TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第百話目です

後書きにお知らせがあるので見たい人は見てください

では、どうぞ


第百席 厳顔、町を案内するのこと

翌日、厳顔に連れられ、町を歩いている勇作達。賑やかな町並み。町民達が行き来し、商売人達が生き生きと商売している

 

「太守様、今日は果物がお安いですよ」

 

女主人が、厳顔に声をかける

 

「ああ、悪い。また今度な」

 

「おや?しらふとは珍しいね?寄ってかないの?」

 

わざとらしい咳をする厳顔

 

「太守の厳顔さんが、自ら町を案内して下さるなんて、何だか申し訳ないですね」

 

「なぁに、この町の事なら、儂が一番詳しいからな。まず何と言ってもおすすめはだな……ここ!」

 

厳顔が指差した先にあったのは、酒と書かれた看板が置いてある酒屋

 

「(いや、お酒飲めない人もいますよ)」

 

聞こえたか知らないが、その事に気づき、気まずくなった厳顔は

 

「………………ではなくこっちだ!」

 

その向かいにある店を指差す

 

「(武器商行?)」

 

武器屋があった

 

「うわ~色んな武器がいっぱいあるのだ!」

 

「あっ!これって姉様の武器に似ててかっこいいかも」

 

中には様々な武器類が、至る所々に立て掛けられている。鈴々とたんぽぽとは、興味津々に眺めている

 

「(なんかローグタウンの武器屋を思い出すな)」

 

勇作も物思いにつかる

 

「「……」」

 

桃香と朱里は、物珍しそうに見渡していた

 

「ん?なんだ、見慣れぬ武器だな」

 

カウンターに凭もたれていた厳顔。ふと見上げてみると、天井にぶら下げられている武器が目に入った

 

「はい、これは豪天砲と申しまして、何でも曹操配下の李典と申す者が発案した物とか」

 

巨大な刃が付属された回転弾倉式のパイルバンカーがあった

 

「ほほう……曹操の所には、有為の人材が集まっていると聞いたが、武器を造る者までいるのか」

 

厳顔はそのまま、豪天砲をじっと見つめていた

 

「はぁ~」

 

「どうした店主よ。浮かぬ顔をしているが」

 

「いや、太守様がお気になさるほどでは」

 

「気にするでない。話した方が楽になるぞ」

 

「……わかりました」

 

そういうと店主は店の奥に行き、布に包まれた物を持ってきた

 

「それは?」

 

「これが原因なんです」

 

布を外すと、一本の刀と鞘が現れた

 

「ほう、見事な刀だな」

 

漆黒を思わさるほどの黒色をした柄と鞘と刀身そして刃紋は赤色の直刃で鍔も朱色の刀が出てきた

 

「はい、見事な刀ですが」

 

「いったいこの刀がどうしたの言うのだ?」

 

「どうしたんですか?」

 

勇作が気付き、近づく

 

「何々、どうしたの?」

 

ほかの皆も集まってきた

 

「うわぁ~きれい」

 

「(黒刀を思わせる武器だな)」

 

勇作はそれを手に取ろうとするが

 

「無暗に触らない方が良いですよ」

 

「何でですか?」

 

「呪われるかもしれませんから」

 

「呪われる?」

 

「どういう事じゃ?」

 

「……」

 

店主は語り始める

 

「ある名門の刀鍛冶に一人の息子がいたんだが、その息子は刀鍛冶の才能がなく腫物の扱いをしていたんだが、ある日その息子は家を飛び出したんじゃよ」

 

「ふむふむ」

 

「だが半年後にその息子がある刀を手に戻ってきたんじゃよ」

 

「もしかして」

 

「それがこの刀じゃよ。息子は自分で作ったを言っていたが、あまりの出来の良さに一族は不振がっていたが、その刀を噂はたちまちに広がりその刀を一目見ようと人が集まってしまいそれどころじゃなくなってしまったんじゃ」

 

「それで」

 

「だか、息子が帰ってきてから一週間後に息子を含め一族が全員死んでしまったんじゃ」

 

「ええ!!」

 

「それだけなく、この刀を手にした者も全員不運の死を遂げてしまい、今じゃ妖刀と呼ばれているんじゃ」

 

「妖刀」

 

「だったらささっと処分すれば」

 

「それが出来ないのじゃ。この刀を処分しようとした奴もいたが、その人も家族も悲運の死を遂げてしまってな。だから処分することが出来ないじゃよ」

 

「……」

 

「どうやって手に入れたんじゃ、これを」

 

「ある人物が売りに来たんじゃよ。妖刀とは知らずな…あとからこのことを知ってしまったんじゃな。このままじゃ呪われて死んでしまう」

 

話を聞いた勇作は尋ねる

 

「方法は無いの?」

 

「誰かに渡して了承をしてもらうしか方法ないんじゃが…だが何も知らない人物に売りつけるのは」

 

「……」

 

勇作は刀に近ずく

 

「どうしたんじゃ」

 

勇作は刀を手に取る

 

「じゃあさ、俺に譲ってよ」

 

店主は驚いて声を上げる

 

「な、何言っているんじゃ!話を聞いていたのか!!お主は」

 

「そ、そうですよ、この刀を手にしたら」

 

「死にはしないよ」

 

「そんなコト信じられるかよ」

 

「じゃあこうしようか」

 

「ん?」

 

「俺の運と、こいつの呪い…どっちが強いか試してみようか?」

 

「え?」

 

そういうと勇作は刀を回転させながら上に投げ、刀の下に自らの腕をかざした

 

「な、何やってんじゃ!!お主!!腕が吹っ飛ぶぞ!!」

 

