真・恋姫†無双~外史の運命を破壊する者~   作:ヒーロー好き

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呂布との出会い、翼の新しい軍旗

「・・・・・・・・・・ふぅ」

 

 

城まで目前の帰り道。凪は小さく溜め息を吐く。

 

 

「凪、お疲れさん」

 

「ああ、隊長、みんな・・・・・・」

 

「凪ちゃん、今回は大活躍だったねー。華琳様もすっごく褒めてたの」

 

「そんな・・・・・・私なんて隊長に比べれば・・・・・・」

 

「そう謙遜しなくてもいいだろ。もっと胸を張れよ」

 

「はい・・・・・・」

 

「うーむ、どうも表情が硬いですねぇ。こういう時は笑顔が一番ですよ?」

 

「隊長の言う通りなの。ほら、凪ちゃん、もっと笑顔になるのー! ほら、むにむにー♪」

沙和が凪を笑わせようと頬をむにむにと引っ張る

 

「こ、こら、沙和……やへふぇ、やめふぇっへ!」

 

「お、沙和ぁ! こっちもうちょっと、引っ張った方がええんちゃうか?」

真桜も悪乗りして、加わってくる

 

「ひゃへー! ひゃへろ、たいひょたひゅけへ!」

凪は翼に助けを求めるが・・・・・・

 

「ん? 凪はもう少し笑うようにした方がいいぞ。なあ、お前ら」

 

「そうなの。凪ちゃんはもっと笑った方がいいの」

 

「せやろ。意見もまとまったところで・・・・・・!沙和、やってまえ!」

 

「おー! ほらほら、こっちもこうやってー」

 

沙和はさらに凪の頬を引っ張り出す

 

「やめひぇー!」

 

「さて、なら華琳から褒賞も受け取りましたし、城に着いたら隊のみんなで宴会でもしましょうか。華琳は軍議は次の日にすると言ってましたし、急ぎの荷解きだけ済ませて、残りは明日にしましょう」

 

「おおー! さすが華琳様、話が分かる!」

 

「わ、わひゃひは・・・・・・っ」

 

「主役の凪が来ないんじゃ意味が無いでしょう。真桜、沙和、今日は凪を絶対に逃がしてはいけませいわよ」

 

「任せときぃ!」

 

「沙和にお任せなのー!」

 

「ひょんなー!」

 

「・・・宴会・・・か・・・」

翼は乗り気ではなかった

 

 

「翼」

 

「ん?何?華琳」

 

「どうしたの?深刻な顔していたけど・・・」

 

「なんでもないよ」

 

「そう。貴方も当然来ますよね? 今回の戦いの一番の功労者なんですから」

 

「あ、ああ・・・・・・」

 

「そうだ!翼。貴方に頼まれた軍旗。出来たわよ」

 

「本当!?」

 

「ええ」

 

「隊長、良かったですね」

 

「ああ」

 

「城に帰ったら見せてほしいのー」

 

「わかった」

 

「決まりですね。なら、早いとこ用事を済ませちゃいましょう!」

 

「おーなの!」

と俺たちは陳留帰った。到着したら荷解きを手早く済ませ宴会をするはずだったのだが・・・・・

 

「・・・・ええと、だ」

 

俺達は荷を解く暇もなく、広間に招集をかけられた。真桜に沙和はもちろん、他のメンツ、特に荀彧はあからさまに不満げな表情である。

 

「華琳。今日は会議はしないはずじゃなかったのか?」

 

「私はする気はなかったわよ。貴方達も宴会をするつもりだったんでしょう?」

 

「宴会・・・・・・ダメなん?」

真桜が不安げに華琳に訊く。

 

「バカを言いなさい。そのために褒賞を貴方達にあげたのよ? ・・・・・・私だって春蘭や秋蘭とゆっくり閨で楽しむつもりだったわよ」

 

「(そういう事はもっと小声で言ってくれ)」

と翼は心の中で言った

 

「・・・・・・すまんな。みんな疲れとるのに集めたりして。すぐ済ますから、堪忍してな」

そこに、胸にはさらしを巻き、上に羽織をまとい袴に下駄と、かなり特徴的な服装をした女性が謝罪しながら広間に現れる。

 

「貴方が何進将軍の名代?」

 

「や、ウチやない。ウチは名代の副官の張遼や。よろしゅうな」

 

