真・恋姫†無双~外史の運命を破壊する者~   作:ヒーロー好き

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三羽鴉とオーズに変身

side 翼

 

 先発隊として華琳の城を出た俺と季衣と秋蘭は賊徒が出たと言う場所に向かっていた。今回の賊徒の数は今までの比でないのに対して、こっちはいつもの中規模部隊より少ないくらいの兵力しかない。戦い方次第ではどうにでもなるが、今回の戦いは賊徒を討伐するのと同時に襲われている村の人間の安全を確保しなければならない。つまりは必然的に今回の戦いは今までの戦いと比べても格段に難易度が高いことになる。義勇軍でもいてくれたのなら対処の仕方が変わってくるが、いるかいないかの義勇軍に賭けるよりも、今の兵力でどのくらいのことが出来るかを考えた方が良いに決まっている。だが相手の戦力がこちらより高いと言うことしか分かってない今の状況じゃ、どんな風に部隊をわけてどんな風な戦い方をすればいいかなんて大まかにしか作戦は立てられない。やっぱり最初は俺が道を切り開いてから、あとで作戦を考えるしかないみたいだな。そんなコトを思っていると一人の兵が秋蘭に近づいてきた。

 

「夏侯淵様、もう少しで賊徒が現れた村に到着します」

 

「あぁ、分かった。みんなに気を引き締めるように伝えてくれ」

 

「は!!」

その兵は返事をするとすぐさま後ろにいる部隊に声をかけに向かっていた。とにかく今は死人を出さないのが先決だ。勝つための作戦はあとから立てれば問題ないだろう。視線を再び前に向ける。すると村に接近している賊徒の大群の姿が見えた。

 

「3千ぐらいいるかな。あーカンドロイド持って来ればよかった」

 

「忘れたの」

と後ろから季衣が言ってきた

 

「うん」

 

「仕方あるまい、急なことだったからな」

 

「わかったよ」

と俺は村の方を見た

 

「賊徒が村に接触するのはもう少し時間がありそうだな。だったら今のウチに民間の避難を急がせるしかないな」

 

「そうだな」

 

「よし、俺と季衣が先に行って村の人たちを避難させておくよ」

 

「頼む」

 

「よし、しっかり掴まっていろよ季衣!」

 

「うん」

と俺はアクセルを全快にして村に向かった

 

 

 

村に到着すると民間人の避難を始めた。

「なんだ、義勇軍でもいるのかな?」

 

「わかんないよ、それより僕たちも手伝おう」

 

「そうだな」

と思っていると

 

「あなた達、何者ですか・・・・・・」

そちらの方を振り向くとそこには顔や体の至るところに傷があり、白髪を後ろで三つ編みにしている少女がいた。

 

「警戒しないでくれ。俺たちは君達の敵じゃない。むしろ味方だ」

 

「・・・・・・・」

 

俺はそう言うが目の前の少女は警戒を解かないままこちらをジッと見据えてくる。確かに言われただけじゃ信じられないのは仕方ないな。

 

「どうした翼?」

と後ろから秋蘭が来た。どうやら追いついたようだ

 

「ちょっとね」

 

「貴方は?」

 

「私は夏侯淵。曹猛徳様のところで武官をしてる者だ」

 

「そうなのですか?」

 

「ああ、こっちが許緒と翼。こちらも同じ武官だ」

 

「俺、何時から武官になった・・・・・・」

 

「気にするな」

 

「いや、でも」

 

「どうだ、信じてもらえたか?」

 

「はい。あなた方から敵意は感じられませんし、何よりも州牧をしている曹操さまの将なのですから疑うところはありません」

どうやら少し興奮しているのか最初に出会ったときの冷静沈着な感じとは裏腹に少しだけ、嬉しそうな表情で話していた。とりあえず信じてもらえたと言うことで義勇軍のところに案内してもらった

 

「ん?秋蘭。何をしているの・・・」

 

「華琳様に報告をするところだ・・・・・」

 

