TV版恋姫†無双・・・覇気と六爪流を使う転生者   作:ヒーロー好き

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第十席 張飛と馬超、試験を受けるのこと

袁紹の屋敷では鈴々と馬超は袁紹に招待され食事をご馳走になっていた。

 

「おいしいのだぁ~♪」

 

「うめぇ~♪」

 

「おっほほほ!良い食べっぷり沢山召し上がれ、それにしても今日の貴女達の闘いぶりは本当に見事でしたわ!」

 

「いや~♪」

 

「そこで貴女達に相談なんですけど、もし良かったら我が袁家の客将になって頂けませんこと?」

 

「「ん?」」

 

「客将って何なのだ?」

 

「う~ん?まあ、簡単に言えばお客さんみたいなもんだな~」

 

「ふ~ん、客将になったら毎日こんなご馳走を食べられるのか?」

 

「おーっほっほっほっほ!!もちろんですわ!朝昼晩と最高の料理人が振るった料理をお出ししますわよ」

 

「だったらなるのだ!」

 

「少しの間ならいいかな♪」

 

「おーっほっほっほっほ!!」

 

そのやり取りを扉を少し開け文醜が見ていた。

 

 

 

顔良の部屋。顔良は鏡に向かって自分のお腹のお肉を摘んでいた。

 

「う~ん、ここんとこ出陣してないから運動不足かしら?」

 

『バァン』

 

「斗詩!大変だ!」

 

「何よ!猪々子、いきなり入って来ないでよ!」

 

「麗羽様、どうやら馬超と張飛を召し抱えるつもりみたいだぞ!」

 

「良いじゃない、あの二人強いしきっと戦力の増強に・・」

 

「何のんきなこと言ってんだ!今ではアタイ達、麗羽様の側近だけれども、もしあんなバカ強い相手が入って来たら・・」

 

「た、確かにそうね」

 

「ど、どうする?!」

 

「どうするって言われたっても・・ああ!そうだ!」

 

自分達の居場所の危機を察した顔良は思い付き文醜に耳打ちをした。

 

 

 

 

鈴々と馬超は袁紹の屋敷にそのまま泊まった翌日の朝。文醜と顔良は袁紹に話をした。

 

「張飛と馬超を召し抱えるのをやめろですって?」

 

「い、いいえ、そうは言ってないのですけど」

 

「あの二人の強さは昨日貴女達も見たでしょう?あれだけの豪傑を配下にすれば、きっと曹操の鼻を明かせてやれますわ♪」

 

「武勇に優れているのは認めます。あの二人、強く賢く美しくを掲げる袁紹軍の将に相応しいかどうか」

 

「ふ~ん、確かに余りお上品とは言えませんわね」

 

「「ですよね~」」

 

「(私達も馬賊出身で人の事言えないけど)っで、そこで一つ提案があるのですけど」

 

「提案?」

 

「はい、馬超と張飛が麗羽様の配下に相応しいかどうか試験をするんです」

 

「なるほど、適性試験というわけね」

 

「はい!」

 

「良いでしょう」

 

「「ああ♪」」

 

「(ようし!これであの二人に無理難題を吹っ掛けて試験に失格したからってお払い箱にすれば)」

 

「では、試験の課題は私が出します」

 

「「ええ?!」」

 

「それで、あの二人と勝負しなさい」

 

「勝負・・ですか?」

 

「勝って、貴女達があの二人より優れている事をお見せなさい、そうすれば今まで通り私の側近は貴女達・・・ただし、もし負けたりしたら」

 

「負けたりしたら?」

 

文醜が聞き返したら袁紹は手で首を切る動作をしながら言った。

 

「これよ!こ・れ!」

 

「ええ!それって斬首?!」

 

「違うわよ!クビよ!お払い箱って事よ!」

 

「なんだ~良かった、良かっ・・って、ええ?!」

 

 

 

試験会場。

 

「さあ!突発的に始まった袁紹軍適性試験!張飛、馬超の新参組とお馴染みの文醜、顔良組がぁ!強さ!賢さ!美しさ!の三つを競います!」

 

