

 

「おまけに抜け道が崩れたとなると例え董卓を見つけても、連れ出して逃げるのは難しいやもしれません」

 

その言葉に陳宮は不安の表情になる

 

「まあそれはそれとしてまずは董卓を見つける手立てを考えないと」

 

「…朱里!お願いなのだ!!」

 

「ん?」

 

「いつもみたいに何かいい策を出すのだ!」

 

「鈴々…気持ちはわかるけど、すぐには……」

 

勇作はそう言うが

 

「既に準備は進めています」

 

「(あるんかい!!)」

 

「うまくいくかどうかわかりませんが、相手をちょっと揺さぶってみましょう」

 

 

 

 

 

朱里はとある天幕にやってきた

 

「どうです?李典さん」

 

中では李典がカラクリを作っていた

 

「ん?」

 

「私がお願いした物を作れそうですか?」

 

「ああ!体の方は服着せてしもたら何とでもなるし、動きの方もあの程度でええんやったら大丈夫や」

 

李典の目の前には、作りかけのカラクリ人形がある

 

「あとは顔がどんだけ似せられるかなぁ」

 

「それじゃあ」

 

「お~!この手のカラクリやったらこの李典様に任しとき!」

 

「朱里、これを使って何をする気なの?」

 

勇作は朱里に聞く

 

「それはですね……」

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして指令が書かれた紙を持った鳩が周泰の所にやってきて

 

「(董卓さんが見つからない時は赤い袋を……)」

 

「うんうん…張譲が鏡を持って、走り出したら要注意か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

陳宮と張々が汜水関に戻ってきた

 

「どうした?」

 

汜水関に兵たちは同様していて、呂布は何事かと聞く

 

「呂布将軍、あれをご覧ください」

 

兵の一人が指さし、呂布は近づいていくと

 

「……あっ!陳宮、張々」

 

驚く呂布

 

「恋殿!!」

 

陳宮は手を振るが

 

「………」

 

呂布は怒っていた

 

「お怒りはごもっともなのです。勝手にいなくなったことは謝りますから」

 

陳宮は張々が引いていたカラクリに近づき

 

「今はこれを見てほしいのです!」

 

カラクリのスイッチを入れる

 

「……っ!?」

 

呂布は驚く。そこにいたのは董卓であった

 

「ご覧の通り、董卓様はすでに洛陽を抜けられてこちらにおわすのです」

 

しかしこれは、董卓そっくりのカラクリであったが、呂布は本物だと思っている

 

「今宮中で囚われの身になっているのは、妖術で子豚に化けさせた偽物なのです!!」

 

「……」

 

「鏡に姿を映せば元の子豚に戻る偽物を後生大事に閉じ込めておくなんて張譲も飛んだ間抜けなのです!!」

 

「いったいどうなっているんだ?」

 

「董卓様が囚われの身なんて初めて聞いたぞ」

 

陳宮の言葉に兵たちも動揺していた

 

「けどあそこにおられるのは間違いなく董卓様」

 

「うむ、宮中にとらわれているという方は偽物に違いない」

 

「……」

 

「騙されるな!!」

 

すると仮面の男が声を上げる

 

「宮中にいる董卓が偽物だと!嘘をつけ!そこにいる董卓こそ偽物だ!!」

 

「何を言っているんですか!宮中にいるのが偽物で」

 

「うるさい!よくそんな嘘をつけるな!この裏切り者!!」

 

「う、裏切り者…」

 

「呂布将軍。今すぐあの裏切り者を殺しましょう!」

 

「っ!!」

 

呂布は驚く。そして仮面の男は呂布に近づき

 

「俺を言うことを聞かないと人質の命はないといいましたよね」

 

「……」

 

「あなたの大切な家族がどうなりますかね」

 

「(セキト…みんな)」

 

呂布の大事な家族である動物たちが人質に取られていた。このことは陳宮もしらない

 

「どうしますか?」

 

「………」

 

「仕方ありませんね…あいつらを」

 

「…だめ!」

 

「なら、あいつを殺せ!そしてそのまま連合軍と戦い、御使いを殺せ!命令だ!」

 

「………」

 

「……残念ですね。始末を」

 

その時

 

「…大変です!!」

 

一人の兵士がやってきた

 

「何だ?」

 

兵は仮面の男に近づき、何かを話す

 

「何だと!!」

 

すると

 

ワンワン

 

犬の鳴き声がする

 

「!!」

 

呂布はその鳴き声がすぐに分かった

 

「セキト!!」

 

現れたのはセキトと呼ばれている犬だった

 

「セキト!!」

 

呂布は駆け寄ってきたセキトを抱きしめる

 

「くそ!!」

 

男は兵士と一緒にその場を後にした

 

「……」

 

呂布はその様子を見て

 

「門を開けろ!」

 

「えっ!!」

 

「恋は門を開けろっと言った」

 

「ですが呂布将軍」

 

「もう戦う理由なくなった。だから恋は戦わない」

 

陳宮は不安な気持ちで待っていると

 

「……あっ」

 

門が開かれると陳宮の表情が明るくなった

 

 

 

 

 

「まずはうまくいったようね」

 

その様子を孫策と曹操が見ていた

 

「けど、本番はこれからよ!張譲がこちらの思う通りに動いてくれればいいのだけれども」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何っ!!汜水関が抜かれただと!」

 

張譲はその報告を聞いて驚いていた

 

「はい。囚われている董卓は妖術をかけた子豚で、鏡に映ってしまえば元に戻ってしまうとか」

 

「馬鹿な!!」

 

「お疑いなら呂布の元を離れ逃げ戻った兵たちにお聞きください」

 

「………」

 

張譲は机の引き出しを開け、鏡を取り出し、席を立つ

 

「あの、どちらへ?」

 

「ことの真偽を確かめてくる」

 

そう言って部屋を後にした

 

 

 

 

「貴様ら!!」

 

「すいません」

 

そして仮面の男も呂布の人質を閉じ込めていた牢獄の前にいた

 

「何をしていた!人質を逃がすなんて」

 

「違うんです!!」

 

「何がだ!」

 

「私は襲われたんです」

 

「襲われただと」

 

「はい。私はきちんと警備をしていました。そこに仲間の兵が二人きたんですが、そいつらが襲ってきて」

 

「で?」

 

「もちろん反撃しました。ほかの仲間を呼びましたが、あいつら妖術みたいなものを使ってきて」

 

「もういい……死んでもらう」

 

「えっ?」

 

男は兵を切り捨てた

 

「………くそ!!」

 

仮面を外し、イラつきながらその場を後にする仮面の男………いや

 

「(誰がか知らないが、見つけ出して始末してやる!!高杉と劉備たちを始末してからな!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偽 劉 備

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目と表情は憎しみに溢れていた


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