「そっか」

と兵に報告を伝え早馬を出した

 

「さてと、行くか」

義勇軍のところに案内してもらおうと目の前の少女に向き直ったのだが、俺ってばこの子の名前知らねぇじゃん。とか思っていると、少女がふっと微笑みながら言ってきた。

 

「私の名前は楽進と言います」

 

「楽進か・・・俺は紅 翼というんだ」

 

「そうですか。よろしくお願いします。紅様」

 

「(紅様か)」

 

「どうしましたか?」

 

「なんでもない」

と思っていると秋蘭が言ってきた

 

「本題にはいるが楽進は義勇軍の者か?」

 

「は、はい、そうです」

言うと楽進は急に緊張したようになったんだが、どうしたんだ? そこまで深刻な顔をした覚えはないんだけどな・・・・・・。

 

「じゃあ民間人の避難はどれくらい終わってるんだ」

 

「だいたいは避難は終わりました。もう少しで完全に避難が終わります」

 

なるほどね。どおりで俺たちが来てから人をあんまり見ないわけだ。どうやら義勇軍はなかなか出来るみたいだな。

 

「ちなみに義勇軍はどのくらいの兵がいるんだ?」

 

「だいたい百くらいだと思います」

 

百か・・・・・・。義勇軍がいてくれたのは嬉しい誤算ではあるが、数的にはほとんど変わらないな。俺たちの部隊を合わせたとしても数の差は埋めることは出来なさそうだな。俺たちの部隊をあわせて数はだいたい五百から七百前後ってとこだろうな。相手は複数手に分かれての進軍になっているから部隊を分けなきゃいけないんだが、コレだとさすがに捌ききれなさそうだな。俺がう~ん、と唸っているのに楽進は何か不安を覚えたのか心配そうな表情で俺に訊ねてきた。

 

「あ、あの・・・・・・なにを考えてるですか・・・・・・?」

 

「ん? あぁ、コレからどう動こうか考えてたんだ」

 

「なら義勇軍が集まってる場所に来ますか・・・・・・?」

 

楽進の言葉に俺がいいのか? と訊ねると楽進は一回だけうなずいてどこかに向かって歩き出した。俺たちもそれにならい楽進の後ろをついて行く。

 

「ここです」

 

ついていった先には楽進が言ったとおりに百くらいの義勇軍がいた。村で避難誘導をしている兵士の数を合わせるとだいたい百ちょっとってとこか。何にしても少ないな。俺のところには兵は要らないとしても楽進と季衣と秋蘭には兵をつけなければならない。そうすると少ない兵士がさらに少なくなるんだよなぁ~……。とか思っていると楽進のところにやってくる二人の女の子が見えた。

 

「凪~。あり? その人達はどないしたんや?」

 

「凪ちゃん、その人達どうしたの~?」

 

一人は関西弁を使うなんとも男の目を引きそうな巨乳で、さらにそれをあまり隠そうとしない水着のような格好をしている女の子。もう一人はこの時代には珍しい近代的な格好をしているオシャレでなにやらまったりとした口調の女の子だった。

 

「真桜に沙和か・・・・・・。いや、この方達を案内してきたんだ」

 

「そうやったんか、わいの名は李典つうねん。よろしゅうな・・・・・・ってあんさん達はあん時の!?」

 

「あーーーーあの時のまさかこんな形で会うことになるなんて」

 

「真桜ちゃん、知り合いだったの?」

 

「ちょっとな~」

 

関西弁を使う絡繰職人の女の子が人懐っこい笑みを浮かべながら迂禁に言う。しかし何で関西弁なんだ? だいたいこの時代に関西弁なんてないだろうに……。

 

「私は于禁っていうの。よろしくね」

 

こっちの子は比較的普通そうだけど、服装にこだわりすぎな気がするな。こんなんで戦えるんだろうか。

 

「じゃあ楽進には名乗ったけど、改めて名乗らせてもらうか」

 