主人が叫ぶ。他の皆は突然のことに止まってしまい動けないでいた

 

「……」

 

目を閉じる勇作。そして回転しながら下に落ちてくる

 

「……」

 

その光景に口を押える者、目を瞑る者、息を呑む者とその瞬間を見る

 

ブンブンブンブン

 

刀が勇作を腕を切り落とそうと迫る

 

ガチーーン

 

刀は勇作の腕を切り落とさずに通り、地面に突き刺さったのであった

 

「………これで文句ないでしょう」

 

笑顔で言う。勇作の勝ちであった

 

「……」

 

ホッとしたのか腰を抜かして座る桃香と朱里であった

 

 

 

武器屋での出来事を終えた勇作は

 

「次はここだ!」

 

「(競馬場!?なんであるの!!)」

 

競馬場で来ていた

 

「あは!立派な馬がいっぱいなのだ」

 

「今からあの馬達を競争させるのだ」

 

「(俺のいた世界とまったく同じだな…これ)」

 

開始の銅鑼が鳴り、馬が一斉に出馬した。迫力のある地鳴りを響かせ、コースを走り抜ける

 

「いけいけぇ!!よしよしっ!そのままそのまま!もうちょい!よしっ、いいぞ!いいぞ!いけいけいけいけいけぇ~~!!」

 

厳顔はというと、馬券らしきものを手にし、選んだ競走馬に檄を飛ばす

 

「面白かったのだ」

 

「たく…あと少しという所で落馬するとは……」

 

結果は駄目で肩を下ろして落胆する厳顔

 

「馬好きの翠さんに見せたら、喜んだでしょうね」

 

「喜びすぎてチビっちゃうかも」

 

「パイパイちゃんなら、白馬で出るって言いそうだよね」

 

「パイパイじゃなくて白蓮だよ」

 

「けど、オススメの第一が武器で、その次が馬って、厳顔は武人の鏡なのだ」

 

「お!お主、武人の心が分かる様だな」

 

「もっちろんなのだ!」

 

「武人の鏡というよりは……」

 

「趣味がおっさん臭いだけじゃない」

 

「あははは」

 

「さて!そろそろ昼時だし、飯にするか」

 

「やった~~なのだ」

 

 

 

勇作達は拉麺の看板が掛かってある店に来ていた

 

「ニンニク入れますか?」

 

「野菜マシマシニンニク油」

 

「鈴々も同じものなのだ」

 

出てきたのは見た目も中身もインパクト抜群なラーメン

 

「(な、何だよこれ!!この店、のちのラーメン○郎か何かか!!)」

 

「(絶対、絶対太る……これ全部食べたら絶対に太っちゃう……)」

 

麺どころかスープすら見えない溢れ出す程に乗せられた野菜炒めにニンニクにチャーシュー

 

「あ~食った食った」

 

「美味しかったのだ~」

厳顔と鈴々は難なく完食しご満悦な表情で、町を歩く二人

 

「な、なんとか食べたぞ」

勇作も何とか完食した

 

「「「………」」」

 

桃香達は苦しそうに呻いていたその後をトボトボとついていく

 

「よし、この調子でもう一軒行くか」

 

「賛成なのだ」

 

「(まだ食うの!!)」

 

勇作達は顔を引きつらせる

 

「次のラーメン屋はこってりとした汁が天下一品で……ん?どうした?」

 

「厳顔さん……私達、もうラーメンは……」

 

「おいおい、つまらん遠慮は無しにしよう」

 

「あの、ここに来るまでに本屋さんがあったんですけど、私書物が好きなのでそこに行ってみたいんですが……」

 

「わ、私も書物が好きなので!」

 

「た、たんぽぽも!」

 

「厳顔、早く天下一品のラーメン食べに行くのだ」

 

「いや、だが……」

 

「わ、私達の事は気にせず、鈴々ちゃんと行って下さい」

 

「そうか……では、そうするか。もし迷ったら厳顔の屋敷と言えば、この町の者なら誰でも知っているから」

 

「は~い、ご心配なく…………」

 

厳顔が鈴々と立ち去った後、勇作達は一気にため息をつくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~危ないとこでしたね」

 

それからは四人で、町を散策する事にした

 

「たんぽぽも結構食べる方だけど、あれ以上はちょっと……」

 

「けど、鈴々ちゃんも厳顔さんもすごいよね。あれ食べてもケロッとしてるなんて」

 

「そうだね」

 

「それよりご主人様」

 

「ん?」

 

「その刀どうですか?」

 

勇作の腰にはさっきの刀を挿していた

 

「良い刀だよ」

 

「けど、あんなことして」

 

「それに関してはもう朱里から…」

 

無事、刀は手に入れたが、方法が悪かったのか朱里から説教を受けていた

 

「本当にびっくりしたんだから」

 

「ごめん」

 

謝る勇作

 

「(それにしても、あの刀を見た瞬間、すごく欲しくなったんだけどなんでなんだろう)」

 

「また明日あの店に行くだよね」

 

「ああ」

 

あの後、勇作の武器である応龍を店主に見せた所、あまり手入れされたいなかったようだったので、代金の代わりと言って手入れすることになり六本すべてを預けてきたのであった

 

「(目の色変えていたけど、盗んだりしないよね)」

 

心の中で心配をする勇作であった

 

「あ!」

 

すると、桃香はあるものを見つける。道端に置かれた大きめの箱。そこには、大量のひよこがいた。見た瞬間、その場に駆け寄る

 

「かわいい~ふわふわでピヨピヨだ~ねえ見て見て、この子達すっごくかわいい………あれ?」

 

振り返ると、勇作達の姿が見当たらない。はぐれてしまった桃香であった




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