俺と一色の御近所付き合い   作:時雨日和

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第7話 告白の代償?

次の日朝

予想を覆さず風邪をひいた。現在ベッドの上。

八幡「予想通り過ぎて笑えてきた」ゴホゴホ

いろは「もう…雨の中歩いてすぐに暖かくしないからですよ!まったく……まあ、嬉しかったですけど」ボソッ

八幡「はぁ……風邪薬とマスクくれ、仕事行ってくるから」

いろは「何言ってるんですか!?風邪引いてるんですから寝てて下さい!会社の方には連絡しておきますから」

八幡「……会社休めるからいいか、でもお前は大学行けよ」

いろは「えぇ〜、何でですか?大切な彼氏が風邪ひいてるんですよ?ここは看病しないといけないじゃないですか」

八幡「だからって…」

いろは「大丈夫です。単位もちょっとやそっと休むくらいじゃなんとも無いですし、就職先とかもある程度決まってるので」

八幡「…そうか」

いろは「だから、今日くらいはめいっぱいわたしに甘えてください」

八幡「………助かる」ボソ

いろは「はい♪」

小さく言ったつもりなんだが、近くにいるせいか聞こえてたようだ。高校時代のようなあざとい笑顔ではなく、一色の素の笑顔だった。……語尾に音符とか付きそうな言い方なのはちょっとあざといけどな。

いろは「では先輩。お粥作りますのでちょっとだけ待ってて下さい」

そう言ってエプロンをつけながらキッチンの方に向かっていった。おかしい、変だ。いや別に一色がおかしいとかじゃなくて、俺がおかしい。風邪のせいか、昨日のせいか一色の一挙一動が…なんと言うか愛おしい。こんなにも変わるものなのか、今まで経験無いからな仕方ない…やばい何か意識してしまうと直視出来ねぇ…

いろは「お待たせしました〜」

早っ!?いろはすお粥作るの早っ!ってちげぇさっきからもう40分経ってる!?俺どんだけ一色の事で考えてたんだよ!?大好き過ぎるだろ!!

いろは「先輩どうしたんですか?何かさっきより顔が赤いような……熱上がりました?」

近くのテーブルにお粥を置いて、自分のおでこと俺のおでこに手を置いて熱を測り始めた。

八幡「っ!?」

いろは「うーん…多分熱ありますね。安静にしてて下さいね」

ごめん無理だ。意識するなという方が無理だ。熱を測り終えた一色はお粥をもった。それに同調して上半身を上げお粥の入った器を受け取ろうとする。が

いろは「あ、待って下さい先輩。先輩は動かないで下さい。安静ですよ安静」

八幡「は?なら食えねぇだろうが…」

いろは「大丈夫です。わたしが食べさせて上げますから!はい、あ〜ん」

八幡「っ!?///ば、ばっ…お、おま…出来るわけ」ゴホッゴホッ

いろは「ほら先輩、安静にです落ち着いて下さい。大丈夫ですって、他に誰も居ないんですから。恥ずかしくないですよ」

八幡「だ、だからって…」///

何でこいつこんな平然と話してんの?いろはすのメンタルが凄い……あ、前言撤回こいつも顔真っ赤だわ。

いろは「ほら先輩、あ〜ん」

八幡「っ///………あ、あ〜」パクッ

…やっちまった。

いろは「どうですか?食べれます?」///

八幡「あ、あぁ…何とかな、美味いし……」///

嘘です。恥ずかし過ぎて味なんてわかりません、ってかなんでお前まで赤くなってんだよ。めっちゃ意識してしまうわ。

それから結局全部一色に食べさせて貰ってしまった。…まあ、一番恥ずかしいのは最初だけだったから……うん。

八幡「ごちそうさん」

いろは「はい、お粗末さまでした。では先輩、会社の方には連絡しておきましたのであとはゆっくりと休んでいて下さい」

八幡「おう………あ、ありがとな」

最後にふふっと笑う一色を見てから眠りについた。

次に目が覚めたのは昼を少し過ぎた頃だった。おでこには濡れたタオルが置いてあった。

八幡「……感謝しないとな」

少し落ち着いたのか少しだけ体が軽い。だがまだ少し熱はあるようだ。そう思っていると一色がお盆を持ちながら中に入ってくる。

いろは「あ、起きましたね先輩。お昼ですよ、おうどん作りましたから食べましょう」

テーブルにお盆を置いてうどんが入っている器を持ってさっきのように。

いろは「はい先輩、あ〜ん」

またか……

八幡「……あ、あー」///ズルズル

一回やっただけあってさっきよりは抵抗は少なくなった。ただお粥よりは食べずらかったけど、でもやっぱ恥ずい……結局全部ズルズルと食でさせて貰ってしまった。昼飯も食べ風邪薬も飲んで少ししてから熱を測ってみると多少は下がっているもののまだ完全では無かった。

いろは「ああ、まだちょっと熱ありますね。ゆっくりしてて下さいね、わたしはタオル濡らし直してくるので。また来ますけど何かあったら言ってください」

朝から思っていたが…妙に一色が優しい。これが風邪の効果か、そういえば親とかも普段そうでもないのに風邪とか怪我とかした時に限って優しくなる時あるな、あれと同じか。

八幡「あ、ああ…何か悪いな。大学も休ませちまったし」

いろは「気にしないで下さいよ、先輩は病人なんですから。それに…昨日は嬉しかったですし」

後半から少しずつ顔が赤くなっていた。そうなるんなら思い出すなよ、俺まで赤くなるだろうが…

八幡「ま、まあ何だ。俺の方はもうだいぶ良くなった、だから気にしなくて大丈夫だ。ゆっくり休んでくれ」

いろは「ふふ、わかりましたよ先輩」

一色がタオルを持って部屋を出ていってから俺はまた眠りについた。風邪になると無駄に眠くなるな。

次に目が覚めたのはもう既に部屋の中は暗くなってからだ。この時にはだるさもほとんど無くなって熱も引いていた。そして右手に違和感がありその方を見ると、一色が俺の手を握りながら眠っていた。いや休めとは言ったけども……。俺は上半身を起こした時、タオルが落ちた。そのタオルはまだ少しだけ冷たかった。

八幡「………ったく、休めって言ったのに」

体を回してベットから足を出してベッドに座る体勢になり一色の隣に座る。

八幡「今日はありがとな、お前が居なかったらヤバかったかもな…」ボソナデナデ

左手で一色の頭を撫でてやった。心無しか一色顔が綻んだような気がした、暗いから見にくいけどな。


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