MH:E’s   作:taktstock

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リオレウスは変わらずエリア4にいた。

接近するリオンに気付くと、咆哮をしようとするが、リオンが先にあるものを投げた。

 

放物線を描き飛翔するソレは、リオレウスの目の前で、破裂した。

瞬間、視界が白一色に染まる。

支給用閃光玉だ。

 

運良く山菜じいさんから貰ったものだ。

 

リオレウスが飛行中に投げると1番効果的らしいのだが、そんなモノを狙っていたら、あっという間に倒れてしまう。

 

丁度手頃な段差なあったので、そこからジャンプ攻撃。

しかし、リオレウスの甲殻をジャギットショテルの刃が浅く切り裂いただけで、リオレウスは転倒しない。

 

リオレウスが尻尾を振り回す。

リオンはすぐさま足元に移動し、乱舞を繰り出す。

 

だが、強靭な鱗に全て弾かれる。

乱舞が終わるか終わらないかの時、リオレウスが翼を大きく後ろにそらす。

 

リオンは直感的に横転する。

 

瞬間、リオンが先刻までいた場所に火炎玉が着弾していた。

リオレウスは空中へと飛ぶと同時に、火球を放ってきたのだ。

 

火球が着弾して燃える地面を視界の端に捉えながら、リオレウスから視線をそらさない。

リオレウスの些細な動き、筋肉の動き、瞳、全ての挙動を見逃さないよう、凝視する。

 

リオンは自身の父の言葉を思い出していた。

 

 

モンスターには攻撃の前、何かしらの決まった予備動作が必ずある。

それを見極め、モンスターの動きを予測する。

これを完璧にこなせば、全ての攻撃を回避する事が出来る。

どんなに高威力の攻撃も______

 

 

父がよく言っていた。

 

最後の方だけを何故か感情を込めて話していた、しかし何故か妙に聞こえが良いので、今でも覚えている言葉。

 

今は亡き父に、虚妄でもいいのから、少しでも力を貸してもらえるようにと、腹から叫んだ。

 

 

「__当たらなければ、どうという事は無い‼」

 

 

 

 

 

リオレウスか首を少し持ち上げる。口から炎が漏れる。つまり火球ブレス。

 

これを横に移動する事で回避。

 

今度はリオレウスの体全体が、少し浮く。それは勢いを着けるための助走。つまり、低空飛行の突進。

 

今度も横に前転で回避。

 

こうして回避していると、いつ隙が出来るかが分かってくる。

 

リオレウスは突進の勢いを殺すため、脚にすごい力が掛かるため、その瞬間は自由に動けない。

 

「らぁっっ‼」

 

ジャギットショテルがリオレウスの脚を切り裂く。吹き飛ぶ紅鱗、吹き出る鮮血。

 

ここで始めて、攻撃するリオレウスに、目に見える傷を与えた。

 

 

 

しかし、隙は短い。

 

リオレウスは体制を立て直し、尻尾を振り回す。

 

リオンは、数回ジャギットショテルで脚を斬りつけると、すかさず前転をし、リオレウスの尻尾を掻い潜り、距離をとる。

 

リオレウスはリオンに殺気を乗せた視線を向けてくる。まるで、首筋に鋭い刃を当てられている様な感覚に陥り、ゾワリと背筋にむかでが走る。

 

これが、狩人の目。絶対的な強者が見せる、本気の殺気。

 

 

しかし、先程とは違いすぐには動かず、此方を警戒している。

 

取り敢えず、警戒すべき相手として、認められたらしい。

 

大きく息を吐きながら、リオンは周りを確認する。

 

まず、真っ直ぐ前にはリオレウス。

そして、リオンのすぐ右側には壁があり、その壁はリオレウスの少し後ろまで続いており、左側には落ちたら死ぬであろう崖。

 

リオレウスが首をもたげ、口から炎が漏れ始める。

 

瞬間、リオンは思考を高速回転させる。

 

 

 

 

この道幅じゃ火球を避けるには難しい。

 

 

避けたとしても、火球の風圧でよろけて次に備えられない。

 

 

でも後ろへの回避も間に合わない。

 

 

 

_____だったら。

 

 


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