真・恋姫†無双~外史の運命を破壊する者~   作:ヒーロー好き

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拠点・季衣と岩とコンボ

俺は今、華琳と季衣と一緒にある所へ視察しにいく所だ

 

「長いな」

 

「そんなこと言わない」

 

長時間、バイクに乗ったのは、初めてだ・・・ちょっと痛いな

 

「今日中には視察を済ませたいのだから、少し急ぐわよ」

 

「そうだな・・・・・・というか季衣」

 

「ん?」

 

「何で俺の後ろに乗っているの?」

季衣は俺の乗るバイクの後ろに居た

 

「えぇ!駄目だった」

 

「俺は構わないけど、季衣は馬は乗れるのだろう」

 

「うん・・・でもこっちの方が良いから・・・」

 

「そうか・・・しっかり掴まってよ」

 

「はーい」

と俺はバイクの速度を上げた

 

「・・・・・・・・・・」

華琳はその様子をずっと見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処か」

しばらくすると、ある村に着いた

 

「季衣、降りるぞ」

 

「はーい」

 

「前から思っていたけど、季衣も馬に乗れるんだな」

 

「・・・・・・そりゃ、乗れるよ」

 

「乗れるもないも、私の軍で馬にまともに乗れないのは多分あなただけよ。翼」

 

「そ、そうなのか・・・・・・。荀彧は?(運動神経鈍いから、きっと・・・・・・)」

 

「普通に乗ってるの、見たことあるよ」

 

「・・・・・・・・・・・・マジか」

 

乗れない方が恥ずかしいのか・・・なんか自転車の気軽さみたいなものなのか?

 

「まあ、貴方にはそれがあるし、馬に乗ることは無いでしょうけど・・・一応人並みには乗れるようにしておきなさい」

 

「・・・・・・わかった」

 

「そんなに難しくないから、兄ちゃんならすぐに乗れるようになるよー」

 

「そっか、頑張るよ(お世辞でもうれしい)」

と思ってしまう俺

 

「けど、華琳。ずいぶん急な視察だったな」

 

近く開墾できそうな土地があると、今朝の会議であり、その場で華琳は視察に出ると決め、俺たちが来たのだ

 

「必要だったから急がせたまでよ」

 

「まあ、確かに街の仕事不足は深刻な問題だけどさ」

 

最近の街の一番の問題は、深刻な仕事不足。兵役にも限界があるし、大変な問題につながる

 

「それだけではないわよ」

 

「そうなのか?でも、公共事業の拡大が先決まって・・・・・・」

 

「田畑を作っても、植える物の時期を逃せば無駄な空き地を作るだけになるでしょう」

 

「・・・・・・そうなの?」

 

「そりゃそうだよ。今すぐ畑を作り始めれば、秋は無理でも、冬に収穫できる野菜を植えるのにはギリギリ間に合うだろうし」

 

「種や苗の手配もすぐに準備出来るわけではないしね。次の作物を植える時期まで人手を飼い殺しておけるほど、こちらに余裕はないのよ」

 

「土地の開墾計画ひとつ取っても、色々下準備がいるということか・・・」

 

俺のいた所だと、トラクターを使っていたし、ここだとすべて人力だしな

 

「こんなもの、武将どころか辺りの農民でもしていることよ。大陸の行く末を見据える以前の問題だわ」

 

「食糧の確保だけじゃないんだな・・・」

 

「食糧の確保も大事な問題よ。けれど、食糧、住居、仕事・・・・・・そのどれを蔑ろにしても、庶人達から見捨てられてしまうでしょうよ」

 

「王者ってのは、大変なんだな」

 

「それをしてくれるから、ボクたちは華琳さまにお仕えしてるんだよ」

 

「(大変なことをしているから王と呼ばれる・・・・・ってことか)」

 

「季衣の言う通りよ。・・・・・・さて、荷物を置いたら、すぐに視察に出掛けるわ。ここで遅れた半日は、計画を半年遅らせると思いなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この辺り・・・・・・?」

