真・恋姫†無双~外史の運命を破壊する者~   作:ヒーロー好き

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拠点・春蘭の恩返し

「まあ、こんなもんかな」

俺は今、今日あったことの報告書に目を通し、まとめている

 

「・・・おれも見周りたかったけど・・・」

と白い布を三角巾の代用とし、つって支えている右腕を見る

 

「こうしてるんだがら・・・大丈夫だと思うんだけど・・・」

 

霞との手合せで怪我をしていた傷が悪化したため・・・このような状態・・・・・・

 

 

コンコン

 

と扉をノックをする音がした

 

「ん?どうぞ」

と返すが

 

トントン

 

とまた扉をノックをする音がした

 

「開いているよ」

と言うが

 

 

また扉をノックをする音がした

 

 

 

「誰だ?」

と席を立ち扉を開ける

 

「春蘭」

開けると春蘭が居た。両手で何かを抱えた状態だった

 

「うむ!よ・・・・・用があってきた!」

 

「何の用?」

 

「今、暇か?」

 

「まあ・・・」

 

「なら、ちょっと入らせてもらうぞ!」

 

「・・・おう」

と部屋に入ってきた

 

「・・・で、何の用?」

 

「・・・・・・・」

 

ドン

 

と机の上に何かが置かれた

 

「・・・え?」

 

「食え!!」

 

「・・・え、え?」

 

「食えと言っているのだ!」

 

「これ、何?」

 

「見てわかるだろう!」

 

「ええと・・・何?」

 

「杏仁豆腐だ!」

 

「杏仁豆腐う!!」

 

「そうだ!!黙って食えばいいのだ!!」

 

「・・・何で?」

 

「そ、そそそ・・・それはだな・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「礼だ!」

 

「え?」

 

「反董卓連合で私に矢が当たる所を助けてくれたからな・・・その礼だ!」

 

「・・・・・・・」

 

「な、何だ?」

 

「いや・・・別、そんなことで」

 

「そんなこともあるか・・・それとも何か!お前は私の料理が食えないとでもいうのか!」

 

「そ、そんなわけないよ!遠慮なくいただきます!」

 

「う、うむ!それで良い!」

と食べようとした時

 

「あれ?」

 

あることに気付いた

 

「これ、誰が作ったんだ?」

 

「・・・・・わたしに決まっておろう!」

 

「え!!」

 

「な、何をそんなに驚く!」

 

「いや・・・なんでも・・・」

 

「ならば、さっさと食え!」

とレンゲですくって、食べようとした時

 

「おい!」

 

「今度は何?」

 

「右腕は大丈夫なのか?」

 

「ああ」

 

「だが・・・その状態では・・・食べられないではないか!」

 

「心配ないよ・・・左が使えるし」

 

「そ、そうか」

それで一口

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・おいしい」

 

「え?」

 

「美味しいよ!これ!」

 

「そ・・・そうか」

思わず進む

 

「なあ、翼」

 

「ん?」

 

「お前!左でよく食えるな」

 

「?」

 

「いや、いつも右手を使っていたから・・・その」

 

「ああ、なるほど」

と言おうとしていたことが分かった

 

「利き手じゃないほうで上手に食べているから・・・不思議なの」

 

「うむ!」

 

「俺、もともと左利きなんだ」

 

「そ、そうなのか」

 

「ああ」

 

「なら、何で右に変えたのだ」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

『な、何するの?』

 

『貴様がいつまでも左手で箸を使っている姿が気に入らないんだよ!皆は右手を使っているのにな!!』

 

『そ、そんな・・・いくら何でも!!』

 

『問答無用だ!!親のいう事が聞けないなら・・・こうしてやる』

 

『や、やめて!!!!!!あああああああああああ!痛い!痛いよ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

「どうした」

 

「別に・・・一人だけ仲間外れされるのが嫌だったからだよ」

 

「そ、そうか」

 

その後、どんどん食べ

 

「ごちそうさま!美味しかったよ!」

 

「うむむ・・・・・・まあ、食ったのならよい」

とボウルとレンゲを片付ける

 

「怪我人はしなくていい」

と春蘭が変わりに片付けた

 

「ああ、すまん!」

 

「じゃあな・・・怪我早く治せよ」

とご機嫌な様子で部屋から出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

一人になり

 

「(・・・・・・一人だけ仲間外れされるのが嫌だったから、それだけならどんなに良かったか)」

と仕事に戻った

 

 

 

 

 

 

 

あの後、流琉と秋蘭が腹痛で倒れたと季衣から聞いた

心配でお見舞いに行った。理由を聞くと杏仁豆腐が原因を聞いた

なんでも俺が食べたのは・・・流琉と秋蘭が作ったもので、春蘭が作ったのは流琉と秋蘭が食べたそうだ

それは春蘭に言わないでおこうと秋蘭と約束した


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