「なんだ。将軍が直々にというのではないのか」

 

「アイツが外に出るわけないやろ。クソ十常寺どもの牽制で忙しいんやから」

 

「(十常侍か・・・。この世界でも十常侍は悪党みたいだな)」

 

「ほれ、陳宮。さっさと用件を済ませんかい」

 

「分かっているのです。・・・・・・呂布様のおなりですぞー!」

 

「(何!?呂布だと)」

 

陳宮という少女の後方から、ショートヘアの赤髪で、二本だけ髪の毛が触角のように伸び立っていて首には長くて赤いスカーフを巻いている女の子ががやって来る。

 

「・・・・・・・・・」

 

「(あの子が呂布・・・でも俺が思っていたのとイメージが違うな・・・)」

 

「曹操殿、こちらへ」

 

「はっ」

 

陳宮に促され、華琳は呂布の下まで歩み寄り、片膝をつき、頭を垂れる。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「(あれ?何で喋んないんだ・・・)」

 

「えーっと、呂布殿は、此度の黄巾党の討伐、大儀であった! と仰せなのです!」

 

「・・・・・・は」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「して、張角の首級は? と仰せなのです!」

 

「張角は首級を奪われる事を恐れ、炎の中に消えました。もはや生きてはおりますまい」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「ぐむぅ・・・・・・首級が無いとは片手落ちだな、曹操殿。と仰せなのです!」

 

「・・・・・・申し訳ありません」

 

非難する陳宮の言葉に、華琳は淡々と言葉を述べる。

 

「(本当に三国最強と言われた、あの呂布か・・・・・・?)」

と翼は思った

 

「・・・・・・秋蘭、呂布が代理を務めてる奴って何者だ?」

 

「軍部の頂点に居るお方だ。朝廷での地位で言えば我々どころか華琳様すら足元に及ばん」

 

「何進といってね。皇后の兄で肉屋のせがれよ」

 

「肉屋のせがれが軍部の頂点かよ・・・・・・」

 

「仕方ないのでは? この時代では、皇帝の奥さんの身内ってだけで、いい地位に就けるぐらいですし」

 

「・・・・・・確かにな」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「今日は貴公の功績を称え、西園八校尉が一人に任命するという陛下のお達しを伝えに来た。と仰せなのです!」

 

「は。謹んでお受けいたします」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・ホント何も喋りませんね、彼女」

 

「ああ。陳宮が代りに代弁してるが、ホントに呂布の言葉なのか疑問だぞ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「これからも陛下のために働くように。では、用件だけではあるが、これで失礼させてもらう。と仰せなのです!」

 

「(これで、終わりか・・・ん?)」

と翼が思っていると

 

スタスタ

 

と呂布が俺に近ずいてきた

 

「・・・・・・・・・」

 

「どうしたの?」

 

「感じる」

 

「え?」

 

「強い力を感じる」

 

「あの、呂布さん」

 

「・・・・・・恋」

 

「え?」

 

「恋の真名は、恋」

 

「呼んで良いの?」

 

「・・・・・・コクッ」

 

「ありがとう」

 

ナデナデ

 

「・・・ん//」

と頭を撫でていると

 

「ん?」

何かを感じ視線を向けると

 

「ちんきゅーキーク!」

と俺に向かって飛び蹴りをする陳宮の姿が見え、思わず

 

「うわぁ!?ライダーキック」

と言いながら回し蹴りをした

 

ドカ

 

「ぎゃあ」

と見事に横腹に当たり、地面に落ちた

 

「何するや!?いきなり」

 

「うるさい。恋殿に何をしているのですか!?」

 

「真名を預けてくれたお礼に・・・」

 

「お前何かに恋殿が真名を許すなんて納得できないのです」

 

「そんなの恋に聞けよ」

 

「おのれー恋殿を呼んで・・・・・・ちんきゅーキーク!」

と言いながらまた飛び蹴りをしてきた

 

「またかよ。ライダーキック」

と俺も蹴り返した

 

 

 

 

 

 

「うわああああん!恋殿!」

と泣きながら呂布に抱き着いた

 

「ハァ、ハァ、終わった」

と何だかんだで、同じようなことが3回あり、終わった

 

「(俺、こんなに蹴り強かったっけ?)」

と思っていると

 

「ねね、いじめちゃ駄目」

 

