TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第百十九席 勇作、連合に合流するのこと

「ほえぇぇぇ~……こりゃ、壮大だな」

 

桃花村を出発して数日、反董卓連合の合流地点に到着した

 

「ほわ~……たくさん兵隊さんいるねぇ~」

 

陣地の中は至る所に天幕が張られ、周辺には諸侯の旗が並び、色とりどりの兵隊があちこちにたむろしていた

 

「さすが諸侯連合……といったところでしょうか。こうやって一同に会すると壮観ですね」

 

「うむ……曹操、孫策はもちろんほかにはもいくつも見受けられますね~」

 

「あ!あっちにあるのはパイパイちゃんの旗だ~!」

 

「白蓮だよ…桃香」

 

「あはは…そうだった」

 

「桃香…お前、わざと間違えていないだろな…」

 

「(この声は…)」

 

前から聞き慣れた声が飛んできた

 

「パイパイちゃん!!」

 

「よ、桃香に皆、久しぶりだなぁ……あと白蓮だ」

 

「久しぶり~」

 

「おぁ~勇作、久しぶりだな」

 

「ああ」

 

「黄巾の乱での活躍…すごく聞いているぞ」

 

「そ、そう?」

 

「それと負傷したって聞いたけどその目の包帯が」

 

「まあね」

 

「白蓮ちゃん…」

 

桃香が勇作と白蓮の間に入った

 

「ちょっと話しすぎ」

 

「そんなに話しては…」

 

「……」

 

光の無い目で白蓮を見る桃香

 

「わかったから、そんな目で見るな」

 

「んで何しにきたの?」

 

「いや、袁紹と袁術がまだ到着してなくてな、到着するまで気分転換してたんだ?」

 

「そうなんだ」

 

「ご主人様……私たちも天幕を張りましょう」

 

「そうだな」

 

「じゃあ、白蓮ちゃん。またね」

 

「おう」

 

白蓮と別れ、勇作達は天幕を張った

 

 

 

 

 

 

 

「………暇だな」

 

天幕を張って数時間、勇作は暇を持て余していた

 

「袁紹…いつになった来るんだよ……見聞色が使えればわかるんだけど」

 

盟主である袁紹が来ないため…軍議が始まらないでいた

 

「あ~……だめだ!少し歩くか」

 

勇作が天幕から出ようとすると

 

「…………ご主人様」

 

「うおっ!!」

 

後ろから声が聞こえ、勇作は驚く

 

「……」

 

そこにいたのは愛紗だった

 

「愛紗さん……いつからそこに?」

 

「ついさっきです」

 

「あ…そうなんだ」

 

「ところでご主人様……どちらに?」

 

「いや……軍議が始まるまでそのあたりを歩こうと」

 

「では、私も一緒に行きます」

 

「え?」

 

「ご主人様を一人では危険ですので…護衛します」

 

「いや、別に護衛しなくても……」

 

「いいえ……護衛します」

 

「で、でも」

 

「ご主人様」

 

「……」

 

「……」

 

「……お願いします」

 

勇作は諦めた

 

「はい」

 

こうして愛紗の護衛の元、勇作は天幕を出るのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最初はここだな」

 

勇作が来たのは孫策のいる天幕だ

 

「ここからですか?」

 

「ああ、一応江東丸を分けてもらったお礼を言おうと思ってね」

 

「そうですか」

 

「ところで……愛紗」

 

「何ですか」

 

「これ……護衛なの?」

 

勇作の右腕に抱き着いている愛紗にそう言う

 

「護衛です」

 

「いやどう見ても護衛じゃあ……」

 

「ご主人様は気にしないでください」

 

そういってさっきよりくっつく愛紗。気持ちよさそうにスリスリ寄ってくるので柔らかいものが押し付けられるわけで……

 

「(気にするわ!!護衛じゃないだろう!!)」

 

心の中で突っ込む勇作

 

「あらあら…仲がいいようで」

 

声が聞こえたほうに視線を向けると

 

「孫策さん」

 

孫策と周瑜がいた

 

「孫策殿、お久しぶりです」

 

「ええ、ところでこんなところで何をしているの?」

 

「いや、江東丸を分けていただいたことと愛紗がお世話になったお礼を言いに……」

 

「別に気にしなくていいぞ」

 

「お礼を言うならあの子に言ってね」

 

「あの子?」

 

「ああ」

 

周瑜が天幕の入り口を上げる

 

「呂蒙……出てこい」

 

「(はぁ!!呂蒙!!!)」

 

