俺と一色の御近所付き合い   作:時雨日和

17 / 17
ついに、ついに完結です!長かった…
ハーメルンでは11月からの投稿ですが、この話は去年の3月31日に暁に初投稿していました。俺ガイル、八色というブランドのおかげか私の作品の中ではとても人気のある話でした。これから番外編など書くかも知れませんが、とりあえずはこれで本編完結です。
いつも通り、キャラ崩壊注意です


最終話 一色いろはの入社

3月31日

「比企谷、ちょっといいか?」

 

夜の会社、今日も定時で帰れないのは当たり前だが普通に今9時。それにまだ仕事も残っている。オフィス内にはほとんど人がいない。そんな時に後藤先輩に声をかけられた。

 

「なんすか?」

 

「知ってると思うけど明日から新入社員が入ってくるんだが」

 

「いや、俺普通に知りませんでしたけど…」

 

「え?」

 

「え?」

 

嘘ではない。いや、明日から四月だから来るんだろうとは思ってたけど他のところもあるからここに来るとかは知らない。本当に、まあ、一番の理由は誰も俺にそういう話を流さないのが理由何だけど。

 

「聞いてないのか?噂とかにもなってたはずだけど」

 

「俺そういうの回ってくるようなタイプじゃないですし、他の人と仲良くないんで」

 

「…そうだったな」

 

ちょっと憐れんだような目はやめて欲しい。この人を見てると少しだけ葉山を思い出す。この人も結構顔はイケメンだし、何よりかなり慕われてる。そこら辺の上司よりも慕われているんじゃないかと思うレベル。

ただ、葉山と違うのは俺がこの人の事を嫌いではないという点だ。この人は切り捨てる場面をしっかりと弁えている。葉山のように全員で仲良し小好しではない。この前なんか部下であろう人にめちゃくちゃ冷徹な目をしてたの見た。怖くてすぐにその場を去ったけど。

 

「悪かった。俺のミスだな」

 

「いえ、そんな先輩のミスってわけじゃ…」

 

「いや、お前がそういうタイプのやつだってのを忘れていた」

 

この人天然で俺の心を抉ってくるな。

 

「まあ、いい。とりあえず明日新入社員が来るんだが…比企谷、お前にそいつの相手を任せていいか?」

 

「え?俺ですか?なんでまた」

 

「その子も大学卒業してすぐに就職って感じだからお前と歳も近いからな。それに、お前はこの前入ってきたとは思えないほど仕事が出来るからな」

 

「買い被り過ぎじゃありません?それに俺対人能力低いですし」

 

小町はめちゃくちゃ高いんだけどな…なんで兄妹でこんなにも差が生まれるのだろうか、兄より優れた妹って存在するんだな、勉強の方は俺のが上だけど。

 

「それも勉強だと思ってくれ、今後何があるかわからないしな。な?頼むよ」

 

「…わかりましたよ。先輩の頼みですし」

 

「助かるよ。仕事まだのこってるのか?手伝うよ」

 

本当にこの人は優しい。そして、人の扱いが上手い。あと、わざわざ俺に新しいやつの相手をさせるってことはなんかあるんだろうな…まあ、世話になってる人の頼みは断れない。

 

「ありがとうございます」

 

「おう」

 

ほんと、爽やかな笑顔ですね。

 

結局帰る頃にはもう11時を余裕で過ぎていた。仕方ない、明日新入社員に何を説明すればいいとかを相談してたから仕方ない。

部屋の明かりが見えたからまだいろはは居るのだろうと思ってたら案の定いた。俺がただいまと玄関で言うとわざわざ玄関まで来ておかえりなさいと言ってくれる。

 

「まだ居たんだな」

 

「はい、先輩が帰ってくるの遅いからですけど」

 

「遅いと思ったら帰っていい…って言っても聞かないのは知ってるから言わねぇ」

 

「めちゃくちゃ声に出してますけどね。言ってるのと同じですよ。でもよくわかってるじゃないですか」

 

「どんだけお前と一緒にいると思ってるだよ」

 

「これからもずっと一緒ですもんね?」

 

「…あざとい」

 

「む、でもでもこれが素直な気持ちだったりするんですよねぇ」

 

めっちゃニヤニヤしながら俺の方見てくるんだけど、やめて欲しい。

 