「いや、最初にやってきたのはそっちの方なんだけど・・・・・・ごめん」

 

「ねね、許してあげよう?」

 

「恋殿」

 

「それと、いきなり蹴っちゃ駄目」

 

「うう」

と陳宮は俺に視線を向けて

 

「ごめんなのです」

 

「別にいいよ」

 

「ありがとう・・・・・・・」

 

「翼だよ」

 

「ありがとう、翼」

 

「そろそろええか」

 

「ああ」

と張遼が二人を連れて行こうとした

 

「なあ、恋」

 

「・・・ん?」

 

「強い力感じたって言ったけど、どこから?」

と聞くと

 

「・・・・・・」

と恋が指で俺の上着の右ポケットを指した

 

「(ここって)」

そこに入っているのは、龍騎に変身するアイテムのカードデッキだった

 

「ここから、感じるの?」

 

「コクッ」

 

「そうか」

 

「じゃあ行くで、すまんな。こっちの用事は済んだから後は宴会でも好きにしたってや」

 

「そうするよ」

 

「じゃ、失礼するで~」

と三人は帰って行った

 

「疲れた」

と言っていると

 

「翼」

と華琳がよんだ

 

「はい」

と視線を向けると

 

「・・・・・・・」

と皆が沈黙をしていた

 

「(なんだこの沈黙は)」

と思っていると

 

「翼」

と華琳が近づいてきた

 

「な、なに」

と困惑していると

 

「よくやってくれたわ」

 

「へ?」

 

「よくやってくれたな、翼」

 

「春蘭」

 

「本当よ・・・」

 

「あの、荀彧」

 

「仮にも都の将なのだが、よくやってくれた」

 

「秋蘭も、何で?」

と翼は困惑していた

 

「さっきまで気分は最悪だったけど、今はとても気分がいいわ」

 

「そうなの?」

 

「ええ、さて宴会でもしましょうか、明日は二日酔いで遅れてきても目をつぶるわ。思い切り羽目を外しなさい」

 

「やった!」

と季衣と喜んだ

 

「そうだな、さてと俺も何か作るか」

 

「おお、翼の料理か。久しぶりに食べれるなー」

 

「隊長の料理ですか?」

 

「楽しみなのー」

 

「じゃ厨房に行くか」

と行こうとした時

 

「隊長」

 

「ん?何?真桜」

 

「隊長の新しい軍旗を見せてくれんか?」

 

「・・・そうだな」

 

「兄ちゃんの新しい軍旗?」

 

「そうね。見ましょう」

と一人の兵が持ってきた

 

「ご苦労様」

 

「早く見たい」

 

「わかった」

と俺は軍旗を広げた。深紅の布に『紅』の文字。そしてその周りには

 

「翼、文字の周りにあるこれは何?」

 

「これは仮面ライダーの紋章だよ」

紅の文字の上にディケイドの紋章。そして時計回りにクウガ・アギト・龍騎・555・剣・響鬼・カブト・電王・キバ・W・オーズの紋章があった

 

「紋章?」

 

「こんなにあるんですか」

 

「そうだよ」

 

「兄ちゃん、これは?」

 

「これはディケイドの紋章だよ」

 

「隣にあるのは・・・」

 

「クウガの紋章だよ」

 

「じゃあ、この龍の顔みたいなのが・・・」

 

「ああ、龍騎だよ」

 

「すごいわね」

 

「あれ?」

 

「どうしたの?春蘭」

 

「なあ、翼」

 

「何?」

 

「一つ足りないのだが・・・」

 

「本当だわ」

 

「確かに」

 

「にゃ?」

 

「どういう事ですか?」

 

「凪たちは知らないが翼の使える仮面ライダーの力は全部で13個あるはずなのだが・・・」

 

「そうなんですか!?」

 

「たしかに、一つ足りないわね」

 

「何で?」

 

「その仮面ライダーのことよく知らないしその紋章も知らないんだ」

 

「そうなの」

 

「翼の知らない仮面ライダーの力か・・・」

 

「どんなのか楽しみね」

 

「わかったら、加えるつもりだよ」

 

「そう、楽しみね」

 

「でも、こんなにあるとは」

 

「驚きなのー」

 

「確かにやな」

 

「そうね。じゃあ宴会をしましょう」

 

「はい」

 

こうして、翼の新しい軍旗を見終り、皆で宴会をした


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