俺と一色の御近所付き合い   作:時雨日和

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前回の投稿からかなり時間を空けてしまい申し訳ありません
そして、今回の話はほんとにタイトル通り甘いような苦いような感じです
いつも通り拙い文章ではあり、残り少ない話数になりましたが、楽しめて貰えれば幸いです
最後に質問がありますのでよければ答えていって下さい
そして、毎度の通りキャラ崩壊等にご注文下さい


第14話 甘くて苦い味

2月

今年度もそろそろ終盤を迎えるこの時期、最近忙しくて休みも取れなかった今日この頃、俺は久しぶりの休みだ。

いろはも論文とか提出しているため休みだ。というより昨日からこっちに泊まっている。

現在朝の8時、未だにベッドでスヤスヤと寝ているいろは。そして俺はと言うと朝食作りの真っ只中だ。これから何があるかわからないのだから少しは料理を出来るようにと少し前から始めている。特に、いろはが泊まりに来た時などだ。

そんな朝食のフレンチトーストを作り終えいろはを起こしにかかる。

 

「ほれ、朝だぞ。起きろ」

 

「んぅ…」

 

小さく息を漏らしながらもぞもぞと動く、だが起きようとはしない。相変わらず寝起き悪いな。

 

「おい、朝ごはんできてるんだ。冷めないうちに食うぞ」

 

「ん〜……」

 

……イラッ。

無理矢理布団を引き剥がし、遠くの方へ布団を投げる。現在は2月まだまだ朝は寒々としている、寝起きにこれはキツイ事はよく知っている。

 

「ああ!酷いです先輩!寒いです!暖めてください!」

 

「おう、温かいコーヒーが淹れてあるぞ」

 

「もう…わかってるくせに!」

 

寒い日の朝はいつもこんな感じだ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「先輩、夜ご飯の買い物に行きましょう」

 

朝の騒動から数時間後、現在3時過ぎ。いつもの買い物の時間である。

 

「ん、おう」

 

2人でいつものスーパーに買い物に行く。ほんと、スーパーに近いと買い物が楽で助かるよ。荷物持ちにはほんとありがたい。

 

「今日は何にするんだ?」

 

「今日はですね、カレーにしようと思います」

 

「カレーか」

 

「はい、嫌ですか?」

 

「いいや、別にそんなことはねぇよ。カレー嫌いじゃねぇし」

 

「先輩、わたしの作るカレー好きですもんねぇ〜」

 

「は?何言ってんの?どれも同じようなもんだろ」

 

「うわ…酷いです先輩!そんな事言うんだったら先輩のご飯は塩だけです!」

 

「ごめんなさい。いろはのご飯が一番です」

 

「ふふん♪わかればいいんですよ♪」

 

脅迫じゃねぇか…

 

こうして買い物も終わり、家に着いていろははカレー作りを始めた。

そして、俺はまあ、適当に風呂掃除とかしてた。

 

そして夕食

 

「「いただきます」」

 

「どうですか?先輩」

 

「ん、ああ。美味いな、何かいつもより甘く感じるが」

 

「流石先輩!味の事だけは!ちゃんと分かるんですね!」

 

「だけってなんだよ。あと強調すんじゃねぇ」

 

「今日はちょっと隠し味を入れてみたんですよ。なんだと思います?」

 

「あ?カレーだろ?ならリンゴとかじゃねぇの?」

 

「ぶっぶー、残念不正解です」

 

なにその仕草、何かうざいんだけど。

 

「んで、正解は?」

 

「ノリ悪いですねぇ…正解はですねぇ。今日って、バレンタインじゃないですかぁ?」

 

「おうそうだな」

 

「と、言うわけでチョコレートを入れてみました!!」

 

「へぇ」

 

「…反応薄すぎませんかね?」

 

「普通だろ?おかわり貰うぞ」

 

「あ、はいどうぞ…」

 

案の定いろはは不貞腐れた。頬を膨らませ俺の方を見てる。相変わらずあざとい。

 

「先輩のばーか」

 

「うるせぇよ」

 

夕食が終わり、食器を洗い、お互い風呂に入り、各自まったりとしている。

そんな所にいろはが背中にもたれかかってきた。

 

「何だよ」

 

ここで重たいなど言った日にはガチでご飯抜きにされるので注意、俺も成長したな。

 

「……」

 

「おい」

 

「先輩のばーか」

 

「人に寄りかかりながら暴言吐いてくんじゃねぇよ…ほれ、頭だせ」

 

「ん…」

 

そう言うといろはは正面に回り込んで、頭だけ俺に寄りかかってきた。そして俺はいろはのアタマを撫でた。

 

「…先輩は馬鹿です、ボケナスです、八幡です」

 

「だから八幡は悪口じゃねえっての」

 

ほんと懐かしいなそれ。

 

「…悪かったよ」

 

「ホワイトデー、期待してますから…」

 

「わかったよ」

 

「10倍返しですからね」

 

「はいはい」

 

「…ほんとにわかってるんですか?」

 

「わかってるって」

 

「…わたしの事好きですか?」

 

「ああ」

 

「ちゃんと言葉にして下さい」

 

こいつ…

 

「ああ、好きだよ」

 

「わたしは嫌いです」

 

「おい」

 

「…はい」

 

そう言ったいろはの手には黒と青のマフラーがあった。

 

「ちょっと遅めですけど、まだ寒いのであげます。バレンタインですから」

 

「お前もひねくれてきたな」

 

「先輩のせいですからね。ちゃんと責任取って下さいね」

 

「ほんと、責任って言葉が好きだな」

 

「うるさいです。このマフラーで首絞めますよ」

 

「怖ぇこと言うなよ。ありがとな」

 

「ちゃんと10倍返しですからね」

 

「はいはい」

 

撫でながらマフラーを受け取り、寒い日はちゃんと毎日着けていこうと思ったまだまだ寒いバレンタインの話




はい、今回の話も終わりこのご近所シリーズなのですが、あと2話で終了したいと思います
なので、もし要望がございましたら番外編として何話か投稿致しますのでよければ、こんな話を書いて欲しいというものを言ってください
今回もここまで見てくださりありがとうございます
最後の最後まで読んでいただければ本当に幸いです

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