村の人に案内されたのは、見事までの荒野だった

 

「なるほど。開拓し甲斐がありそうね・・・・・・」

 

「そんなもんなのか?(ものすごい荒れ野だけど)」

 

「これなら、いい畑になりそうですねー」

 

「・・・・そうなの?」

 

「翼。この辺りの土地を手に入れるとして、どのくらいの規模の人手と期間が必要かしら?」

 

「何で俺に聞くの?」

 

「天の国の知識は、こういう時に役立てるものでしょう。どうなの?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・わからない」

 

「学校とやらで教わらないの?」

 

「うん」

華琳には、学校がどんな所なのかは、話してある

 

「・・・・・・農業は国の基礎でしょう。それを学ばずに済ますなんて・・・・・・役に立つのか立たないのか、よく分からないわね。学校というものも」

 

「耳が痛い」

 

「うーん」

 

「季衣、何か意見があって?」

 

「この辺りなら、二百軒くらいかなぁ・・・?向こうの土地は、もうちょっと多くても大丈夫だと思いますけど」

 

「そう。やはりそのくらいかしらね」

 

「だと思います。土はそんなに悪くないから・・・あとは水だけ何とかすれば、秋が来るまでには何か植えられるんじゃないでしょうか?」

 

「なら、水路の工事で新しい人手を確保する必要があるわね・・・・・・」

 

「・・・・・・分かるのか?季衣」

 

「そりゃわかるよー。村じゃ、田んぼも畑もやってたし」

 

「(そうか。季衣はもともと、住んでいた村の用心棒みたいな事をしてたんだもんな)」

 

「けど、農業もやってたんだな。猟師でもしていたのかと思ってた」

 

「熊も捕まえてたけど、田んぼとかもやってたよ。でないと食べていけないし」

 

「そうなんだ・・・」

 

「なら、今から人手を集めて送り込めば、何とか間に合いそうね。大体の様子は分かったから、あとは城で詰めましょう」

 

「はーい」

 

「(さすが、経験者がいると話が早いな・・・・・・あれ?)」

 

「どうしたの、翼」

 

「これどうするんだ」

俺が指差した先には、大きな岩があり、俺の背丈よりも大きいそれは、作業の邪魔になるのは間違いない

 

「そうね・・・・・・翼、何かいい案はある?」

 

「(ここで俺に聞くって)仮面ライダーになれば破壊出来るけど・・・火薬って、あるのか?」

 

「火薬はあるけど、こんな岩を壊すために使えるほど安いものではなくてよ。岩ひとつ壊すのに、どれだけ予算を使うつもり?」

 

「そうだな(ダイナマイトで一発ってワケにはいかないか)」

 

「・・・ともかく、こんな岩なんかで作業を遅らせるわけにはいかないわよ。岩ひとつに1日2日もかけていては、それこそ種まきの時期を逃してしまうわ」

 

「そうだよな」

 

「出来れば、開墾の作業を始まるまでにはこんな邪魔な岩、無くしておきたいのよね」

 

「おいおい。無茶言うなよ。俺と季衣が力任せに壊していくしないぞ。今日中に終わらせるには・・・」

 

「いいよ」

 

「・・・・・・・・・・・・へ?(おい待て!薪割りなんかとは、レベルが違うんだぞ?)」

 

「季衣、いける?」

 

「もちろんですっ!」

 

「おいおい・・・・・・マジかよ・・・・」

 

「じゃ、華琳さま、兄ちゃん、ちょっと離れててね」

と言われ、岩の周りから距離を置いた

 

「お、おう・・・・・・」

 

「いっくよーーーーっ!」

と声と共に

 

「えいっ!」

たいして気合も入れていないような声とともに響きわたるのは・・・・・

 

 

ドゴーーーーン!!

