TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第百九席 黄蓋、原因を探るのこと

夕方になり

 

「そうよ…それで良いわ」

 

孫策はお風呂に入っていた

 

「ふふ、随分うまくなったじゃないの」

 

孫策は横になり、大喬が孫策の背中を洗っていた

 

「ありがとうございます」

 

ガチャ

 

「「ん?」」

 

扉が開く音が聞こえ、視線を向けると

 

「あら、祭!」

 

黄蓋が入ってきた

 

「大喬、ワシが変わろう」

 

「え!でも…」

 

「いいから」

 

「はい、それでは」

 

そう言い、黄蓋と交代するのであった

 

「祭…どういう風の吹き回し?貴方が私が背中を流してくれるなんて」

 

「いやなに、たまにはこういうのもいいかと思ってな」

 

洗っている最中に水滴が黄蓋の頭に落ち

 

「まあ、それはさておき…」

 

本題に入る黄蓋

 

「ここんとこあまり機嫌がよくないようじゃが、何か気に入らぬことでも何かのか?」

 

「うっ…まあ、ちょっと」

 

「どうじゃ…よければワシに話してみい。相談に乗るぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜

 

「……」

 

自室にて書物に目を通す周瑜

 

ギギイ

 

「ん?」

 

音がする方を見ると、扉が少し開いていた

 

「…」

 

周瑜は立ち上がり、扉を閉めようと扉に近づく

 

「邪魔するぞ!」

 

扉が開かれ、黄蓋が酒を手に持ち部屋に入ってきた

 

「こ、黄蓋殿……こんな時間にどうしました?」

 

「いやなに…一人で飲むのも味気ないので、一つ相手してもらおうと思ってな」

 

「いや…で、ですが……私は」

 

「そう遠慮するな。お主もイケる口であろう?」

 

そう言って準備をする黄蓋

 

「これはな、ほかでは手に入らない良い酒での」

 

「……」

 

「ん?」

 

「分かりました……そういう事でしたら、ご相伴に預かりましょう」

 

「うむ…そうこなくては」

 

 

 

しばらくして

 

「黄蓋様、追加の酒と魚をお持ちしました」

 

小喬がお盆の上にお酒と料理を持って扉の前に来た

 

「おっ!すまぬな」

 

扉を開け、お盆を受け取る黄蓋

 

「小喬…後はワシらで勝手にやるからもう寝て良いぞ」

 

「はい、それではおやすみなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

「黄蓋殿、おかわり」

 

机の上には、大量の酒瓶が転がっている

 

「のう周瑜……もうそれぐらいにしておいた方が良いのではないか?あまり呑んでは明日の仕事に差し支えるじゃろうし……」

 

「はぁ?呑めと言ったのは黄蓋殿でしょぉ?それを今さら……それとも何ですか?わたしと呑むのはつまらないですか?退屈ですか?不愉快ですか?もっと若い子の方が良いですかぁ?えぇ?」

 

机によじ登り、何かと絡んでくる。しかし、バランスを崩して、地面に転げ落ちてしまった

 

「悪い酒じゃな」

 

「酒は悪くないです…酒は……悪いのは雪蓮です……そうだ!雪蓮が悪い」

 

そして床に倒れ込んでしまった

 

「こりゃ黄巾の乱ならぬ公瑾の酒乱じゃな……まあ言いにくい事を聞き出すにはこれくらい酔ってる方が良いか」

 

黄蓋は周瑜を抱き起こす

 

「そうよ……雪蓮が悪いのよ……あんな事するから、私……」

 

「ん?何だ策殿がどうしたのか?よければワシに話してみ。相談に乗るぞ?」

 

「…ん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「はあ?喧嘩の原因はお酒っ!?」

 

喧嘩の原因に驚き大きな声を出す孫尚香

 

「うむ……昨日、二人から聞き出した所では、周瑜が遠方より取り寄せたとびきりの名酒……何でも蜜柑で作られた珍しい物らしいが、それを策殿がこっそり呑んでしまったのが事の発端らしい」

 

「ばっか馬鹿しい。そんな事で喧嘩するなんて。二人ともホント子供なんだから」

 

すると、黄蓋が、クスクスと微笑んでいた

 

「何がおかしいの?」

 

「江東の小覇王も、孫家を支える名軍師も尚香殿にかかっては形無しだと思ってな」

 

「それ、褒めてないわよね?」

 

「いや…とにかくじゃ、あの二人が角付き合わせていては孫家に行く末に関わる…何としても仲直りせんとな」

 