「風呂入ってくる」

 

「ふふ、はーい、ご飯の用意してますね」

 

言った通りに俺が風呂から上がるとちょうどいろはの方の用意も終わりご飯を食べた。いつも通りだ。そう、いつも通りだ。ごめんねつまらなくて、いつもいつもこんな書き方で…何てメタ話はどうでもいい。

 

「結局、お前の就職先どこだよ」

 

「明日まで内緒ですって、明日になったら教えます」

 

その応えにも飽きてきた。聞く度に明日、つまりは入社の日になるまで教えないと応える。何なの?まさかうちの会社じゃないよね?いや流石にないか、前に適当にうちの会社か?って聞いた時『どうですかね?あ、もしかして先輩、わたしと一緒に働きたいんですか?』ってニヤニヤしながら言われたからちょっとイラッとした。だからないとは思う、予想としてはかなりの大穴だろうな、万馬券並みだ。

 

「はあ…」

 

「明日、楽しみにしててくださいね」

 

「何を楽しみにすればいいんだよ…」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日、せっかくだからいろはを送って行こうと思ったらどうやらかなり早い時間に出発していたようだ。そういえば俺も入社の時は早かったな…何て思い出に浸っていると会社に着いた。朝礼まではまだちょっとだけあったが『編集長』のデスクの近くにいるはずのないやつが立っていた。

……おいおいおい…

 

「少し早いがこれから朝礼を始める。その前に今日から入社した一色君に一言挨拶して貰う」

 

「今日からこの『編集部』に勤めさせていただく事になりました一色いろはです。何分このような仕事には慣れていないもので皆さんにはご迷惑をおかけする事と思いますが、一日でも早く皆さんのお力になれるよう頑張っていきます。宜しくお願いします」

 

そう言っていろはは深々とお辞儀をし、それに対し拍手が起こる。俺も一応それに混ざって拍手していたがきっと顔が引きつっているだろう。

 

「それじゃあ、一色君は比企谷に色々と教えてもらうようにな。比企谷、よろしく」

 

「…は、はい…」

 

「それでは今日もみんな頑張るように」

 

朝礼が終わった瞬間俺は後藤先輩を見た。後藤先輩は笑いながら俺に向けてサムズアップしていた。

…どうして俺の目論見は悪い方が当たるんだろうか

そうこうしている内にいろはが俺の近くまで来た。

 

「先輩」

 

とってもニコニコとしながら俺の横まで来た。いや、ニコニコじゃないな、ニヤニヤだな。

 

「…楽しみってこれかよ」

 

「はい!どうです?驚きました?」

 

「…はぁ、まあな」

 

「えへ、それでは先輩。これからも先輩後輩としてよろしくです!」

 

とびきりのあざとい笑顔でいろはは言った。どうにも俺はいろはには敵わないと感じてしまう。

今いろはは俺のデスクの隣にいる。形は変われど俺といろはのご近所付き合いはこれからも続いていく。




終わってしまいました!無理やりです本当にありがとうございます。
いや、本当に、最後の締め方とか無理矢理にも程がありますね。

今まで読んで下さった皆さん本当にありがとうございました。とても拙い文章で、とても軽い内容で本当にすみません。もっともっと上手いように書ければ良かったのですがなかなか上達しませんでした。
それでもさっき見たところUAがなんと4万を超えていた事には本当に驚きです。評価もとても高く、お気に入り件数も沢山の人がして下さってとても感激です。個人的な趣味で始めたその話をここまで読んで下さる人たちがいるとは夢にも思いませんでした。たまに来る感想もとても暖かいものが多かったです。『楽しみにしています』という感想を貰った瞬間泣きそうになるほどです。
私はかなりの不定期更新で、何ヶ月も待たせてしまうこともありましたが、それでもこの前久しぶりに投稿したあとでもかなりの人が読んで下さった事がとても嬉しかったです。なので、最終話位は早めに投稿しました。あとがきがかなり長くなってしまって申し訳ないです。
とにかく私が言いたいことは皆さんが読んで下さっていたお陰でこの話を最後まで書く事ができました。本当にありがとうございます。
文章拙すぎてこのあとがきすら何言ってるのかわからないレベルですねw
感想お待ちしております。
なんかコメ稼ぎ乙だな…













もしかしたらこの話の続編も書くかも知れません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。