TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第百十八席 群雄、反董卓連合に参加するのこと

諸侯に檄を飛ばしてから連合軍が結成する前

 

「でぁあ!!」

 

曹操の屋敷の訓練場では、夏侯惇と許緒がおり、訓練をしていた

 

「どうした!?許緒!もう終わりか!これしきの訓練で音を上げるとはだらしないぞ!」

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

許緒はかなり疲労しており肩で息をしている

 

「では、こちらから行くぞ!」

 

武器を構える夏侯惇

 

「夏侯惇様」

 

声がしたほうに視線を向けると

 

「何だ?典韋…もう昼飯か?」

 

典韋がいた

 

「ああ、いえ、そうじゃなくて…曹操様がお呼びです!!」

 

「華琳様が」

 

 

 

 

 

 

「……」

 

夏侯惇は王の間に入ると、曹操に夏侯淵、そして荀彧、程昱、郭嘉がいた

 

「遅いぞ姉者。何をしていた」

 

「おう…親衛隊の許緒にちょっと稽古をつけていてな」

 

「許緒……ああ、あの典韋の友達の新入りか」

 

「うむ…まだ粗削りだが、あやつ磨けば光るやもしれん」

 

「んんっ」

 

荀彧が咳払いをする

 

「「あっ!!」」

 

二人は視線を曹操に向ける。その手には手紙があった

 

「つい先ほど、袁紹から檄文が届いたわ」

 

「袁紹から檄文?」

 

「志あるならば逆賊董卓を共に討つべく立ち上がれ…と」

 

「おお!!」

 

「それで如何なさいますので」

 

「……」

 

曹操は考え込む

 

「董卓の悪行は天下に隠れも無き事実…これを討つは天の意に沿い、民の苦しみを除くことにほかなりません。曹操様の名を世に知らしめる良い機会かと存じます」

 

「あの袁紹が盟主というのは気に入りませんが、うまくいけば董卓を除いた後、朝廷の中枢に大きく食い込むことが出来るやもしれません」

 

郭嘉と荀彧はそれぞれ曹操に助言をする

 

「ふ~ん……程昱、あなたはどう思っていて?」

 

程昱に聞くが、目を閉じ寝ている程昱

 

「ん?ちょっと、風」

 

郭嘉が程昱を起こす

 

「おお……はい」

 

目を覚まし、視線を曹操に向ける

 

「程昱、あなたの意見を聞かせてもらえるかしら?」

 

「軍師は主の心が定まらぬ時に助言をするのが責務。それが既に決まっている時に申し上げる言葉はありません」

 

「ふん」

 

こうして曹操は連合の参加を決めた

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、孫策の所では

 

「袁紹を盟主とした反董卓連合…か」

 

王の間に孫策、周瑜、陸遜、孫権、黄蓋がいた

 

「少し探ってみた所、袁紹の人望の無さを反映してか…檄文を送られた者の大半は日和見を決め込んでいる様子」

 

「まあ、そうじゃろうな」

 

「ただ曹操だけはいち早く兵を出す構えを見せております」

 

「やはり…な」

 

「此度の件、中原への足掛かりを得るには絶好の機会かと」

 

「では、動くか」

 

「お待ちください!姉様!」

 

孫権が異議を立てる

 

「それはいささか早計ではありませんか!?積年の努力の甲斐もあってようやく江東の地は収まったものの、ここではるばる洛陽まで兵を出すのはあまりにも無謀!今は中原の様子を見つつ足場を固める時では…」

 

「そうね…確かにあなたの言う通りね」

 

「それでは…」

 

表情が明るくなる孫権

 

「でもね…蓮華!」

 

孫策は険しい顔の表情で立ち上がり

 

「正道では決して手につかめないものもあるのよ!!」

 

「…姉様」

 

こうして孫策も参加を決めたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

「お母さんがいない間、お利口にしているのよ」

 

「うん。お母さんも怪我しないでね」

 

「ええ、気を付けるわ」

 

勇作たちも反董卓連合の参加を決め、出陣の準備をしていた

 

「たんぽぽの奴、どこに行ったんだ?見送りぐらいしてくれてもいいだろうに」

 

「出陣できずに留守番させられることになったんだから拗ねてるんだろう…まったくいつまで経ってもガキなんだから」

 

「えへへ」

 

「所で鈴々…その葛籠…いったい何が入っているんだ?」

 

鈴々は大きな葛籠を背負っていた

 

「わかんないのだ…でも弁当って紙で書いてあったから、何か美味しいものが入っているに違いないのだ」

 

「へぇ~いいな!後で私にも分けてくれよ」

 

弁当という言葉に表情が明るくなる翠

 

「良いのだ!いっぱいあるみたいだから皆で食べるのだ」

 

「……いやはや、何と言ったらいいか?」

 

朱里はそのやり取りに頭を抱えるのであった

 

「紫苑いいのか?もし璃々のことが心配ならそなたは村に残っても」

 

