俺と一色の御近所付き合い   作:時雨日和

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第4話 祭りの約束

関東も梅雨入りした6月中旬の昼過ぎ

いろは「せんぱ~い、ジメジメして気持ち悪いです~」

八幡「それは部屋の事言ってんだよな? 俺に対して言ってるわけじゃないよな?」

いろは「先輩何言ってるんですか?」

八幡「いきなりガチのトーンなるのやめてくんない、不安になるから。危うく自殺しちゃうよ?」

いろは「冗談ですよ、部屋です部屋。湿気が酷いじゃないですか」

八幡「しょうがねぇだろ、雨降ってるから窓も開けられないし」

いろは「エアコン付けましょうよ~」

八幡「お前…ここ俺のとこの部屋って分かってるよね? ってかなんで俺の部屋に来てんの?」

いろは「だって先輩今日休みじゃないですか~」

八幡「お前俺休みの日いつも来てんじゃん、何なの? 暇なの?」

いろは「いいじゃないですかぁ、来る代わりにご飯作ってるんですから、たまに私が材料買ってくる日もありますし」

八幡「まあ、その点に関しては感謝してる、俺も美味い飯食えるのは良いし、割と健康的だし」

いろは「何ですか?口説いてるんですか?まだ心の準備とか出来てないので無理ですごめんなさい」

八幡「それ前にも言われた気がする。それで夜はどうするんだ?」

いろは「もちろん夜も作ってあげますよ。先輩料理作ると言ってもチャーハンとかそんな感じのしか作らないんですもん、色が足りません」

八幡「男の料理なんてそんなもんだろ」

いろは「元専業主夫志望が何言ってるんですか、もっと栄養を考えないとダメなんですよ。体に悪いです」

八幡「まあそうだな」

いろは「です。だから私がちゃんと栄養考えた料理を作って上げてるんですよ」

八幡「何ですか?口説いてるんですか?」

いろは「は?」

八幡「ほんとすまないとおもっている」

いろは「ほんと先輩はしょうがないですねぇ…あ、そうだ」

八幡「どうした」

いろは「先輩7月7日って予定あります?」

八幡「7月7日?…ん、あるな」

いろは「え!?あるんですか?」

八幡「おう、あるぞその日は仕事が休みっていう予定がな」

いろは「休みじゃないですかぁ…」

八幡「ばっかお前、社畜の休み舐めんなよ!」

いろは「今だって社畜の休みですけど? すごいゴロゴロして暇そうですけど?」

八幡「これがいいんだろうが、仕事で疲れた体を休ませるっていう」

いろは「とにかくやる事は無いんですね?」

八幡「あるぞぉ、ねr…」

いろは「寝る、ゴロゴロする、本読む以外でお願いします」ゴゴゴ…

八幡「…無いです(いろはす怖い!なんで笑顔なのにそんなに低い声だせるの!?)」

いろは「なら先輩!お祭りに行きましょう!」

八幡「えぇ…」

いろは「何ですか? そのあからさまにめんどくさそうな顔は」

八幡「だってどうせ人多いじゃん」

いろは「そうかもですけど、こんな機会滅多に無いじゃないですかぁ、だからお願いします」

八幡「友達とかと行けば良いんじゃないか?」

いろは「友達は彼氏とかと行くみたいなんで…だから先輩しかいないんですよぉ!」

八幡「……お前彼氏とかは?」

いろは「いませんよ? いたらこんな休みの日に先輩の部屋になんか来ません!」

八幡「なんかとは失礼だな…」

いろは「だから先輩、お願いします…ね?」

八幡「っ……!?……しょうがねぇな…」

いろは「えへへ、ありがとうございます先輩!」ダキッ

八幡「だぁ!腕に抱きつくな!あざといっつの」///

いろは「えへへ、じゃあ先輩お願いしますね」

八幡「はいはい…」

いろは「それじゃあ、晩御飯の準備しますね」

エプロンを着てキッチンの方へ向かう一色。

八幡「…なんでああいう時はあざとくないんだよ…」ボソッ

いろは「何か言いました?」

八幡「何でもねぇよ…」


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