真・恋姫†無双~外史の運命を破壊する者~   作:ヒーロー好き

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拠点・弱音と初めて

華琳に呼ばれ、着いたのは城跡の上だった。見回りの兵がはるか遠くを歩いている程度で、俺達の他には誰もいない

 

「この辺りなら・・・・・・・いいわね」

 

「・・・・・・華琳?」

 

「翼、正直に言いなさい」

 

「・・・・・・うん?」

ただならぬ雰囲気に、俺は頷く

 

「初めて会ったあの日、貴方は私の名を知っていた。地名や他の単語には理解できない、異国の貴方が・・・・・・私や春蘭の名前にだけは、反応した」

 

「確かに俺は、曹操の名を知っていた。夏候惇も、夏侯淵も、荀彧たちもだ」

 

「では、桂花や季衣が私の部下になった事も知っていたというの?」

 

「予想は付いていた。けどいつ曹操の部下になるかまでは分からなかった。でも名前を聞いた時は・・・・・・彼女達がか、と思ったよ」

女の子だったことには、驚いたけど

 

「ただ、俺の知っている曹孟徳とここにいる華琳は明らかに別人だし・・・・・・他のみんなも同じだ。それに凪達が俺の部下になるってのは、さすがに予想出来なかったよ」

 

「貴方の知っている歴史に、貴方自身の名は?」

 

「紅翼という名は、影も形もない」

 

「別人の名になっている可能性は?」

 

「わからないけど、俺が持っている仮面ライダーの力が無ければ、否定はできない」

 

「なるほど・・・・・・貴方の参入で、歴史の進むべき道が狂っていく可能性もある・・・・・・ということね?」

 

「否定は出来ないな。それがどういう結果を生むのかも」

 

「・・・・・・そう」

 

「この先何が起こるか分かれば、手助けになれたんだろうけど・・・・・・」

 

俺を城壁みたいな人気のない所に、連れてきて、こんな話をされたんだろう。未来が分かるとすれば俺を利用しようと思う奴も出てくるだろうし・・・何より仮面ライダーの力もほしくなる奴も出てくるだろう

 

「構わないわ。予言と妄想とも取れない貴方の言葉を助けにしようとした、私の甘さだもの」

 

「意外だな・・・・・・華琳がそんな弱音を吐くの」

 

「・・・・・・弱音?私が?」

 

「華琳だって人間だものな・・・・・・この先どうなるか心配になるくらい・・・っ!?」

 

俺が言い終わる時、何か危険を感じとり、後ろに下がるが

 

「うわっ!」

 

バランスを崩し、後ろに倒れた

 

「いててててて・・・・・!?」

起き上がろうするが

 

シャキ

 

華琳が上に乗ってきた。そして同時に俺の首元にひたりと冷たい感触が伝わってくる・・・・・・俺は横になったまま。華琳は俺のお腹の上に乗っかって、絶を首に引っかかったまんまの体勢だ

 

「誰が、弱音を吐いたですって?」

 

「何でこの国の連中はそうすぐに他人に刃を向けたがるかなぁ・・・・・って刃が首に当たってマジで切れる!?」

 

「これに懲りたり、二度とこんな言葉は口にしないことね」

 

「そうします・・・・(うぅ、首筋に冷たい感触がまだ残っている)」

 

「華琳。俺の知っている歴史だから、参考にはならないかもしれないけど・・・・・」

 

「役に立つかどうかは私が判断するわ。行ってごらんなさい」

 

「(出来るなら、この鎌を引いてからにして欲しいんだけど・・・・・・)」

心の中で思う翼

 

「この先、この大陸では黄巾党の乱みたいな事がたくさんあって・・・・・・数え切れないほどの戦いが起こる事になる」

 

「今の私たちの予想が、そのまま現実になるということね」

 

そこまで言った所で、首元に掛かっていた威圧感がすいと消えた。華琳は無言のまま軽く首肯する。先程の言葉通り既に誰もが承知していることを、俺が補足したに過ぎないということもあるだろうし・・・・・・・

 

「それにあまり遠くの事を知ってしまうと、目先の判断が狂いかねないわ」

 

「そっか」

 

「(華琳には華琳の、ゆるがない信念があるんだな)」

 

「私に話はそれだけよ・・・・・・そういえば私にもお土産があるんだよね」

 

「あるけど・・・・・・」

 

「どうしたのよ?」

 

「あの華琳?この体勢やばくないか?」

 

さっき説明したが、今の状態を見ると、華琳が翼を押し倒している状態なのだ

 

「私は別に?」

 

「いや、もし誰かに見られたら・・・・・・・」

 

「構わないわよ。それより早く出しなさい」

 

「・・・・・・・わかった」

 

俺はポケットから赤いリボンを取り出した

 

「・・・これが、私へのお土産?」

 

「そうだよ。いろいろ考えたけど、華琳が喜びそうなものがわからなくてね。でも華琳も女の子だし、髪を止めるのに使ってよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「気に入らなかった?」

 

「いえ、うれしいわ・・・ありがとう」

と華琳が笑顔で言って来た

 

「・・・・・・」

 

「どうしたの?翼?」

 

「いや、喜んでもえらてうれしいと思っただけだよ」

 

「そう・・・・・・・」

 

「あの早く降りてくれない」

 

「・・・・・・」

 

「華琳?」

 

「やっぱり物足りないわ!貴方からもう一つお土産を貰うわ」

 

「な、何言っているの?もうお土産はない・・・・・・っ!?」

 

俺が言いかけた時、華琳の柔らかい唇が、俺の唇を押さえつけた。身動きが取れない上に、突然のことにパニックになる寸前だ

 

「ン・・・・・・んぅ・・・・・っ・・・・・ん、ちゅ・・・・・・」

 

「(お、俺、か、華琳とキスしている!?)」

 

華琳にキスされた驚きと興奮で、乾きそうになる唇だけど、華琳の唇がそこに唾液を塗り広げ、しっとりと濡らし直してくる

 

「・・・・・・んぬぅ・・・んちゅぅ、ちゅ・・・・ちゅ、うぅ・・・・・ぬちゅ・・・っ」

 

「(うう、華琳の唇、すごく柔らかい・・・・・)」

 

「ちゅぅ・・・・ちゅぷ・・・・・・ぷはぁ」

 

二人の唇の間に、唾液がすっと糸を引く

 

「・・・・・・・」

 

「もしかして、初めて?」

 

「・・・・・・・コクッ//」

 

顔を真っ赤にして頷く翼

 

「ふふ、かわいい」

と言うと、華琳は俺の上から降りた

 

「・・・・・・」

翼も起き上がるが、立ち上げることが出来ない

 

「(やばい・・・ドキドキが止まらない)」

 

「(口づけでこんなにも弱くなるなんて・・・・・・かわいい、翼)」

 

今の翼の状態を見て、心の中でそう思う華琳

 

「お土産、ありがとう・・・・・・」

 

華琳は翼の耳元で囁き、翼から離れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が、弱音、ね」

と言いながら、翼からもらったリボンを見る

 

「(そういえば、男と口づけした初めてだったわ。なんか恥ずかしいけど、翼のあんな姿を見れたし、良しとしますか)」

とご機嫌な様子で仕事場に戻って行った


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