俺は今城壁から街の様子を見ている
「・・・・・・・・」
何度見ても街の様子は変わらない
「・・・・・・・・・」
俺が立案した警備により、以前より犯罪は少なくなった。また現れたとしても、早く解決している。俺も警備をしている。犯人を捕まえるために、たまに仮面ライダーになっている。
「・・・・・・・・・」
盗賊が出でも、迅速に鎮圧している。俺も仮面ライダーになって戦っている
「鎮圧して助かった人に笑顔は出来る。街から見てもその様子はわかる・・・けど」
あることを言ってしまった
「俺のやってることは正しいのか、間違っているのか?」
「何をしているの?」
と声がした方へ視線を向けると
「華琳」
華琳が居た
「貴方が悩んでいるなんてめずらしいわねー」
「そうか・・・」
「そうよ。それより何を考えていたの?翼・・・」
「・・・別になんでも」
「そんな訳ないでしょう。言いなさい」
「・・・・・・・わかった」
と俺は華琳に向かって話した
「自分のやってきたことについて考えていたんだ・・・」
「やってきたこと?」
「うん」
と俺はさらに話した
「俺のやってきたことは正しかったのかってね」
「・・・・・・」
「俺は戦場に出て、たくさんの人を殺した。今はほとんどが盗賊だけど、殺した。力のない民を守るために・・・」
「・・・・・・」
「倒したことによって、民は笑顔になる。けど・・・」
「・・・・・・」
「俺が今まで倒した賊の中に、家族のため、仲間のため、友人のためにそうするしかなかった人もいるかもしれない。そして俺が殺したことでその人の笑顔を奪ってしまったと・・・」
「・・・・・・」
「もともと仮面ライダーは人間の自由と平和のためそして人々の笑顔を守るために戦う使命がある。だが人間の命は絶対に奪わないんだ」
「・・・・・・」
「けど、俺は殺した。民の笑顔を守るために・・・」
「・・・・・・・」
「だから、思ったんだ俺がやってきたことは、正しかったことなのかってね・・・」
「・・・・・・・」
「けど、俺は後悔していないよ。自分の犯した罪を背負いながら、生きていく」
「・・・・・・」
「例え、民の笑顔を奪ったり、居場所を破壊しても、命がある限り戦い続ける。それが仮面ライダーとしての決意!そしてそれが俺の覚悟でもあるからね」
「そう・・・・・」
「ん?どうしたの?」
「貴方がそういうならそれを貫きなさい」
「わかった」
としばらく沈黙が続き、華琳が口を開いた
「街を見なさい、翼」
「ああ」
俺はもう一度、街を見た。さっきと同じはずの風景だ。けど、今は少しだけ・・・・・さっきとは違って見える。
「あそこに住むのは、この国の民。私たちが守り、育て慈しむべき、大切な宝よ」
「・・・・・ああ」
「その宝を守るためには、どうすればいいかしら?飢饉にあえがず、盗賊に奪われず、他国の侵略に怯えて過ごさせないためには」
「・・・・・・強い国にする。飢饉にも、盗賊にも、他国の侵略にも負けない国に」
「そうよ。掛かる火の粉は払うだけでは駄目。火種から消せるほどね力を持たないと意味がないわ。そうしなければ・・・・・・いつまで経ってもこちらには火の粉が掛かって来るばかり」
「戦いを終わらせるために、強くなる・・・・・・って事か」
「ええ。戦う相手がいなくなれば・・・・他国の侵略に怯える事もなくなるわ。飢饉だって、防ぐ手だても見つかるでしょう」
「それって・・・・・・・何か、おかしくないか?みんな仲良くって事じゃ駄目なのか?国を越えて仲良くすれば飢饉も争いもなくなるだろ?」
「なら聞くけれど。あなたの国は、みんな仲良く・・・・・そんな綺麗事で、平和を保っているの?」
「・・・・・・保っていない」
俺達の国は確かに平和だったけど・・・・・いち学生の俺だって、それがみんな仲良くなんて理想の上の平和じゃない事くらい分かる。
「なら、そんなものはただの理想ね。理想で生きていけるなら、この世はさぞかし平和でしょうよ」
「・・・・・・・」
「この大陸はね、翼。あなたの世界とは違うの。人に話を聞いて欲しければ、声を張り上げて、相手の耳を引っ張って、力付くで引きずり倒して言い聞かせないと・・・・・・伝わらないのよ」
「だから、強い国にならないと・・・・・駄目なのか」
「そうよ。強い指導者のもと、どこまでも声を轟かせられる強い国を作るの。その為には・・・・・・まずどうしたらいいかしら」
強い指導者は・・・・・・いる。何者にも負けない意志と、志を持った指導者は。ならば・・・・・・
「戦える国・・・・・武器と、食料・・・・・それを揃える、お金が必要だよ・・・・・・な」
「その資金はどこか手に入れればいいかしら?私の民とて、無尽蔵にお金が出せるわけではないわよ」
「それなら、商業や工業を発展させて・・・・・・その人達に力を貸してもらえばいい」
「その為には?」
「・・・・・・・国を豊かに、大きくする」
「答えが漠然としてきたわよ。どんな国が、豊かで大きいのかしら?」
「人が増えて、土地が豊かで・・・・・その為には、治水や田畑をたくさん作って・・・・・そうだ、土地が豊かになれば、食料もたくさん手に入るよな」
「そうね。なら、人を増やすためには?」
「みんなが住みたくなる、平和な国を作る!」
「その身に刻みつけなさい。豊かで大きく、平和な国を作るための」
「・・・・・・ああ」
「その祈りに生かされている私たちは、歩みを止めることなど許されない」
「俺も同じって事だな」
「そういうこと。けど貴方の行いが正しいのか、間違っているのかは、あなた自身の手で見つけなさい」
「わかった」
「けど、これだけは覚えておきなさい」
「ん?」
「貴方がやってきたことで救われた民もいること。そして貴方が奪った命の重みもね」
「わかった」
「けど、死ぬことは許さないからね・・・」
「わかっているよ。けど皆が危険な時は、自分の命より皆の命を助けるけどね・・・」
「そう・・・・」
「じゃあね。華琳」
と言い俺は華琳から離れた
「・・・・・・・バカ。そこは、私の名前を呼んでほしかったわよ」