「そりゃあそうだけど、何か手があるの?」

 

「まあ、な……」

 

親指をグッ、と立てる黄蓋であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ事、孫家の中庭

 

 

「そうですか…江東丸の有りかはまだわかりませんか」

 

愛紗は周泰と散策していた

 

「はい…呂蒙が夜を通しかけて調べているのですが、収蔵品の目録、古い物は木簡で扱いが面倒な上、字が掠れて判読が困難な部分もあって…はっ!」

 

すると周泰は何を見つけた

 

「あれは!関羽殿、隠れて!!」

 

周泰は押し込む様に、愛紗と共に草むらへと身を隠す

 

「どうしたのだ周泰殿?もしや曲者」

 

「いえ」

 

視線の先にいたのは

 

「お猫様です~」

 

岩の上に、一匹の白猫が寛いでいた

 

「ね、猫……?」

 

ガクッと肩を下ろす愛紗

 

「関羽殿、ここは私にお任せを!」

 

「いや、お任せをって」

 

「お猫様~ご機嫌いかがですか~決して怪しい者ではございません。ただちょっと、御体をモフモフさせて頂ければと」

 

「もふもふ?」

 

「勿論、ただでは申しません。さあ、この様に献上品をお持ち致しました」

 

腰に提げた袋から小魚の干物を取り出し、それを猫に与える

 

「献上品って……」

 

「きゃ~~可愛い~~それでは早速失礼させていただきますね」

 

猫に触れる周泰。

 

「はうっ!たまりません!この手触り、この暖かさ!!」

 

顔を猫の体に埋め幸せそうな表情になる

 

「さあ、関羽殿も!早く!お猫様の気が変わらぬ内にモフモフを!」

 

「あはは」

 

若干引き気味の愛紗であったが

 

「ふぁ~~……」

 

猫を抱き、可愛さに心を打たれ、戯れる二人であった

 

「(はあ…かわいすぎる………)」

 

愛紗はあることを想像する

 

 

 

 

 

 

 

 

『愛紗!!』

 

『きゃあ!!』

 

勇作が愛紗に抱き着く

 

『ご、ご主人様』

 

『ん~』

 

勇作は愛紗をモフモフする

 

『ご、ご主人様』

 

『ん~愛紗は可愛いな、ずっとこうしていたい』

 

『そ、そんなこんな所で……』

 

『嫌なの?』

 

『いえ、そうでは……こういうのは』

 

『別の場所なら良いの?』

 

『あ、いや…それは』

 

『俺に隠し事は無意味だよ』

 

『……できればご主人様の部屋で』

 

『分かったよ』

 

『え?きゃぁ!』

 

勇作はお姫様抱っこで愛紗を持ち上げる

 

『ご主人様』

 

『このまま連れて行くよ』

 

『あ、あの』

 

『いや?』

 

『いえ……このまま連れてってください』

 

『ああ…今夜はずっと一緒だよ』

 

『はい…ご主人様、私をたくさん愛してください』

 

『仰せのままに』

 

そのまま勇作と愛紗は勇作の部屋に連れてかれ

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~~ご主人様!!ご主人様!!ご主人様!!ご主人様!!ご主人様!!ご主人様!!ご主人様!!」

 

「か、関羽殿!!お猫さまが目を回しています!!」

 

その後は、何を想像したのか、やたら幸せそうな表情をする愛紗であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じころ、持久草を探す翠と星は

 

「此処を上るのかよ」

 

山登りをし崖の前に来ていた

 

「やむおえまい。山頂に向かうにはここを伝っていくしらないらしいからな」

 

「やれやれ。ったくなんで何進なんかのためにこんな苦労しなきゃならないんだよ」

 

不満をこぼす翠

 

「そうぼやくな。留守番が嫌でついてくると言ったのはお主だぞ」

 

「そりゃそうだけど……あっそうだ」

 

すると翠は何かを思い出す

 

「こんな時のためにこれがあるんだった」

 

そういうと荷物が入った袋を開ける

 

「何だ…何か崖を登るのに役にたつ物があるのか?」

 

「ああ、泰山に登るならって旅に出る時、朱里が持たせてくれたんだ。ほい」

 

そういうと小さくまとめてあるロープを星に渡す

 

「……」

 

星はそれを見て

 

「孔明の縄か!!」

 

(孔明の罠か!)っと言いたかったのか星は驚いたように言う

 

「……だ~」

 

その様子に翠は静かにこけた


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