「そうだな。私は夏侯淵。曹猛徳のところで将をしている」

 

「ボクは許緒だよ!」

 

「俺は紅 翼という」

俺たちが言うと、楽進はさっき聞いたからさすがに驚いてはなかったが初めて聞いた李典と迂禁はかなり驚いたような表情をしていた。まぁ、それだけ華琳の名前が知れ渡ってきてるってコトだよな。

 

「ま、まさか曹操さまっちゅうたら、あの曹操さまか・・・・・・?」

 

「他にどなたがいると言うんだ。正真正銘曹操さまの将だ」

 

「まさか一緒に戦ってくれるんか・・・・・・?」

 

李典はまさかとは言わんばかりに期待をかなり込めた眼差しで、だけどあり得ないと言う表情で訊いてきた。

 

「もちろんそのつもりだ」

 

「やっぱ戦ってくれるわけ・・・・・・ってあるんかい!?」

 

おぉ!? まさかこの時代の人にツッコミを入れられるとは思わなかったぞ!?だけど李典はツッコミを入れた後しまったと言わんばかりの表情をして、楽進と迂禁はヤバいと言わんばかりの表情をしていた。

 

「す、すみません」

 

「すみません。ついいつものクセで・・・・・・」

 

「ごめんさいなの・・・」

 

「気にするな」

 

「そうだ」

 

「とりあえず俺たちもこの村を守るために戦うんだが、それでも数の差は圧倒的だ」

 

「たしかにな、援軍が来るまで持ちこたえないと」

 

「そうだね」

と皆が考えている

 

「ねぇー地図ある」

 

「あるけど、どうするんだ、翼?」

 

「考えがある」

と俺は俺の考えを説明した

 

「地図を見る限り、相手の攻め方は幸か不幸かは分からないが四方向からの一気攻めすると思う。けど今状況だととても持ちこたえれない。けど四方向から仕掛けてきていることが分かるんだから、その四方向に防壁を作り足止めをしながら弓による遠距離射撃で相手の兵力を減らすんだけど」

 

「たしかにそれなら何とかなるが」

 

「けど防壁を作るための時間と材料が足りるかな?」

 

「それはわからない。けどこの状況で夜を乗り切るにはこれしか方法がない。みんなはどうだ」

 

「私は構いません」

 

「うちもかまへんよ」

 

「沙和も大丈夫なの」

 

「ボクもいいと思うよ」

 

「うむ。私もだ」

 

「そうか、じゃあやるか」

 

「私と季衣は東門、南門は迂禁と李典、西門は楽進、北門は翼の指示に従って制作に取りかかれ」

と秋蘭が指示し、それぞれ行動した

 

「あのー」

 

「どうした?」

 

「紅様は一人で大丈夫なのでしょうか?」

 

「心配するな、俺は大丈夫だ」

と言い北門に向かった

 

 

 

 

北門につくと黄巾の奴らがかなり近くまで迫ってきていることが分かった。こりゃ、間に合わないな。と俺は判断し

 

「ちょっと君」

 

「はい」

 

「俺が時間を稼ぐから防壁を作ってくれ」

 

「お一人で大丈夫ですか?」

 

「心配ない、急げ!」

 

「はっ」

と兵達は防壁を作り始めた

 

 

 

「さてと、いくか」

と俺はオーズの変身に必要なオーズドライバーに三枚のメダルをセットする。

 

そして カチャッ! キンキンキンッ!

 

オーズドライバーを右ななめ上にしてオースキャナーにメダルを当てて

 

「変身! 」

 

叫ぶと

 

『タカ・トラ・バッタ』

 

シュシュンッ!

 

翼の周りのメダルが翼を守るように回り

 

『タトバ・タトバ・タトバ!』

 

ジャンッ!

 

翼の体は仮面ライダーオーズ・タトバコンボへと変身した

 

 

「行くぞ。黄巾党」

と俺はメダジャリバーもを持って戦場に向かった


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