〈わぁーー!!〉

 

「では、まず賢さの試験から」

 

袁紹の合図で舞台にはイス、マジックハンド、吊されたバナナが用意された。

 

「って、これは///」

 

「アタイ、こういうのは苦手何だよな~」

 

「いや、苦手とかそういう事じゃ無くて」

 

文醜と顔良が会話している間に鈴々が動いた。

 

「あれを取るぐらいなら簡単なのだ!こうやって」

鈴々はイスをバナナが吊してある真下に動かし乗り手を伸ばした。

 

「あれ?届かないのだ」

 

それを見ていた顔良は呆れ顔した。

 

「馬鹿だな!こういう時は道具を使うに決まってるんだろう!ほら!」

 

馬超はマジックハンドを拾いそれを使って取ろうとしたがギリギリ取れない所を見ていたが顔良は我慢ならず動いた。

 

「あのこれって、こうやってこうすれば簡単なんじゃ」

 

顔良はイスを動かし、その上に乗りマジックハンドを使いバナナを取った。

 

「ほう!」

 

「その手が有ったのだ!」

 

「どうだ!知力34の力を見たか!ダアッハハ!」

普通に納得する馬超と張飛に、偉そうに高笑いする文醜。だが正直な話、顔良は複雑なことこの上なかった。

 

「う~、勝ったのに何か嬉しくないぃ~」

 

賢さ試験は文醜、顔良が勝利した。

 

「次は我が配下に不可欠な美しさの試験ですわ!おーっほっほっほっほ!!」

 

舞台裏の控室には色々な衣装が用意されていた。

 

「面白い服がいっぱいなのだ!」

 

「まいったな、私。おしゃれとかあんまり・・」

 

馬超は渋々、服を選んだ。

 

「さあ!そろそろ準備が出来たようです!それでは先ずは張飛、馬超組です!」

 

「がお~がおがお~なのだ~!」

 

『ハッハハハハ!』

 

鈴々はトラの着ぐるみを着て登場、会場は笑いに包まれたが・・・次の瞬間はたと笑いが止まる。そこにいたのは……非常にかわいらしい服装の馬超だった

 

『おぉーー!!』

一部の観客から黄色い悲鳴が飛び交う。

 

「あんま・・ジロジロ見んなよ///私・・こういうヒラヒラしたのは似合わないって分かってるんだからな///」

 

「え、ええと馬超選手、一部の観客に激しく受けておりますが!それでは、観客の皆さん!審査、お願いします!」

 

美しさの試験は観客の丸の札の数が多い方が勝ちのルールであり観客達は一斉に札を上げた。

 

「なお、集計はキ州野鳥の会の皆様にご協力頂いています!」

 

双眼鏡を片手に会員達が丸の数を数える。

 

「集計の結果が出ました!87点!かなりの高得点!果たして、文醜、顔良組はこれを越えられるのか!」

 

舞台袖の文醜、顔良は。

 

「ちっ、中々やるな~あの二人~」

 

「ねぇ、本当にこの格好じゃなきゃとダメなの?!」

 

「今さら、何言ってんだ!一か八か、こいつで勝負だ!」

 

「でも、やっぱり~」

 

「行くぞ!」

 

「乱世に乗じて平和を乱す賊共め♪」

 

「漢王室に代わって成敗よ☆」

 

某少女達の衣装で文醜、顔良は登場だが完全な場違いで会場は冷めた。大人がやるには痛々しいその格好は。これには袁紹も引き、司会者も面倒臭さがりながら言った

 

「え~それでは、審査をお願いしま~す、あ~以外に点数が伸びませんね~ 87対13で張飛、馬超組の圧勝です!」

 

「やった~!」

 

「「・・・」」

 

文醜と顔良は色んな意味で死んだ二人は舞台裏の控室でも沈んでいた。

 

「負けた」

 

「色々捨てて頑張ったのに負けちゃったぁ~」

 