愛紗は紫苑に聞く

 

「今は村が襲われることもなくなりましたし、あの子もそろそろ留守番出来る歳になりましたし」

 

視線を向けると璃々が手を振っていた

 

「それに私のほうがもう留守番には飽きちゃったしね」

 

「ふっ」

 

そうしていると

 

「あっ!ごしゅじんさま」

 

璃々の声に全員が視線を向けると

 

「これで良し」

 

勇作がきた。いつもの服装に両腰に応龍が3本ずつ。そして背中に妖刀を装備していた

 

「ごしゅじんさま」

 

「おう、璃々ちゃん」

 

「気を付けてね」

 

「ああ」

 

勇作は馬に乗り、前に出る

 

「……よし」

 

視線を向けると、愛紗たちと兵たちが整列していた

 

「お前ら準備はいいか!!」

 

「「「「「「「「「いえぇぇぇぇいいいいいい!!!!!!!」」」」」」」

 

兵士たちが鬨の声上げるがごとく声を上げる

 

「今度の戦場は今までとは桁が違うぜ!!ど派手に暴れるぞ!!」

 

「「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」」」」」」」

 

「出陣!!」

 

 

「張譲めを追い落とした董卓を皆で討つとは好都合…うまくいけば童が返り咲く機会があるやもしれん」

 

何進も勇作達についていく。正体がばれないようマントを着て

 

「と…思って一緒に行くことにしたのじゃが……」

 

何進が後ろを振り向くと

 

「なんでお主らまでついてくるのじゃ!!」

 

後ろの荷台には孟獲達がいるのであった

 

 

 

「……」

 

「どうした?浮かぬ顔をして」

 

星が愛紗に声をかける

 

「い、いや…身分を隠してまで下々の暮らしを見ていた董卓殿が巷で噂されているような暴君とはどうにも信じられなくてなぁ」

 

「ふっ……確かに苦し紛れとは言え、トントンなどという偽名を名乗るような娘がそう悪いことをするとは思えんなぁ」

 

「董卓って人…私は悪い人じゃないと思うなぁ」

 

「えっ?」

 

「だって私の信じている愛紗ちゃんがそう思うならそうに決まっているもの」

 

「姉上」

 

「きっとほかに悪いことをしている人はほかにいるんだよ」

 

「よ~しそれじゃ悪い奴をみんなでぶっ飛ばすのだ!!」

 

「元気良いね」

 

「ご主人様」

 

「ん?」

 

「大丈夫ですか?」

 

「だいぶね」

 

「きつかったら私がついていますから」

 

そう言って勇作に近づく愛紗

 

「愛紗ちゃん」

 

桃香が愛紗の手を引っ張る

 

「何をするのですか?姉上」

 

「ご主人様にべったりしすぎ」

 

「別にべったりは」

 

「おや…この間は主と一緒に寝たはずでしたが」

 

「あの時は」

 

「愛紗ちゃんばかりずるい」

 

「同感です」

 

「うんうん」

 

桃香や星そしてほかのみんなも頷いていた

 

「この戦いが終わったら一度話し合いをしましょう」

 

朱里がそう言うと

 

「「「「「異議なし」」」」」

 

「……」

 

反董卓連合の戦場に向かって出陣する勇作達であった

 

「(何の話し合いするんだよ)」

 

勇作は心に不安を思えながら向かうのであった

 

「(アネウエトハイエ、ジャマヲスルナラヨウシャシマセン。ホカノミンナモ)」

 

光の無い目で桃香や皆を見る愛紗であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祇園精舎の鐘の声諸侯無上の響きあり!

 

時は二世紀も末のころ、大将軍何進に十常侍筆頭張譲と

 

主を変える洛陽の都では

 

董卓が憲政を欲しいままにしておりました

 

天下万民のためこれを討たんと諸侯に檄を飛ばす袁紹

 

答えて兵を上げた曹操、孫策、袁術そして……他一名

 

(公孫賛だ!公孫賛)

 

怒涛の勢いで洛陽に迫らんとする連合軍の行く手を阻む第一の関門汜水関

 

ここを守るは飛将軍と名高い呂奉先

 

対して攻めるは曹操 孫策 公孫賛の諸侯に加え

 

曹操に助力を問われた天の御使い高杉勇作の率いる桃花村の義勇軍

 

武勇では天下第一と名高い力を向こうに回したこの戦

 

はたしてその結末やいかに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてとある場所

 

「やっと着いた」

 

「ここがあいつのいる世界か」

 

二人の人物がいた

 

「それにしてもなんで俺たちがこんなことを」

 

「しょうがないだろう…あの人からのお願いなんだから」

 

「だったらその人が行けばいいだろう…あいつは」

 

「そう言うなって決まりで行けなんだから」

 

「はあ、それにしてもこの格好でいくとは」

 

「怪しまれないためだよ」

 

「そうだな」

 

「じゃあ行くか」

 

二人の人物は何者なのか。二人はある場所に向かうのであった


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