真・恋姫†無双~外史の運命を破壊する者~   作:ヒーロー好き

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Dの恐怖/迫る危機

翌日。偵察から入って来た報告は驚くべきものだった

 

「・・・・・・・・・・・・虎牢関が、無人?」

 

「はい。袁紹が偵察を放った所、中には呂布どころかネコの一匹居なかったそうで」

 

「何の罠かしら」

 

「分かりません。呂布も張遼も健在な現状、虎牢関を捨てる価値はどこにもありませんし」

 

「都に立てこもって、本土決戦したいだけかも・・・」

 

「虎牢関が落とされた後ならまだしも、今の段階でそれをする意味がわからないわ。まだ攻略は始まったばかりなのよ?」

 

「黄巾の時の我々のように、他所から挙兵があったとは考えられませんか?」

 

「そんな報告も入っていないわ。そもそも挙兵したい諸侯が集まったのがこの連合軍なのだから・・・他所でそれほど大きな勢力が現れるとも思えないし・・・・・正直、義勇軍ほどの兵力に虎牢関の全戦力はいらないわよ」

 

「小規模な敵なら、誰か将を一人もっていけば済む話か・・・・・・」

 

「それに都での籠城戦となると、民にも心を配らねばならない。それをするくらいなら、兵しかいない砦で籠城した方がはるかに負担が少ないわ」

 

「やっぱ罠かなぁ?」

 

「そうとしか思えない・・・・・・・のだけれどね」

 

「いっそのこと、どこかの馬鹿が功を焦って関を抜けて行ってくれば良いのですが・・・・・・」

 

「さすがにそんな馬鹿はいないでしょう。春蘭でもそこまではしないわよ」

 

「だから華琳さま、どうしてそこで私を引き合いに出すのですか・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・なあ、華琳」

 

「なに?翼」

 

「気になることがあるから行っていいか?」

 

「・・・・・・・・」

というと皆絶句した

 

「どうしたの?」

 

「まさか、春蘭以上のバカがいるとは・・・」

 

「おい、荀彧!どういうことだ?」

 

「アンタ、さっきの話聞いていたの?」

 

「聞いていたよ」

 

「じゃあなんでに行くって言ったのよ。虎牢関に行ったって」

 

「・・・・・・おい!」

 

「何よ!?」

 

「あのな、行くと言ったが虎牢関に行くなんて一言も言ってないぞ」

 

「え?じゃあどこに行くのよ」

 

「・・・都だ」

 

「都ですか」

 

「ああ、ちょっと気になってね」

 

「気になる?」

 

「ああ、都で何かあったんだと思うんだ。だから直接見に行きたいんだ!」

 

「でも、それだと他の人に見つかるじゃ・・・」

 

「大丈夫だよ。これがあるから」

と俺はカードデッキを見せた

 

「それなら誰にも見つからないわね」

 

「あの、兄様?それは?」

 

「流琉は、知らないんだったな」

 

「ボクが教えるよ!」

 

「そうしてくれ・・・」

 

「・・・分かったわ。行って良いわよ」

 

「ありがとう」

 

「ただし、何かあったら直ぐに戻ってきなさい」

 

「了解!」

と翼は水の入った壺にカードデッキを翳すと、ベルトがあらわれ

 

「変身!!」

と言いカードデッキをベルトに入れ、龍騎に変身した

 

「!?」

何も知らない流琉は驚いた

 

「じゃあ、行ってくるわ」

バイクを押しながらミラーワールドに入った

 

「え?どうなっているのですか?」

 

「ああ、それは・・・」

と季衣が言おうとした時

 

「華琳さまー。いま連絡があって、袁紹さんが虎牢関を抜きに行ったのー」

それを聞き、皆驚きた

 

「やれやれ。汜水関の時は散々言ったクセに、今度は自分が抜け駆けとはね。・・・・・・・まあ、たまには馬鹿に感謝するのも悪くないかもね」

と全軍虎牢関に向けて移動を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じころ洛陽

 

「・・・そう。虎牢関は連中の手に落ちたのね」

 

「虎牢関の件は間が悪かったとしか言えないのです。それより、月殿に何事も無くて、何よりなのですよ」

 

「・・・・・・・ありがとうございます」

 

「気にせんでええよ。みんな月のことが好きでやってるんやから。それに月は偉いんやから、もっとこうどーんとしとったらええねん」

 

「・・・・・・はい」

 

「せや。詠、ちょっと見て欲しい件があるんやけど・・・・・・来てもろてええか?」

 

「いいわよ。恋、月を見ていてもらって・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・ぐぅ」

 

「おーい、れーん。ちょっと起きてぇな。月の膝枕とか、なに全力で役得満喫しとんねん!」

 

「・・・・・・・・・・気持ちいい」

 

「そりゃこんな若くてかーいい子の膝枕やから、柔らかくてええ匂いなのは分かるけどな・・・・・・ウチもして欲しいわ」

 

「あの・・・・・・霞さん」

 

「ねね。何かあったら、恋を叩き起こしなさいよ」

 

「いちいち言わなくても分かっているのです。さっさと行ってくるのですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠と霞は城壁の上に来た

 

「で、何?」

 

「月に手ぇ出そうとした十常侍の手下・・・」

 

「報告は聞いたわ。ありがとね」

 

「けど、まさかまだ生き残りが居たとは・・・」

 

「ええ、私も油断したわ」

 

「全員、翼と一緒に倒したはずやからな・・・・・・けど、お偉いさんっちゅうのも難儀なもんやなぁ」

 

「霞には悪かったと思ってるわよ」

 

「ウチの事なんぞどうでもええねん・・・・・・あ!あと翼に会ったで」

 

「戦場でしょう」

 

「・・・せや」

 

「仕方ないわよ。こうなってしまった以上・・・アイツは悪くないわよ」

 

「けど翼も今回の事、納得して無かったようやったし、苦しんでいるようやったに見える」

 

「そう・・・」

 

「それに翼、『ごめん、月は悪くないのに』って言っとだで」

 

「・・・・・・・」

 

「今後、どうするんや、詠」

 

「ボクは・・・」

とその時

 

「きゃああぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

悲鳴が上がった

 

「「!?」」

二人はそれに驚いた

 

「この声は、月!」

 

「月に何かあったかもしれへん!急ぐで」

 

「分かったわ」

と二人は月の居る場所に行った

 

 

 

 

 

 

 

 

月が居る場所では月達は化け物に襲われていた

 

「恋さん!?」

 

「恋殿!?」

 

「くっ!」

 

「くくく・・・凄い!凄い!体に力が漲ってくる!おれは最強の力を手に入れたんだ」

 

「何が最強なのですか!恋殿が最強に決まっているのです!」

 

「何が最強だ!そいつがこの俺に手も足も出ないのにな・・・・・」

 

「くっ!」

 

「さて、董卓でも始末しるか・・・本当はアイツも始末しようと思ったが・・・まあいい」

 

「月はやらせない!?」

と月の前に立つ

 

「無駄なあがきだ!」

と攻撃しようとした時

 

「恋、大丈・・・・・・・な!?なんやこいつは」

 

「月!?無事・・・・・・・・!?」

 

「また、来たか」

 

「何!この化け物・・・」

 

「分からないのです!突然襲ってきたのです」

 

「貴方は何者なのですか!?」

 

「俺か・・・・・・・俺は」

人間の姿に戻り

 

「お前たちに復讐するために戻ってきたんだよ」

と言う男の手にはDのイニシャルが書かれた白銀と青のメモリーが握られていた


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