 

 

「・・・・・・・マジかよ」

一撃で粉々、見事なまでに

 

「まじー!」

 

「小さな石を片付けるだけなら、そう大した仕事ではなさそうね」

 

「・・・・・だな。この大きさの石なら、水路の石垣や堀にも使えるだろうな」

 

次に見つけた岩塊は、さっきよりもはるかに大きい物だった

 

「いくら何でも、これは無理だろう・・・・・・」

 

「季衣、何回でいけそうかしら?」

 

「こんなの、一発で十分ですよー」

 

「さっきのより何倍もあるぞ・・・これ」

 

「余裕だってば。それじゃ、華琳さま。いきますよー!」

 

「ええ。存分にやりなさい」

 

「えーーーいっ!」

 

ズドーーーーーン!!

 

「おい、嘘だろう・・・・・・・」

 

ガラガラと俺たちの足元に転がってくるのは、さっきまで大岩だった物体だ。ただの石ころと化している

 

「なら、目に付く岩は端から壊しておきましょう」

 

「了解ですっ!」

 

「さて、俺もやるか!」

 

「兄ちゃん、どっちが多く壊せるか勝負だね」

 

「そうだな。でも負けないよ!」

 

「ボクだって・・・」

 

そして俺と季衣による岩壊し勝負が始まった

 

 

 

 

 

 

『ファイナルアタックライド・・・・・・ディディディディケイド』

 

「おりゃ――!?」

俺はディケイドになり、必殺技で岩を壊したり

 

『スキャニングチャージ!』

 

「せいやーー!?」

オーズのタトバコンボになり同じく必殺技で壊したりとあらゆるライダーになり、壊していった

 

ドゴォォォォーーン!!

 

季衣も見つけては壊していった

 

 

 

 

そして

 

 

「・・・・・・さすがにこれは、無理かしらね」

最後に残ったのは、岩塊とか大岩とかいうレベルじゃなく、ちょっとした小山、だった

 

「これが最後ですねーー!」

 

「・・・・・・これが最後か」

ちなみに俺は仮面ライダーオーズに変身している

 

「うーん。ちょっと大きいかなぁ・・・・・・・」

 

「・・・・・・これ壊せるかな」

 

「無理をする必要はないわよ。これだけ大きな岩なら、見張り台として使う方法もあるのだし」

 

「けど、ここって山から続く所ですし。多分、水路を引くなら邪魔になると思うんですよねー」

 

「なるほど。そう言われてみれば、確かにそうね」

 

「(何か、いつもの季衣と一味違うぞ!?)」

と心の中で思ってしまう俺

 

「本気でやらないと、無理っぽいなぁ・・・・・・」

 

「・・・・・・・え?」

 

「なら季衣、少し離れておくわね」

 

「はいっ!お願いしまーす」

 

「よし!俺も」

 

「兄ちゃん、最後は一緒にやろう」

 

「そうだな・・・やるか!」

と言いながら、二つのメダルを取り出し、トラ、バッタのメダルと入れ替えた

 

「ちょっと翼!?まさかコンボを使うつもり!?」

 

「そうだけど・・・」

 

「やめなさい!?それだけは・・・」

 

「わかっているけど、華琳も言っただろう・・・遅らせるわけにはいかないって」

 

「そうだけど・・・」

 

「なら文句ないね」

と言いながら、メダルを入れ換えてスキャンさせた

 

キンキンキンッ!

 

『タカ・クジャク・コンドル』

と音声が流れ全身が赤く輝くと共に炎を発する

 

『タージャードルー!』

翼は仮面ライダーオーズタジャドルコンボになった

 

「わぁ、あつい!」

と驚いた声で叫ぶ季衣

 

「ごめん・・・行くか!」

 

『スキャニングチャージ!」

 

と共に背中のクジャクウイングが現れ、飛び上がった

 

「兄ちゃんが飛んだ!?」

 

「・・・すごい」

 

「せいやー!?」

と飛翔しながら前方に発生した赤い3つのオーリングを潜り抜ける

 

「よし、ボクも」

と季衣も居合を入れ

 

「いっくよーーーーーーーー!」

武器を振りまわし

 

「でえええええええいっ!」

 

 

 

ドゴオオオオオオオオーーーーーーーン!!!!

