MH:E’s   作:taktstock

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「最近よく話すわね」

 

 

バレバレの集会場にて。

 

上位受付嬢が、興味深そうにリオンの背中を見つめて訪ねた。

ドスジャギィを討伐したらしい。

レザーシリーズで身を固め、双剣を担いでいる。

 

「……別にそういうのじゃないですよ?」

 

下位受付嬢はあらぬ事を考えている上位受付嬢の事をジト目で睨む。

 

「あら、そうかしら?あんなにハンターさんと楽しそうに話してたの、始めてよ?」

 

下位受付嬢はうっと唸る。

図星なのか変な汗も出てきている。

 

そして上位受付嬢はさらなる追い討ちをかける。

 

「それにあなた、この前受付嬢の皆で打ち上げ会した時「わぁぁ⁉うわぁー‼」

 

上位受付嬢が何かしようとする前に口を塞ぐ下位受付嬢。

必死なのか、耳まで真っ赤っかだ。

 

周りのハンターがその叫び声に驚く。

 

自分に注目が向いた事に気付いた下位受付嬢は慌てて何でもない事を伝える。

 

「……もうっ‼なんて事をしてくれるんですかっ⁉」

 

「今のはどう見ても自業自得でしょ?……あ、クエスト受注ですか?はい……」

 

プンプンと頬を膨らませる下位受付嬢に上位受付嬢は取り合わず、仕事に戻ってしまった。

 

 

 

「別にそう言うのじゃ無いもん……」

 

下位受付嬢は独りそうぼやいていた。

 

☆☆☆

 

リオンは今日、集会場にいた。

集会場は相変わらずたくさんのハンターで賑わっている。

 

最後にドスジャギィを倒してから2日経っている。

防具はドスジャギィの素材を大胆に使用した、真新しいジャギィ一式に変わっていた。

双剣もツインダガー改から、鮮やかな色彩のジャギットショテルに変わっている。

 

今日は手頃な依頼が無いので、武具の性能の確認も兼ねて遺跡平原の採取ツアーを依頼する予定だ。

え?もちろん1人ですが何か?

 

 

「隣いいですか?」

 

脳内で自虐ネタを展開させながら、パンとミルクを注文して待っていると唐突に後ろから声を掛けられた。いいですよ、と答えようと振り向いて___

 

カチンと固まる。

声を掛けて来たのは女性ハンターだった。

 

髪は白というよりは白銀のセミロング。

肌はハンターとは思えないほど美しく、白雪のようだ。

薄紅色の瞳がこちらを真っ直ぐ見ている。

10人に問えば10人が美少女と言うだろう。

 

美少女への耐性がなかったので固まってていると、その女性ハンターは困った様に笑い、ダメですか…?と訪ねてくる。

 

「あ、いいえ、大丈夫です」

 

そう言って席を若干譲る。

良かった。俺はコミュ症じゃなかった。

 

女性ハンターは席に座ると肉とパンを注文し、こちらを向く。待つ間話しでもするのだろう。

 

「……今からクエストですか?」

 

「えーと、さっきゲリョス狩猟から帰ったばかりなんです」

 

「へぇ…」

 

彼女の防具はガンナー用カブラ一式。両生種のモンスター、テツカブラから作られる装備。

リオンはまだ戦った事はないが、新人ハンターにとっては手強いらしい。

と、そこへリオンの注文したメニューが届いた。

 

「貴方は今から何に行くんですか?」

 

「採取ツアーで、野良モンスターにこの武器を試そうと思って……」

 

「へぇ…双剣ですか」

 

そう言って、リオンの背中にある双剣を興味深そうに見る。

 

別段珍しくもないのだが。

 

その後、武器の話を花咲かせていたのだが、彼女の料理が届いた頃にはリオンはもう食事を終えていた。

 

「じゃあ、俺はそろそろ行きますね」

そう言って席を立つ。

 

「あれ、もしかしてソロですか?」

 

「え、えぇ。まあ」

 

何だろう。別におかしくないのに恥ずかしく感じるこの感じは。(ぼっちだからじゃない?)

 

女性ハンターは考えるようにこちらを見つめながら、問いかけてくる。

 

「名前、聞いても良いですか?」

 

 

何故名前を聞くのか と思ったが、気になる程じゃ無いので、「リオンです」と伝え、そのままクエスト受付カウンターに向かった。

 

 


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