勇作が驚いていると

 

「周瑜様……お呼びでしょうか?」

 

呂蒙が出てきた

 

「(この子が呂蒙……)」

 

「周瑜様……こちらの方は?」

 

「こちらは……」

 

「高杉勇作です……愛紗がお世話になりました」

 

「あなたが……天の御使い様ですか!?」

 

「ああ」

 

「あなたの噂は聞いております!お会いできて幸栄です!!」

 

「そ、そう……じゃあ俺たちはこれで」

 

「もう行かれるのですか?」

 

「うん…この戦いが終わったらゆっくり話そう」

 

「はい!!」

 

「あと…ししゅ……甘寧に伝えてくれる。楽しみにしてるって」

 

「甘寧様にですか?わかりました」

 

「じゃあ…これで……愛紗、行こう」

 

「はい」

 

勇作と愛紗はその場を後にするのだった

 

「…呂蒙」

 

「は、はい!」

 

「どうだった?天の御使いと会ってみて」

 

「はい………何と言いますか、普通の人だな」

 

「普通?」

 

「はい……あの人が本当に孫権様が言っていた人とは思えなくて」

 

「そうか」

 

「も、申し訳ございません。つい思ってしまったことを」

 

「気にするな」

 

「そうね……けど」

 

「どうした?雪蓮」

 

「あの子の目の包帯のことでね」

 

「包帯ですか?」

 

「たしか…黄巾の乱で負傷したはずだが…それがどうした?」

 

「あの包帯、怪我じゃなくて…何かにとりつかれている感じがしたの?」

 

「とり憑かれている?」

 

「ええ」

 

「根拠は?」

 

「勘、かな」

 

「またそれか…」

 

「何よ、私の勘は当たるのよ」

 

「わかったわかった。そういうなら信じよう」

 

「全然信じてないでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘックシュン!」

 

「ご、ご主人様、大丈夫ですか」

 

「あ、ああ」

 

孫策の天幕を後にした後、曹操の天幕に向かっていた

 

「(あの子が呂蒙……関羽と倒した武将……か)」

 

「ご、ご主人様?どうしました?」

 

「いや…何でもない」

 

「本当ですか?」

 

「本当に大丈夫!大丈夫だから」

 

勇作は愛紗の手を取り、じっと瞳を目詰める

 

「心配しないで」

 

「は、はい……」

 

手を取られた愛紗の目はハートになっていた

 

「ご~主~人~様~!!!」

 

声が聞こえた方に視線を向けると

 

「何をしているのですか?」

 

朱里と桃香がおり、二人から禍々しいオーラがあふれていた

 

「ええと、二人ともどうしたの?」

 

「軍議が始まるのでご主人様を探していたのです」

 

「そ、そうなんだ」

 

「いい加減、手を放してください」

 

すると後ろから、星が現れ二人の間に入る

 

「せ、星」

 

「さ!行きましょう!」

 

「ちょっと!」

 

星は勇作の手を取り、軍議が行われる天幕に向かった

 

「……」

 

朱里と桃香もついていく

 

「……チッ!」

 

愛紗も不機嫌なりながらその後を追うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後の夜

 

「……」

 

汜水関のとある部屋で呂布と陳宮が夕食の肉まんを食べいていた

 

「……ん。いや~、今日の恋殿の戦いぶりいつにも増して見事だったのです」

 

暗い雰囲気を変えようと陳宮が話しかける

 

「武力100の前ではどんな敵も物の数ではないのです!」

 

「…ごちそうさま」

 

半分しか食べてない肉まんを皿に置く

 

「えっ!でもまだこんなに残ってますのに…」

 

「最近、ご飯たべてもあまり幸せにならない」

 

「っ!」

 

「だからもう良い」

 

席を立つ呂布

 

「疲れたからもう寝る」

 

「…あっ」

 

陳宮が何かを言う前に部屋を出る呂布

 

「……」

 

陳宮は視線を落とした後、何かを決意し、視線を上げる

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「元気がありませんね」

 

呂布が寝室入ろうとした時、仮面の男に声をかけられた

 

「……」

 

「それじゃ、連合軍に勝てませんよ」

 

「……」

 

「それと、例の命令は必ず実行してくださいね。出ないとあなたの主と人質がどうなるかわかりませんよ」

 

「……わかってる」

 

「なら、いいです」

 

そういって呂布は寝室に入った

 

「…じっくりと見させていただきますよ」

 

そういって仮面の男はその場を後にするのであった


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