 

 

岩に同時にぶつかり、大音が響いた

 

「・・・よし!終わり」

と俺は地面に着地し、変身を解いだ

 

「二人とも、お疲れ様・・・良い働きだったわ」

 

「えへへー」

華琳に頭を撫でられてニコニコする季衣

 

「(岩山を粉砕する剛勇の持ち主だなんて思う奴は・・・・・・いないだろう・・・・・うっ)」

と俺が思っていると、不意にめまいが襲い、両膝をついてしまう

 

「兄ちゃん!?」

季衣が心配そうに近ってくる

 

「だから、コンボはやめなさいと言ったのよ!」

 

「ごめん」

 

「まあ、いいわ・・・立てるかしら?」

 

「ああ、何とかね」

とフラフラしながら立つことが出来た

 

「まったく・・・二人とも、今日は此処に止まりだから、夜に私の部屋に来なさい。ご褒美をやるから!」

 

「ホントですか?やったぁ!」

 

「おいおい・・・(まさか華琳、春蘭や荀彧みたいな事をする気じゃないだろうな・・・・・・?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜

 

「兄ちゃん、大丈夫?」

 

「何とか・・・ね」

フラフラしながら、華琳の部屋の前に来た

 

「(何をする気なんだろうな・・・)」

 

「華琳さまー。ボクですー」

 

「季衣。翼も一緒?」

 

「はい。兄ちゃんも一緒ですよー」

 

「なら、入りなさい。鍵は開いているわよ」

 

「はーい」

 

「・・・・・・・」

 

「どうしたの?兄ちゃん」

 

「いや・・・・・・(行くか)」

俺は覚悟を決め、扉を開けた

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「わああーーーーっ!」

 

「・・・・・・・飯?」

華琳のテーブルの上には、大量の料理が並べてあった

 

「うわぁぁぁっ!これ、どうしたんですか!?」

 

「新鮮な食材がたくさん手に入ってね。私の手料理よ。存分に愉しんでちょうだい」

 

「華琳さまのお料理・・・・・・ホントですか?すごく美味しいって聞いていますけど、食べて良いんですか?」

 

「季衣へのご褒美と言ったでしょう?だだし、残すのは許さないわよ?」

 

「やったぁ!それじゃ、いただきまーーーす!」

 

「(何だ料理だったのか・・・)」

とホッとする俺

 

「どうしたの、翼?」

 

「いや、なんでもない」

 

「季衣、おいしい?」

 

「はいっ!むぐむぐ・・・とっても美味しいですっ!こんなに美味しいご飯食べたの、久しぶりかも!」

 

「ふふっ。なら良かったわ」

 

「(・・・幸せそうだな)」

 

「翼。ごらんなさい。季衣のあの幸せそうな顔」

 

「ああ・・・・・・」

 

「穢れを知らない、本当に愛らしい童女の顔よ。この純粋さは、今の季衣だけのものだわ」

 

「そうだな・・・・・・」

 

「翼、今の季衣に変なことを仕込まないで頂戴。いいわね?」

 

「・・・・・・わかってるよ」

 

「なら結構・・・・・・体は大丈夫?」

 

「何とかね」

 

「とりあえず、今後コンボを使う時は、私に許可を取ってからするように・・・いいわね」

 

「え!?」

 

「これは命令よ!」

 

「でも・・・」

 

「い・い・わ・ね!」

笑顔になりながら威圧ある声で言って来た

 

「わ、わかりました」

思わず返事をする俺

 

「(なんか華琳、いつもと違う感じがした)」

 

「・・・私の目の前であんなことをした罰よ」

 

「ん?なんか言った」

 

「何でもないわよ!ほら翼も食べなさい」

 

「はーい」

そして俺は華琳の料理を美味しく食べた


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