「では、最後は両者に強さを競って貰います!」

 

二組はそれぞれ武装をし立っていた。

 

「ただし、武器を取って撃ち合うのではなく、我が袁家に代々伝わるこの・・・」

そういって袁紹が取り出したのはなんと………股間に白鳥を模した飾りがついたマワシだった。

 

「華麗で優雅で壮麗な白鳥の回しを締めて女相撲で決着を着けてもらいますわ」

 

「「「「えぇー!」」」」

 

文醜と顔良は回しを着け張飛、馬超組を待っていた。

 

「え~盛り上がって来ました~泣いても笑ってもこれが最後の闘いですが張飛、馬超組の登場がまだ・・ん?え!」

 

司会者に近づいた男が何やら耳打ちをした。

 

「え、え~ここで残念なお知らせです、只今入った情報によりますと張飛、馬超組はこの最終試合を棄権するとの事です!」

 

「「えぇ!」」

 

張飛・馬超組は最終試合を辞退したのだ。

 

「いや~いくら何でもアレは勘弁して欲しいよな~」

 

「さすがの鈴々もあれはきついのだ~」

 

 

 

「この程度で逃げるとは華麗で優雅で壮麗な我が袁家の家臣は勤まりませんわ、二対一で文醜、顔良組の勝利とします!」

 

『わぁーー!!』

 

「勝った!私達、勝ったのね!」

 

「ああ!アタイ達は勝ったんだ!」

 

「代わりに何か大事なものを失った気がするけど勝ったのね!」

 

「「うわぁ~!」」

泣きながら抱き合うのであった

 

 

 

 

 

 

 

「結局、昨日は見つからなかったし、どこに居るんだー」

勇作は昨日、鈴々を見つけることが出来ず、今日も探していた

 

「ん?あれは・・・」

と何かを見つけ、見ると

 

「居た!?」

と走っていた

 

 

 

鈴々と馬超は鈴々の泊まっている宿に向かっていた。

 

「鈴々~!」

 

道の向こうから勇作が走って来た。

 

「お兄ちゃんなのだ!お兄ちゃん~!」

 

鈴々は勇作に向かって走り抱き着いた。

 

「おっと!一晩も宿に戻らなかったから心配したぞ」

 

「えへへ♪ごめんなさいなのだ、お兄ちゃんこそ何でここに居るのだ?」

 

「迎えに来たんだよ」

 

「そうだったのか、ありがとうなのだ♪お兄ちゃん♪」

 

「え、ええと張飛、誰なんだ?」

 

馬超が勇作の事が気になり聞いた。

 

「お兄ちゃんは鈴々のお兄ちゃんなのだ!」

 

「はあ!?」

 

「初めまして俺の名は高杉勇作、鈴々の義兄だ」

 

「ああ、アタシは馬超だ。よろしくな、高杉」

 

「鈴々、早く帰えるぞ!関羽殿が怒っている」

 

「わ、わかったのだ!」

 

「あ、あの~アタシも一緒にいいのか?」

 

「大丈夫な・・・はずなのだ!」

 

「本当か?どうなんだ、高杉」

 

「まあ、なんとかするよ・・・たぶん」

 

三人は急いで宿に帰った

 

 

 

勇作達が泊まっている宿。

 

「た、ただいまなのだ」

 

「コラーー!!」

 

「うにゃあ?!」

 

「今まで何処にいたのだ!ちゃんと宿で大人しくしていろと言ったのにフラフラと居なくなっては一晩、帰って来なくて高杉殿が探していてくれたのだぞ!」

 

「ごめんなさいなのだ」

 

「全く心配をかけて、高杉殿もすみません。探しに行って下さって」

 

「良いですよ」

 

「ん?お主は?」

と後ろから馬超が出てきた。

 

「あ、どうもアタシ馬超って言うんですけど」

 

「馬超はね、鈴々の新しい友達なのだ!」

 

「は、はあ」

 

「(まさか、ここで馬超と出会うとは・・・なんか慣れてきたなー)」


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